ツェねずみ 宮沢賢治・作 石井聖岳・絵 ミキハウスの絵本
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「ツェねずみ」 ミキハウスの絵本
宮沢賢治/石井聖岳 2009/10 三起商行 絵本 1冊
Vol.3 No.0641★★★★★
イソップ物語にでも出てきそうなお話し。ねずみとねずみ取りが交際を始めるなんて、いかにも賢治らしい設定だが、それまでの過程が過程だけに、しかたない。
賢治の世界には、悪者がたくさん登場するが、いずれも憎めない。悪者とされてはいるけれど、それは、私たち人間のだれもがもっている煩悩である。その煩悩をあきらかに、あからさまにあばきながらも、ひとつひとつにそそぐ賢治の眼差しはやさしい。だが、そして鋭い。
例えば、水木しげるのネズミ男もなかなか憎めないキャラクターだが、賢治の世界では、役割は固定されない。常に流動的で、多彩だ。
0歳児、1歳児は、よい子でもあり、悪い子でもある。いたずらする時もある。誉められる時もある。ネズミは、子供たち自身でもある。
賢治の眼差しは、子供たちの眼差しでもある。読む者すべて、みんなの、自分自身への眼差しでもある。
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