机の上はいらないモノが95%<2> 世界一シンプルな整理法 リズ・ダベンポ-ト
「机の上はいらないモノが95%」 <2> 世界一シンプルな整理法
リズ・ダベンポ-ト/川村透 2008/11 草思社 単行本 110p
再び読みなおしてみる。内容はいたってシンプルだ。わずか110ページの小冊子という趣き。なんなら、PDF何枚かで十分内容を印刷できてしまうのではないか、という内容。前著に比較しても、実にシンプル。あまりに装飾を落とし過ぎたのではないか、という内容。だけど、そのソリッドな感覚が、なかなか小気味いい。
今回読み直して、気になったのは、内容よりもむしろ、「世界一シンプルな整理法」というところ。原著の原題はOrder From Caos for Student。前著の、「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」の原題はもともとOrder From Caos。どうも、草思社一流のタイトルの付け方で、邦訳のこの本が脚色されているようだ。
世界一なんて、原著にはどこにもない。整理法なんてのはまともに読んだことがないが、かつては辰巳渚の「捨てる技術」なんてものが役に立った。最近は「断捨離」なんて言葉が流行しているが、まだ読んだことはない。
草思社のセンスは、まぁ、許すとしても、Order From Caos の語感も悪くない。宇宙的な広がりを感じるのではないか。漫然と散らばっているような星たちも、実はそれぞれに、緻密な関係性を保っており、全体と一つになっている。そんなイメージがある。
Googleの検索ワードを入力する欄が一個しかなくても、ジョブズが作ったiPadが単なる一枚の板に過ぎなかったとしても、そこに何もないわけじゃない。それこそ「世界一シンプル」な窓から、世界や宇宙のすべてが見える仕組みなのである。
小さな無から、無限大までの広がりの演出。それが「世界一シンプルな整理法」という表現に結びついていくのではないか。あるいは、方向性はその逆でいいのだが。
全体的で、網羅的であればあるほど、要点を押さえて、シンプル化していく。そのあたりがどうも肝要であるようだ。
95%が要らないとしても、残り5%は貴重である。20個の内、19個は必要ない、ということなのだ。たしかに言われてみればそうなのだが、よくよく考えてみると、実は、その1個は20個を統合し要約したものになっていることがある。あるいは、その絞り込みのために、「世界一シンプルな整理法」がある、ということなのだ。
たしかに後発のこちらのほうは「学生向き」に書かれている。読みモノとしては前著のほうが面白い。だが、とにかくシンプルなデスクトップに向かって、整理は続いていく。
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