意識は傍観者である 脳の知られざる営み デイヴィッド・イーグルマン
「意識は傍観者である」脳の知られざる営み
スデイヴィッド・イーグルマン/著 大田直子/訳 2012/04 早川書房 単行本・ムック p368
Vol.3 No.0738★★☆☆☆
「意識は傍観者である」。なかなか素敵なタイトルだ。長い旅路の結論としては、これで十分じゃないか。だが、神経科学者の著者は、その事実に驚き、戸惑いを見せる。あるいは、それを得意げに見せびらかす。
原タイトルは、INCOGNITO The Secret Lives of the Brain。本来なら、「匿名 脳の知られざる営み」、ということになろうか。
傍観者でも悪くないし、匿名でも悪くない。無名性、名づけようもないもの。それが意識である。「意識は傍観者である」。この結論はとうにでている。特に東洋においては、別にめずらしいものではない。
あるいは、そこへ到達することこそ、人生の究極的な目的とさえされている。本書においては、たくさんの事例をあげながら、科学的アプローチでその結論に近づいていくが、それは、外的な思考を持っての飛行である。
そのような結論を、言葉として得ることそのことが、西洋的姿勢の限界でもある。この素敵な結論を、自ら体感することこそ、いわゆる瞑想である。
意識は傍観者である。だからどうした。そこからだ。それは当然のことなのだ。意識とは、丘の上の物見だ。路傍の傍観者であり、名前のない存在なのである。
| 固定リンク
「31)Meditation in the Marketplace1」カテゴリの記事
- ファインディング・ニモ ピクサー ウォルト・ディズニー(2012.07.15)
- ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力<1> 池田純一(2012.07.15)
- ウォーリー ピクサー DVD(2012.07.13)
- 図解スティーブ・ジョブズ全仕事 桑原晃弥(2012.07.12)
- アップルを創った怪物 もうひとりの創業者スティ-ブ・ウォズニアック自伝(2012.07.11)
コメント