失われた地平線 ジェームズ・ヒルトン 2011年新訳
「失われた地平線」
河出文庫ジェームズ・ヒルトン/池央耿 2011/09 河出書房新社 文庫 267p
Vol.3 No.0691★★★★★
この本もまた、3・11後の2011/09という絶妙なタイミングで発行されている。翻訳にそうとうな時間もかかることだろうし、3・11以前から企画されていたものだろうが、それにしても、実に絶妙だ、と思う。
以前に読んだ「失われた地平線」(1959/12新潮社)は、増野正衛・訳。すでに廃版になっており、蔵書している図書館もぐっとすくなかった。再刊の希望も多かったので、これで再びブームを起こすかもしれない。
本書は、シャングリ・ラの語源となった小説。ストーリーは極めて簡潔で、読んでいて飽きない。登場人物たちの心の動きが見事に描き分けられている。
映画も二種類でているらしいが、当ブログで観賞したのは、図書館所蔵のロナルド・コールマンの「失はれた地平線」(1937)。失われた映像をスチール写真で穴埋めしてのレトロ感が、ますますリアリティを生み出す、という効果があった。二作目の映画もあるはずであるが、まだ探しあてていない。
人間の心の奥深くにある理想郷。それは、集合超意識の中にあるに違いない。それがどうしても、ヒマラヤやチベットなどに行き着くのはどうしてなのだろうか。いかにも、求められるモデルをきちんと提供しているような、理想的な作品と言える。
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