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2012/04/06

山男の四月 宮沢賢治・作 飯野和好・絵 ミキハウスの絵本


「山男の四月」 ミキハウスの絵本
宮沢賢治/飯野和好 2010/10 三起商行 絵本 1冊
Vol.3 No.0644★★★★★

 この絵本は、以前に借り出して一度目を通したのだが、どうもタイミングじゃなく、メモもしないで返してしまったのだった(はず)。ストーリーはそれなりに面白いのだが、最後に、それは夢でした、では、ちょっとばかりではなく、あんまりにも寂しいだろう。そう思った。

 前回は、このミキハウスの絵本シリーズを後ろから、つまり新刊から読んでみようとして、はやばやと挫折した。童話というもの、ましてや絵本というものの、どうもリアリティが、自分にマッチしていなかった。

 ところがである。今回は、孫たちとの暮らしが始まり、分厚い本などー読んでいる暇などなく、ようやく時間を見つけて、なんとか本を読みはじめてみいおう、というタイミングだと、どうもそれは童話がぴったしだった。

 童話であっても、これを文庫本などの細かい文字で読んだら、また違ったことになるだろう。たぶん読めない。今は、この絵本というスタイルがいいらしい。まして、今は賢治限定だ。

 絵本とはいうものの、絵はあまりじっくりみていない。もったいなことだ。次回はたぶん、絵を主体にして絵本を読む時がくるだろう。

 いまは、0歳児、1歳児のイメージのなかで、祖父がようやく童話という世界にたえどりついた状態だ。ほんとうの意味で、一緒によんだり、読み聞かせしている訳ではない。でも、とおくないうちに、そういう機会がめぐってくるだろう。

 その時はむしろ、文章よりも、絵が優先するにちがいない。子供の理解にあわせて、ストーリーなんか、適当に変えて、絵からのイメージで、どんどん新しい物語をつくってしまうかもしれない。子供たちは、むしろ、それを期待しているだろう。

 そもそも、子供たちは、夢、ってことがわかっているだろうか。夢なのか、現実なのか、判断つくのは、いつ頃からなのだろう。

 私自身の一番古い夢は、海で溺れるシーンだ。いつもいつも、その夢で目がさめた。長じて私は、あの夢はアトランティスの沈没の時、津波にのまれるシーンだとわかった。その因縁で、今回はここで、3・11に遭遇しているわけだが・・・。

 それにしても、子供の頃、毎回、毎回、あの夢は恐ろしかったなぁ。波に溺れて失神して行く過程がおそろしくながい。そして、ようやくその夢から目がさめてみれば、寢小便をして、布団のなかが津波になっているのだった。

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