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2012/06/16

ネトゲ廃人 芦崎治


「ネトゲ廃人」 
芦崎治 2012/05 新潮社  文庫 254p
Vol.3 No.0735★★★★☆

 ネトゲ廃人? 新刊本リストにこんな本が入っていると、ぎょっとする。ネトゲ? 寝刺なのかな・・・。廃人とはこれいかに。ああ、これはひょっとするとネットゲームをやり過ぎたら廃人になるよ、という意味かも、と思いつくまで時間がかかった。

 また若い人が書いた本かなと思ったが、割と年配の人、というか、私と同じ1954年生まれの人が書いている。そして、裏付けを見て、さらに発見したことは、この本はすでに2009年5月に出版された本で、再版本としてこの5月にでた、ということだった。

 私は個人的にはどうも、いわゆるテレビゲームという奴は苦手である。1978年末にインドから還ってきた頃、日本はインベーダーゲーム一色になっていた。どこもかしこも、テレビゲーム机に向かって、パキューン、パキューンとやっていた。

 私も目あたらしくて、一回100円のゲームを10回ほどやっただろうか。だけど、どうも上手になれないので、すぐ飽きてしまった。もともとパチンコをやっても上手にはならないので、パチンコも好きではない。

 かつて、パチンコ屋の片隅にジャン球というのがあって、マージャンとパチンコの組み合わせで、これには少しハマった。だれども、メダル一枚でゆっくり遊べてしまうので、店としてはもうからないのか、いつの間にかなくなってしまった。

 最近はネトゲとかモバゲーとか、なにやら恐ろしそうな名前が流通している。私も、ヤフーのオセロに登録したら、モバゲーに登録してしまったようだ。だが、ネットでやるのは、オセロと、マージャンと、時たま、将棋とか碁だけ。もっぱら、リアルなゲームをネットでやってみるだけで、バーチャルなゲームは入っていけない。

 もっとも数年前は、バーチャルゲームのセカンドライフにハマってみようと、パソコンも動きがスムーズな機種に買い替えたのだが、そのゲーム自体があまりはやらなかった。せっかくバーチャル世界に行っても、人と出会うことはほとんどなかった。なので、どうもネトゲ廃人なんて言葉自体、なんだか恐ろしげに聞こえてきてしまう。

 著者の若い時の友人が「ドラゴンクエスト」を作った人なのだという。そういう縁もあって、ゲームクリエーターたちを取材する機会が増えていったらしい。

 廃人とは恐ろしげな言葉だが、廃人になるくらい精通している、という意味で、プライドや称賛にもなっているらしい。時にはネトゲ廃神とも、単に廃とか、廃レベルとかもいうらしい。この辺になると、どうやら2ちゃんねる系統の造語っぽくなる。

 ゲームにはまるなんて、小学生や中学生レベルなのかと思えば、決してそうではなく、30代40代でもいるようである。そして、このレポートのなかでは、自殺や問題行動を起こしてしまうレベルの人も多いようではあるが、多かれ少なかれ、人が夢中になれば、そういうことも起こるだろう、という程度もこともある。

 自分だって、ネトゲにこそはまっていないが、読書ブログってやつに、結局ははまっているではないか。廃人とはいかないけど、膨大な時間を費やしているぞ。この時間を、いずれ、モッタイなかったなぁ、なんて反省する日もくるのかな。

 本書の中には沢山のゲームの名前がでてくるが、中身どころか、殆どその名前さえ知らない。唯一知っているのは「セカンドライフ」だけ。あれも、自分としては夢中になったというレベルではなかったし、無駄だったなぁ、というほど時間を浪費することはなかった。

 しかし、ティム・ゲストの「セカンドライフを読む。」にも出てきたように、体に障害がある人にとっては、この世界が自分の体を自由に使える貴重な世界である、という場合もある。なにやら、最近では、リアルな仕事にいまひとつモチベーションを持ち得ない現場で、ほんのちいさなポイント制にすると、ゲーム感覚が湧いてきて、能率があがる、なんてレポートもあるようだ。

 私個人は、そもそも、マンガにもハマらなかったし、小説もごらんのとおり余り読まない、 なんの面白みもない男なのだが、実は、自分の周りは面白いことがいっぱいあって、ヴァーチャルな世界に行っている閑がない、と思っている。俺にはコミック雑誌なんていらない、俺のまわりはマンガばかり、って歌があったけど、あれは私の歌だ。

 著者の友人も「ドラクエ」で都市部に億ションを買ったというから、結局は、経済活動で、人を嵌めて儲ける人もいるのだろう。この本は、3年前にでた本だけど、今年からは、ゲーム会社がプロ野球のオーナーになっている時代である。

 私はネットゲームはやらないけれど、ああ、そういう時代なんだなぁ、と溜め息をつきつつ、あまり批判しないようにしようとは思う。だけど、本音は、やっぱり、俺にはネトゲなんていらない、というところにある。

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