« アニメ版銀河鉄道の夜 ますむらひろし原案 | トップページ | ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女 »

2012/01/13

賢治と鉱物 文系のための鉱物学入門 <1> 加藤碵一/青木正博


「賢治と鉱物」 文系のための鉱物学入門 <1>
加藤碵一/青木正博 2011/07 工作舎 単行本 269p
Vol.3 No.0584★★★★★

 先日、賢治を読んでいて、無償にプラネタリウムを見たくなり、天文台へと車を走らせた。町はずれの高台にあり、散策コースとしても、ウォーキング・コースとしても悪くない。近くに図書館もあるし、たまにいつもと違う図書館を覗いてみるのも悪くない。

 天文台は、相変わらず、小学生や恋人たちでにぎわっていたが、初老の男が、ひっそりと空を眺めている風景もまんざらではないのではないか、と自分では思う。

 お茶を飲みながら、売店を見ていると、気になるグッヅがいくつかあった。ひとつは35倍組立天体望遠鏡。お手軽な工作で、10分で出来上がるというのが味噌。汎用のカメラの三脚を使う。そうそう、そう言えば最近、学校バザーで100円の中古三脚を一個ゲットしておいたのだった。これでひとつできあがり かな、と思えた。


10分で完成!月のクレーターもくっきり!土星の環もわかる!星空散歩を楽しもう*発送はレーターパック500(500円)です。組立 天体望遠鏡 35倍

 そしてその傍らには、なにやら小さな石のコレクションがあった。


天然石 パワーストーン【メール便送料無料】【レビュー割引】天然石タンブル詰め合わせ(35種類)世界の鉱物コレクションボックス(特大ポスター付)<天然石-タンブル>

 ほほう、天文台に来て石のコレクションとはこれ如何に、とは思ったが、これがなかなか美しい。小さな石のサンプル達は、このまま指輪やネックレスにしたら素敵じゃないか、と思う。ああ、それなのに、この値段(1050円)。安い。そう言えば、賢治の世界も鉱物と繋がっていたな、と、さっそく当日は、こちらの石のコレクションをお持ち帰りとなった次第。

 そう言えば、前に花巻の賢治記念館を尋ねた時、近くの施設に、賢治ゆかりの石を展示している空間があった。銀河系とともに、石こ賢さんは、鉱物にも繋がっているのだった。そう思いつつ、この近刊「賢治と鉱物」をめくった。出版は工作舎。なるほど、この出版社だからこそだせるような企画かもしれない。

 「世界の鉱物35種」を見た時は、へ~、こんなにいろんな種類の鉱物があるんだなぁ、と関心しきり。ひとつひとつが美しい。ハウライト、レオバードスキンジャスパー、マホガニージャスパー、ローズクォーツ、ブルーアゲート、・・・・。ひとつひとつの石の名前さえ目新しく、多分きっと覚えられないだろうな、と思いつつ、この35種類の石の名前を覚えたら、いっぱしの鉱物学者になれるのではなかろうか、とさえ夢想した(笑)。

 さて、こちらの「賢治と鉱物」にも石の名前がどんどんでてくる。トルコ石、天河石、サファイア、ガスタルダイトとインデコライト、硅孔雀石、・・・・。ひとつひとつが風景を持って登場するようなネーミングばかりだ。

 さて、「世界の鉱物35種」と「賢治と鉱物」を突き合わせてみると、これがなかなかうまくいかない。トルコ石がハウライトターコイズ、天河石がアマゾナイト、瑪瑙はめのう、霰石はアラゴナイト、蛍石はフローライト、などという風に対応しているだろう、と想定してみる。

 水晶と水晶、ラブラドライトとラブラドライト、などのように、そのものズバリの名前繋がりもあるのだが、猫目石とタイガ―アイ、など、ひょっとすると繋がっているかな、と想像するに留まる石もある。 

 そして、「賢治と鉱物」の中にある、サファイア、エメラルド、琥珀、オパール、ルビー、黒ダイヤモンド、などの、名前を聞いただけでも高価そう、と思える石のサンプルは、当然のごとく税込1050円の「世界の鉱物35種」には入っていない。

 世の中には、こんなにいっぱい、いろんな種類の石があるのか、と驚く。それでも、名前繋がりで繋がったいくつかの石のサンプルと、本の画像を見ると、なるほど色や雰囲気は似ていなくもないが、その形状や触感はかなり違っていそうだぞ、と思えてくる。

 最初は、「世界の鉱物35種」だけでも、相当に美しく、多様に感じられていたのに、あっという間に、石は石で、小さな「おもちゃ」に見えてきてしまった。そして賢治が見ていた「鉱物」の世界とは、どのようなものだったのだろう、と、ふと空を見て、溜め息をついた。

 石と言えば、昔、「クリスタル・エンライトンメント」(OEJ1992)なんて本があったことを思い出した。あちらには、アメシスト、ローズ・クォーツ、シトリン、スモーキー・クォーツ、オジシディアン、ジェム・シリカ、フローライト、クンツァイト、ロードクロサイト、スギライト、トルマリン、などの石の名前が並んでいる。

 ふむー、なるほど、こういう世界があるんだなぁ、と思いつつ、理科系でもなければ、文科系でさえない、通りすがりの好奇心の強いおっさんでしかない当ブログとしては、ふむふむ、と、こういう世界がある、という確認をして、次の駅へと旅立つのであった。

<2>につづく

|

« アニメ版銀河鉄道の夜 ますむらひろし原案 | トップページ | ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女 »

34)地球人スピリット宣言草稿」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 賢治と鉱物 文系のための鉱物学入門 <1> 加藤碵一/青木正博:

« アニメ版銀河鉄道の夜 ますむらひろし原案 | トップページ | ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女 »