The Back Country 奥の国 Gary Snyder <2>
「The Back Country」 奥の国 <2>
Gary Snyder (著) 1968 ペーパーバック: 150p 出版社: New Directions; New版 言語 英語,
★★★★★
ゲーリー・スナイダーが1968年の段階で宮沢賢治を英訳していたという記念碑的な一冊。「英語で読み解く賢治の世界」の ロジャー・パルバースが来日したの1967年だから、そのころスナイダーはすでに、翻訳を終了していた、ということになるだろうか。
もっとも、スナイダーの翻訳は、十全なものではなく、このペーパーバックにおいても20数ページを割いているだけである。紹介している詩も部分的となり、20編たらずのものである。しかしながら、初期の詩集において賢治を紹介しているということ自体、スナイダーと賢治に通じる、シンパシーの存在を察することができる。
MIYAZAWA Kenji (1986~1933)
・・・・was born and lived most his life in Iwate prefecture in northern Japan. This area, sometimes called the Tibet of Japan, is known for poverty, cold, and heavy winter snows. His poem are all from there.
He was born and live his life among the farmer: a school-teacher ( Chemistry, Natural Sciences, Agricluture) and a Buddhist. His poems have many Buddhist, as well as scientific vocabulary.
The bulk of his work is colloquial and metrically free. His complete work, published after his death, contains seven hundred free-verse poems, nine hundred tanka poems, and ninety children's stories. P130
岩手県を、日本のチベットと言い始めたのは誰なのか知らないが、いつかはどこかで出て来るだろう、と思っていたが、まず最初にスナイダーの本の中に見つけたのが、なぜか可笑しい。
そもそも、日本地図を、世界地図に対応させてみている「国魂学」などから言えば、本州をユーラシア大陸と見た場合、その北部中央にある雪深い地方と、岩手や花巻は一脈通じるところがある。
また、賢治がイーハトーブとなずけたものが、どこかチベットのシャンバラと親和性を道始めたりするから、まさに賢治を媒介とするかぎり、岩手は日本のチベット、と言うことは可能であろう。
この詩集は5部構成になっており、FAR WEST Ⅰ、FAR EAST Ⅱ、KALI Ⅲ、BACK Ⅳ、そして最後にMIYAZAWA KENJI Ⅴ、となっている。
どこか
どこか、東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ あたりを連想するのは私ばかりだろうか。
以前、三省、スナイダー、賢治を並べてみた時に、スナイダーから賢治へのベクトルを、山里勝己「場所を生きる ゲ-リ-・スナイダ-の世界」( 2006/03 山と渓谷社)に代表させてみたのだが、むしろ、ここはやはりスナイダーから賢治へのオマージュともいうべき、この「The Back Country」をこそ、指名すべきだと思われる。
最初、 かなり曖昧だったイメージが、すこしづつ鮮明なトラアングルを形成しつつあるように思う。
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