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2012/06/14

ゼロから始める都市型狩猟採集生活 坂口恭平


「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」 
坂口恭平 2010/08  太田出版 単行本 181p
Vol.3 No.0732★★☆☆☆

 「TOKYO一坪遺産」についてのメモを書いたら、やたらとアクセスが増えた。何でかなぁ、と調べてみると、それは著者本人がツイッターで、その一万数千人のフォロアーたちにリツイートしたからであった。なるほど、時代である。こちらが何か書けば、直接本人に届く可能性はあるわけだ。

 当ブログは、基本的には「つぶやき」であり、聞く人を必要としないモノローグである。だからある程度は自由にメモしておくことができるし、自由に自分の中でつないでいく時間の余裕もできる。

 それでも、著者や関係者からはしばしば直接反応がある。かつて「レスポンスのあった著者たち」なんてメモも残しておいたが、小なりといえども、当ブログも必要な時には役にたつようだ

 さて、坂口恭平「独立国家のつくりかた」についてもメモしておいたが、はて、今回は著者はリツイートするだろうか。別に期待しているわけではないが、リツイートといっても本のタイトルだけなので、ワンクリックで終了。こちらのメモをキチンと読んでいる、ということにはならない。

 この本は、誰かに向かって話している。著者はちょくちょく読者に向かって「きみ」と呼びかける。でも、どうやら私はその「きみ」ではなさそうだ。彼の読者層のターゲットから大きく外れている。だから、あまりいきり立って、ひとつひとつ取り上げて反論反証するのはやめておこう。

 この本は、ニートや引きこもりと呼ばれる人たちに向かって書かれているようだ。少なくとも、かつて話題になった「ネットカフェ難民」程度までレベルアップ(!)した人たちなら、すでに常識と化している内容も多かろう。

 あるいは最近話題になっている生活保護の不正請求までグレードアップ(!)した人たちなら、おいおいいつまでそんなことやってんだよ、もう少しゴーシャスな世界が待ってるよ、と嘲笑しているかもしれない。

 少なくとも、この本における「狩猟採集」は、純粋に「狩猟採集」ではない。世の中の、人の情けにすがって生きているだけである。公園にいれば、ヘルパーやボランティアの人々が食事や毛布をくれるから、なにもしなくてもいい、なんてことは、なにをかいわんやである。

 卵が先か、鶏が先か、という話になるが、少なくともこれでは「都市型」でしかない。都市のゴミにすがっていきていくライフスタイルを、都市否定の生き方とみることはできない。「狩猟採集」を語るなら、「都市」をキチンと捨てる必要がある。

 著者は、60年代カルチャーに衝撃を受けているようだが、実際に60年代カルチャーをリアルタイムで経験した人々は、0円生活はしていないだろう。彼の著書に登場するような人々は、60年代カルチャーとなんの関係もない。

 ただ、このゼロ円という言葉に、どこか心打たれるのは、60年代の合言葉であった「FREE」に通じるところがあるからではないだろうか。フリーはもちろん自由という意味でもあるし、ただ=無料という意味もある。あるいは、何々にとらわれない、という意味もある。

 ゼロもまた、空や無に通じるところがあるので、なにか郷愁のようなものを催させるのだろう。

 思えば、わがブログも0円ブログである。偶然そうなったわけではない。そうしてきたのだ。基本的に、無料のブログサービスを利用し、有料オプションは一切使用していない。そして、題材は、一般の公立図書館の無料資料ばかりを読み込んでいる。通信回線は仕事用に依存しているので、付加使用量は一切かからない。

 これは、ネット回線があれば、誰でも0円でここまでできるぞ、という私なりのいきがりだった。でも、それだけだな~。

 0円ではないが、使っているスマートフォンは毎月5円運用である。本体0円。最初の手数料は数千円かかったが、基本料金0円で二年近くが過ぎた。自宅WiFiと仕事用モバイルWiFiでつないでいるので、外出先でも通信料追加0円。う~ん、でも、これもな~、だからどうしたぁ~w

 0円生活といえば、今回の3・11でも似たような話題がある。被災地で発生した瓦礫をどうするか、という問題で、受け入れるの受け入れないのと大騒ぎしているが、実はここにも問題がある。

 被災地の瓦礫とは、あの津波でできた瓦礫ばかりではない。地震で傾いたような家屋も多く解体されて瓦礫化している。それこそ、60年代カルチャーを直視してきた私としては、とても瓦礫とは思えないような建築物もゴミと化していく。

 そこで、私は私なりに「使用可能」な瓦礫を「受け入れて」いる。つまり、取り外せば、なんの問題もなく使える建材が山とある。そこから私の受け入れ可能な範囲のものをもらいうけてきて、ガレージを改造した「0円オフィス」をDIYで補強した次第である。

 私は著者が本著でいうところの「都市型狩猟採集生活」には賛成できない。しかし、ちょっと視点を変えた「地球型再利用生活」には大賛成である。

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