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2012/06/28

スティーブ・ジョブズの生き方<4> カレン・ブルーメンソール/渡辺了介

<3>からつづく


「スティーブ・ジョブズの生き方」 <4>
カレン・ブルーメンソール/渡辺了介 2012/03 あすなろ書房 単行本  349p

 結局この本、4回目のメモ。この本が格別に面白いというわけではなく、ジョブズの生き方そのものが注目に値するものだった、ということなのだろう。あらためて評価をレインボーにアップした。

 ジョブズのプレイリスト

 スティーブ・ジョブズのiPodには、どのようなアーティストが入っているのだろうか。ジョブズの伝記を書いたウォルター・アイザックソンが見せてもらったところ、次のようだったという。

ボブ・ディラン(15枚のアルバムと海賊版のテープ6本分からほとんどの曲
ザ・ビートルズ(7枚のアルバムからほとんどの曲)
ローリング・ストーンズ(6枚のアルバムからほとんどの曲)
ジョーン・バエズ(4枚のアルバム)
ヨーヨー・マ(3枚のアルバム)
バッハ「ブランデンブルク協奏曲第2番」
アレサ・フランクリン/グリーン・ディ/グレイトフル・デッド/コールドプレイ/ザ・ドアーズ/ザ・モンキーズ/サイモン&ガーファンクル/シール/ジェファーソン・エアプレインン/ジミ・ヘンドリックス/ジャニス・ジョップリン/ジョニ・ミッチェル/ジョニー・キャッシュ/ジョン・メイヤー/10000マニアックス/トーキング・ヘッズ/ドノヴァン/ドン・マクリーン/バディ・ホリー/B・B・キング/ブラック・アイド・ピーズ/モービーズ/U2 
p269「音楽」

 今の若い人たちのプレイリストにはついていけないが、ジョブズのプレイリストなら、ついていける。やはり若い時に聴いた曲が一生涯の音楽になっているようだ。同世代として、このような音楽を、ジョブズは生涯聴いていたのだ。

 ジョブズは化学療法を始めた。だが、面倒なのはそれだけではなかった。大手術となって消化と吸収の機能が低下したため、これまでより食事の改修を増やし、肉、魚、乳製品などからタンパク質をたっぷり摂る必要があった。だが、人生のほとんどを(それも、ある時期には厳格な)ベジタリアンとして生きてきて、そんな食事をずっと避けてきたジョブズは、手術後もそれで押しとおした。p278「がん」

 最近聴いている宮下富美夫も、52歳で肺がんで亡くなった。彼もまた早期発見早期治療に努めれば、延命できたのではないか、と思われる。自然食通信などに連載していた加藤哲夫も、3・11後、出身のフクシマを思いながら、60歳で膵臓ガンでなくなった。

 私自身も若い時分に体調を崩したが、自分なりの食事療法を試していた最中のことだった。専門家ならぬ私には、食事や健康のことは詳しくは分からない。しかし、意識してベジタリアンになることは、何かを得て、何かを失うことではないか、と、今思っている。

 2010年5月にアップルは、テクノロジー企業として世界で最も価値が高い会社になった。株価と株式発行数から計算した時価総額、つまり投資家が評価するアップルの価値が2220億ドルとなり、2190億どるのマイクロソフトを抜いたのだ。

 マイクロソフトの価値が2011年もほぼ横ばいだったのに対して、アップルの価値はさらに上昇し、2011年末には3760億ドルになった。p313「人生」

 価値の尺度はいろいろあり、かならずしも株価の総額だけで決めることはできないし、ジョブズ自身もそれだけを考えていたはずはない。それにしても、一時、一発屋と思われていたジョブズが、結局はマイクロ・ソフトを抜いたとすれば、それはとてつもない復活劇であった、と言わざるを得ない。

 結果的には、ジョブズがプロデュースした映画「トイ・ストーリー」などを制作しピクシーがディズニーに買収されることになり、ジョブズはディズニーの筆頭株主にもなった。取締役にも就任した。

 エリンは10代半ばで、2010年のアカデミー賞授賞式に父といっしょに行きたいとねだったが、聞いてもらえなかった。だがジョブズは、エリンを京都に連れていくという約束は果たすことができた。

 もともとは2008年に計画していたが、ジョブズの病気で中止になっていた。2010年になり、今回もいったんは無理ということになったが、7月に実現できたのだった。

 リサのときと同じくエリンも、父とすしやそばを食べ、禅寺を訪れて、親子の絆を実感することができた。エリンはアイザックソンに、自分にとっていつも良い父親というわけではないと認めたうえで、それもいいのだと言った。p315「人生」

 「日経おとなのoff」を読んだ時は、伝統的禅宗の仏閣など関係ない、と思っていたが、こうして見てみると、ジョブズもまた2010年8月という、ごくごく最近日本を訪れ、禅寺を訪問していたのだった。どこに行ったのか、興味しんしんである。

 最初は、とにかくシンプルな小学生向きのポプラ社ノンフィクションの「スティーブ・ジョブズ」を読んで、もうこれで十分と思っていたが、ここまでくると、アイザックソンによるジョブズ公認自叙伝を読みたくなった。

 図書館のウェイティブ・リストは満タンだが、いずかは読めるだろう。

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