裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす たくきよしみつ
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「裸のフクシマ」 原発30km圏内で暮らす
たくきよしみつ 2011/10 講談社 単行本 350p
Vol.3 No.0674★★★★★
著者の本は、2年ほど前に、「テレビが言えない地デジの正体」(2009/09 ベストセラーズ)を一冊読んだことがある。ITやネット関連の著書が多くあり、福島の山中で暮らしているらしい、とは認識していたが、今回あらためてこの人を認識したのは、朝日新聞紙上の「プロメテウスの罠」原始村に住む-福島川内村-漠原人、を読んでいて、主人公のひとりのネット書込みを追っかけてのことだった。
まずは地デジのことだが、我が家でも地デジはどうするか問題ではあったのだが、アンテナはすでに改修済みだったが、テレビはまだまだ使えるのだから、とブラウン管のまま、チューナーだけを準備しておいた。
ところが、今回の3・11で、被災地三県だけは、完全地デジ化が2012年の3月31まで伸び、それまで「堂々」とブラウン管テレビを見ていた。地デジ化後も、このまま突入する覚悟でいたのだが、ああ、これが天の配剤というものだろうか。地デジ化4日目にして、突然、ブラウン管テレビが、プツン、とブラックアウトしてしまったのだ。
無理にチューナーでつないでいたので、加熱でもしたのだろうか。もともとすでに20年近く見てきたテレビだったので、寿命だったのだろうか。いずれにしても、修理するほどの気力もなく、もう、テレビは、ケータイやスマホのワンセグでいいかな、と思っていた。
でも、そうは思っても、家族はさっそく液晶テレビを買ってくることになり、我が家も晴れて、地デジ族に仲間入りしたのであった。遅ればせとはいいながら、きれいだし、大きいし、それに、ブームも過ぎて、結構安かったらしい。ということで、この問題もまずは、解決してしまった我が家であった。
さて、そんなIT関連に造詣が深い著者ではあるが、今回は、原発から25キロという距離にある山中での体験から、この一冊が書かれることになった。
一口に3・11と言ってしまうが、沿岸部の被害と、原発周辺の被害では大きく違う。この本では、沿岸部の被害はほとんど登場することなく、放射線被害についても、とくに原発に限りなく近い福島圏内の事情について書かれている。
獏原人や、そこに縁のあった、川内村の大工の愛ちゃんのことなども登場する。この辺に関心のある読者には必読の書と言える。
同じ福島でも、生まれ育った寺の住職をしている玄侑宗久と、モノ書きを専門としている著者では、地元を見る目が多少違う。前者は地元の人間を性善説のように取り扱うが、後者は、もっと現実的に、同じ福島の地元の人々をも、優しくも鋭いまなざしで直視する。
すでに2011年の9月に出された本なので、それ以降、地元の状況は大きく変わっているかもしれない。よりはっきりしたテーマもあり、変わりようのないテーマもある。その中にあって、福島にいて、福島を書き続けるライターたちの存在も、ぜひとも必要だな、と感じた。
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