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2012/06/22

行列のできる保険ショップがはじめて書いた 世界一やさしい保険の本 あなたにピッタリ!保険選びの決定版保 険相談センター

<1>からつづく

行列のできる保険ショップがはじめて書いた世界一やさしい保険の本
行列のできる保険ショップがはじめて書いた
「世界一やさしい保険の本」 <2> あなたにピッタリ!保険選びの決定版
保険相談センター  2010/09 東洋経済新報社 単行本 215p

 なかなかスタートしにくいテーマだが、ここでボヤボヤしていたのでは、洒落にならない。ここはサッサと通り過ぎるに限る。

 そう思ってまた開いたこの本ではあるが、おお、これはなかなか、これで面白いのではないか。どうやらこの本は「はじめて書いた」という触れ込みとは裏腹に「『超保険』解体新書」の後継とみることができる、とどこかで感じたが、その紐付けは弱い。

 そもそも個人の実名で書いてあるのではなく団体名で書いてあるので、そこはあまり追求しないでおこう。いずれにせよ、カテゴリ「Meditation in the Marketplace」の中で読みこむとした限りは、この本がここに位置している意味を考えなくてはならない。

 現代人においては保険は無縁のものではない。無縁の人など存在しない。例えば坂口恭平いうところの「0円ハウス0円生活」とて無縁ではなかろう。例えば土手の上から車が落ちてきて0円ハウスの中で生活していた人々がケガをして病院に担がれたとする。その時の治療代は自賠責保険からでることになるだろう。

 車を所有していなくても、その支払い先になる可能性は常にあり、その自賠責保険の制度を維持するにはそれなりの経費がかかる。今や自動車を所有していて任意保険に入っていない人も減ってきている。

 0円ハウスに火災保険や地震保険をかけている人はいないだろうが、一般にはローンを組んでマイホームを入手するには火災保険や生命保険は必須となる。3・11では地震保険がかなり活躍した。

 子供が生まれれば学資保険や医療保険が気になりだす。日本人の死亡原因のトップはガンだと知れば、ガン保険のことも知りたいと思うだろう。

 老齢になれば介護保険の仕組みがよくも悪くも気になり、年金制度もどうなっているのか、やきもきしている向きも多い。現在の日本政府を揺るがせている公的年金制度もすでに破綻していると同義なのであり、消費税増税で救う道しか本当は残っていないのだ。

 保険というキーワードはあまりにも広義過ぎる。しかもなおかつ、ひとつひとつが小難しく面倒くさい。そもそもあまりにもいじられ過ぎて、殆どだれも正確には分かっていないような状態にさえ陥っている、と私は見る。

 ケータイやスマホの料金体系があまりにも難しすぎると、私などは最初から最もシンプルなコースを選ぶようにしているが、保険システムの魑魅魍魎状態に比べたら、通信の料金体系など、まだま可愛いものだ。ましてや通話料の月1万に対して、保険は月5万以上はザラだから、ますます物事は重大だと言える。

 だからこそここで「世界一やさしい」保険の本が登場する。保険業法では他社との比較を営業で使うことは禁止されているために、本来「日本一」とか「世界一」などという言葉は控えめにしなければならないはずである。この本には会社名とか商品名が登場しないので、ギリギリ許される行為だろうが、本来比較しようのないものを比較して勝手に名乗っていることになる。

 10年以上前に自分のHPにアップしておいた「マイストーリー」という文章の中で、自分と保険の出会いをメモしておいたが、保険などというものと全く無縁であると思っていた自分は甘かった。保険は、現代地球人にとって、どこまでもついてくる。生まれてから死ぬまで。無縁な人はひとりもいない。

 であるなら、ここはすこし前向きに、キチンと把握する姿勢だけでも作っておかなければならない。小難しくて面倒くさいのは周知のとおりである。できれば目をそむけ避けてとおり、誰かに任せてしまいたい。

 だが、それでもなお自分で考え、自分で対処しなければならないことが多いのが保険というものである。そもそもその利益を享受するのは自分であるし、そのシステムを毎月毎年の保険料として維持していかなければならないのは自分自身である。

 「世界一」には誇張があるにせよ、「やさしい保険」というシステムが必要なのは本当だ。この本一冊だけ読んでも無理だろう。やはり相談にいかなくては・・・・・。そう思わせるのがこの本の目的である。

 実際には行列は出来ていないだろうが(これも誇張、まぎらわしい、場合によっては性質の悪いウソとなる)、行って相談しようと思わせるための、宣伝本である。

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