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2012/05/10

「東北再生」計画 ポスト3・11のマーケティング 平林千春


「『東北再生』計画」 ポスト3・11のマーケティング
平林千春 2012/02 無明舎出版 単行本 144p
Vol.3 No.0659★★★★☆

 この本の評価は難しい。タイトルだけなら読みもしなかっただろう。読んでも、くだらん、と思って、メモもしなかっただろう。当ブログの志向性上やむを得ない。

 しかし、今回、この本を手にとってみようと思ったのは、この著者の名前ゆえである。すでに還暦をすぎた著者のもっとも最初に書かれている職歴、ブロンズ社の「ジアザーマガジン」編集長、というところに縁を感じているのである。すでに40年前のことだ。

 当時のあの「若者文化」雑誌には、登場もさせてもらったし、原稿料をもらったこともある。10代の私には思い出深い雑誌であった。もちろん、この方の名前も覚えている。しかし、その後、この人がどのような生き方をしてきたのかは知らなかった。

 検索してみると、実に多くの著書を持っている。これだけの著書をもちながら、当ブログの読書リストにひっかからなかったということは、いかに、互いに距離のある生き方をしてきたのかがわかろうと言うものである。

 でも、それほど遠くはなさそうだ。マーケッター、あるいはマーケッティング研究者としての彼のテーマはそれほど遠大なものではない。むしろコンパクトでお手軽な課題である。

 その彼が、ごくごく最近「東北」に目覚めたようである。書いてあることは、別に彼に言われなくても分かっていることばかり。特に「東北」に触れるあたりは、「おいおい、わかってねぇだろう」と、茶々を入れたくなる。

 まぁ、しかし、一般的には、一生懸命何事かをしようとしている人を、あまり冷やかすものではない。原稿をまとめても、どこも出してくれなくて、秋田の無明舎が出してくれた、というのも、なんだか、東北人に救われている感じだ。

 マーケティング。必ずしも軽視はできないが、当ブログのテーマのひとつは、メディテーション・イン・ザ・マーケットプレイスである。別にないものねだりをするわけでもないが、そもそもこの著者は、メディテーションのことも知っている筈であり、そもそも世が世ならば、スピリチュアリティについての著書をキチンと出せる筈の人であると思う。

 あるいは、そのように努力すべき立場の人であった。今からでも遅くない。「ポスト3・11のメディテーション・イン・ザ・マーケットプレイス」について、なにかひとつ、気のきいた一冊をものしてもらいたい、と思う。今回の評価はその期待を込めている。

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