注文の多い料理店 宮沢賢治原作 スズキコージ絵 ミキハウスの絵本
「注文の多い料理店」 ミキハウスの絵本
宮沢賢治(原著) スズキコージ(画)1988/05 三起商行
Vol.3 No.0631★★★★★
賢治の童話のなかでも、三本指にはいるお話し。生前に出版され、もっとも古い時代からよく知られた賢治の代表作のひとつ。いろいろのバージョンがある。
これはミキハウスの三起商行バージョン。このシリーズにはたくさんーの童話絵本が含まれており、そのなかでも、注文の多い料理店は、もっとも早くこのシリーズに収録された。
はてさて、このお話しにして、この絵はどうなのか、と、ちょっといぶかるような黒の多い絵だが、これはこれで、よい。だが、これが定番と言われると、ちょっと違うだろう、と思うはず。それほど、お話しの世界は、それぞれに、それぞれの創造力を与える。
パルバースが、賢治を評して、もっとも美しい日本語、と言っているが、ちょっとちがうだろう、と思う。賢治の世界は、美しい日本語を目指して書かれたものではない。美しくあるとか、ないとか、の次元で語るものだろうか。
決して遠慮はありません、って、これは賢治ワールドだからこそでてきた表現だ。誤記なのか、本気なのかが、よくわからない。けっしてお行儀のよい言葉群ではない。だからこそ、面白いイーハトーブへと招かれる。
このお話しはすこし教訓めいていて、賢治ワールドの中心からははずれていると思う。0歳児や1歳児と一緒に読むお話しとしては、かなり難しい。ただ最初から、全部が全部、意味などわからなくてもいい。
遠くから、太鼓の音や、木枯らしに舞う葉っぱのように、なにかが、語りかけられているんだな、という気配が感じられれば、もうそれはそれで十分なスタートだろう。
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