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2012/06/19

チベットの歴史と宗教 チベット中学校歴史宗教教科書 世界の教科書シリーズ チベット中央政権文部省


「チベットの歴史と宗教」チベット中学校歴史宗教教科書 世界の教科書シリーズ
チベット中央政権文部省/石浜裕美子 2012/04 明石書店 全集・双書 314p
Vol.3 No.0737★★★★★

 残念ながら、この本、一ヶ月にも手元にありながら、熟読ができなかった。再読を期す。

 そもそも小中学生の時から、地理や歴史は苦手だった。ましてや教科書となると、最初から逃げ出したくなる。自分が中学生の時の歴史の教科書など、いま引っ張り出してみたいと思わないだろう。

 そういえばリズ・ダベンポ-トの「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」を以前読んだ時に、それまで大事にしてきた学生時代の教科書をダンボールごと捨てたのだった。今となっては、ちょっと失敗したかな、と思うときもないではないが、結局、大事にしていたとしても、読みはしなかっただろう。

 この本はチベット中央政権文部省認定の教科書である。どうも、どこか堅苦しい。そもそもチベット文化は、60年代以降、カウンターカルチャー的取り扱いをされてきて、体系的なものよりは、もっと自由にトッピングできる、想像の世界的ニュアンスが強かったのである。

 バラバラに、あちこちかき集めることによって、自分の中に、自分なりの全体像が生まれていくのは楽しい。自己流であったとしても、そのプロセスを全部知っているのだから、愛着も湧く。

 逆に、自分の嫌いなもの、目の届かないものは、永遠に触れないことになる。そこに落とし穴があるが、自由に自分のイメージを広げることができるのは楽しい。

 この教科書は、さまざまな次元をひとつにまとめあげている。網羅的であるがゆえに、どこか平坦である。もちろん、中学生用なので、基礎となる部分をいちどおさえておきましょう、というレベルで、気になったところがあれば、あとで自分なりに深めていけばいいのだが。

 しかしながら、ふと考える。あれだけチベットやタントラを語ったOshoであるが、ツォンカパについては、いままでみたところでは一言も触れていない。むしろ、ツォンカパが登場する前までのチベットでそのスピリチュアリティの命脈は途切れてしまったような表現さえ目につく。

 ツォンカパの後継であるダライラマの系譜などには目もくれない。網羅的に集大成してしまうことで、なにかが失われてしまう。バイタリティ、原石の持つダイナミズム、生命そのもの、デリケートで壊れやすいもの、花のかおり、朝のしずく。

 この教科書は、順次並列化されてるだけに、なにかがおかしい。教育者や文部省御用達では、どこかお行儀がよすぎてしまうのではないか。ましてや、地理や歴史にとどまらず、「宗教」となると、これを順次まとめてしまうのは、完全に間違っているとさえいうことができる。チベット中央集権御用達の宗教教科書。やっぱり、どこか不似合いだ。

 転生魂・多火手は、チベット時代の16時のことを強く意識している。この10代における周囲の環境はきわめて重要である。700年前、このような教科書はなかっただろう。あったとしても、まったく別な形だっただろう。

 この教科書、多火手の目線で、もういちど手にしてみたいと思う。翻訳者の名前に石浜裕美子の名前が見えるのはうれしい。

 

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