歴史としての3・11 河出書房新社編集部編
「歴史としての3・11」
河出書房新社編集部編 2012/02 河出書房新社 単行本 207p
Vol.3 No.0651★★☆☆☆
3・11後、複数多数の筆者たちによる短文の合本、いわゆる当ブログでいうところのオムニバス本を何冊か手にしてきたが、ひとつふたつのキラメキを認めないまでも、一冊の本としては、スカ本が多い。
3・11オムニバス本リスト (編集中)
「わたしの3・11」 あの日から始まる今日 茂木健一郎編集 2011/5/20 毎日新聞社
「がんばろう!日本」 災害復興計画 リベラルタイム 2011/06 リベラルタイム出版社
「原発と人間」 朝日ジャーナル 2011年 6/5号 週刊朝日増刊 朝日新聞出版
「思想としての3・11」 河出書房新社編集部 2011/6 河出書房新社
「脱原発社会を創る30人の提言」 澤夏樹・他 2011/07 コモンズ
「東日本大震災・原発事故 復興まちづくりに向けて」 私たちは何ができるのか!? 第一戦の研究者、実践者に支援への構えと基本的視座を問う 2011/07 学芸出版社(京都)
「日本大震災復興への提言」 持続可能な経済社会の構築 風見正三他 2011/07 東京大学出版会
「いまだから読みたい本ー3・11後の日本」 坂本龍一・他 2011/08 小学館
「こころを支える『東北』の言葉」 “がんばろう”を超えるよりどころ 宝泉薫 2011/08 言視舎
「3・11の未来」 日本・SF・創造力 海老原豊他 2011/09 作品社
「ポスト3・11の子育てマニュアル」 震災と放射能汚染、子どもたちは何を思うのか?冨永良喜他 2011/11講談社
「歴史としての3・11」 河出書房新社編集部編 2012/02 河出書房新社
「世界が日本のことを考えている」 3.11後の文明を問うー17賢人のメッセージ 共同通信社 2012/03 太郎次郎社
しかしながら、あれからすでに1年以上も経過し、個人的な仕事も一段落。今日から、晴れて楽しい春の行楽シーズン、ゴールデンウィークになるのである。私の気分も上々だ。ましてやこの本も、ほぼ震災後一年を経過して編まれたものである。きっと何がしかの進歩があるに違いない、そう思って、密かに期待して開いた一冊だった。
ああ、それなのに、それなのに・・・・。この本もやっぱりスカであった。私の失望は大きい。
この本は、いわゆる出版社が、普段からつきあっている執筆陣に、これから「3・11」をテーマに一冊だしますから、なにか短文を書いてください、と頼んで、かき集めた文章を順序整理して並べただけだ。
編集部編となってはいるものの、編集部の弁がない。書きようがないのだろう。このような、普段から発言の場を与えられているような人々は、むしろ、3・11のような場にあっては、沈黙を学ぶべきであろう。
この本をめくっていて気になったのは、随所にスピノザの名が見え隠れしていたこと。マルチチュード繋がりで、スピノザに興味がないわけではないが、その周辺を読み始めると、一気に有象無象の関連リンクが生まれてくるので、今は追っかけないことにする。
これら3・11オムニバス本を、いずれ一気に読んでやろう、という気持ちがないわけではないが、益も少なく、私の余命もそれだけ長くはないだろう。少ない時間を、もっと有効なほうへと振り向けよう。
言葉のガレキ群をおっかけているより、言葉のない世界のほうへと足を向けよう。
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