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2012/05/28

リズム絶対主義 宮下富実夫 2000

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「リズム絶対主義」
宮下 富実夫 (著) 2000/12 扶桑社 単行本: 238p 関連リスト 
Vol.3 No.0708★★★★☆

 図書館も探してみれば結構あるもので、彼の音楽もかなりの量が収蔵されている。年代順に整理されていないので、その変遷過程をまだ細かにみることができないのが残念だが、それでも、ひとりのアーティストが駆け抜けた人生を見てとることは可能だ。

 この本、タイトルに無理はないだろうか。リズム----絶対----主義。音楽の要素の中の、リズムだけを取り出し、あるいは、絶対、と言い切り、主義、とまで固めてしまう。

 本自体はいたって面白い。一ミュージッシャンで、これだけ語る人はいないだろう。ひとりのヒーリング・アーティストという意識があればこそ、ここまで書いたのであろうし、例えば、かつての同じグループの喜多郎などは、ここまでは言い切らないだろうと思う。

 こうした人間の「意識」にも、いくつかの段階があります。意識、無意識、宇宙意識、天上意識、神意識という五段階で、神意識が一番上に位置します。つまり「意識」の段階にいても、そのなかにある高い状態まで自由に往き来できれば、自分を常に正道に保っておくことができるのです。p210「『意識』のなかにある真理」

 意識については、一般に共通できるような理解はまだできていない。ここで5段階に分けて名付けることは可能でも、実際には、他者においては、その真意を理解した、ということにはならない。

 当ブログにおいては、宇宙無意識←集合的無意識←無意識←意識→超意識→集合的超意識→宇宙超意識、の7つの段階に分けて考えているが、著者のいう5段階に、あてはめようと思えばできないことはない。だが、この辺は、「絶対」とはしないほうがいいだろう。

 西洋医学では身体にどこか悪い部位があった場合、単純にそこを切除してしまいます。
 医食同源に基づく東洋医学では、悪いところがあるのはその原因があり、それをたどっていかなければ完全に治らないと考える。ですから、食事療法などで「極陰」や「極陽」ではない「正道」に身体をもっていかなければなりません。
p227「西洋と東洋のリズムを融合させる」

 ことばとしてはなんら引っ掛かるところではないが、著者が、この本の出たおよそ2年後にガンで死亡していることを考えると、すでに、この文章を書いている時点で、何事かの変化が、知ってか知らずか自分の身体の中に起きていたことになるだろう。

 一節によれば、最初、左肺上部にできた1センチほどの小さなガンは、痛みもなく、その時点で「切除」してしまえば、延命できた可能性はゼロではなかったようだ。しかし、彼は、「やっぱり俺手術は出来ないよ。だって、ヒーリング・ミュージックを人に啓蒙しているんだから、ここは率先して癒しの力に賭けてみるよ……」と言った、とされている。それから1年半の闘病だった。

 専門家ではない私には、何もいうことはできない。彼の音楽はとても素晴らしいものだった。だが、その素晴らしい音楽を持ってしても、人間の寿命は、それほど簡単には左右することができないようだ。

 当ブログは、iPod→喜多郎→富実夫、と来たところだが、ここで、彼の音楽をゆっくり味わいながら、もうすこし、音に世界を広げてみたいと思う。

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