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2012年7月の42件の記事

2012/07/28

荒野の月 第一詩歌集 あがさクリスマス


「荒野の月」 第一詩歌集
あがさクリスマス 本の泉社 2011/12 単行本 167p
Vol.3 No.0777★★★★★

 著者ご本人からのお勧めである。このペンネームはアガサ・クリスティにちなんでいるのだろうか。ご本名は増子勝とおっしゃる方で、1955年生まれの作家、詩人、歌人、とのこと。福島県郡山市生まれで、現在は福島県内の高校の先生だ。

こんな地震が こんな地震が 起きなければ
幸せの意味とは 何か
考えることもなかった

懐かしいあの人の面影 やさしい言葉
思い出すたびに こころにしみる
大切な 大切な わたしの記憶
この大地のどこに 消えたのだろう
この大地のどこに 行ったのだろう
でもそっと わたしのそばにいる
寄り添うように そっとそばにいる

そんな津波が そんな津波が 起きなければ
愛の意味とは 何か
考えることも なかった

ともに散歩したこと ともにケンカしたこと
思い出すたびに こころにしみる
大切な 大切な わたしの宝

その海のどこに 消えたのだろう
その海のどこに 行ったのだろう
でもきっと わたしのそばにいる
寄り添うように きっとそばにいる

あんな故障が あんな故障が 起きなければ
家族の意味とは 何か
考えることも なかった

ともに笑ったこと ともに泣いたこと
思い出すたびに こころにしみる
大切な 大切な わたしの絆

あの夜空の星のどこに 逃げよう
あの夜空の星のどこに 行こう
でも必ず わたしたちはそばにいる
寄り添うように 必ずそばにいる

p17「こころの星 (こんな地震が起きなければ)」

 いたって平素でシンプルな言葉でつづられた詩集。詩集というより歌集なのだろう。このまま曲をつけて歌いだしたくなる。いや、ひょっとするとすでに歌われているのかもしれない。そういった意味では歌詞でもある。

 地震、津波、故障、と綴られる。単に「故障」と言ってしまうには、あまりにも手のつけようのない大変な事態である。そういう意味では、「地震」だって、「津波」だって、もはやどうしようもない、とてつもないものであった。そして、それらは、進行中だ。いつ終わるともしれない果てのない旅の始まりだ。

 福島、そして郡山、とても他人事に思えない。自分の身内も、南相馬市の医療機関に勤務中に被災した。2歳の幼児と小学生を抱え、郡山へ転居することさえ大変なことだった。その郡山へ避難してからも、親族が河の氾濫で床上浸水で長期非難を余儀なくされた。

 幸せとか、愛とか、家族のことを、考えないわけにはいかない状況に追い込まれた。隣県地域とは言え、状況はそれほど違っているわけではない。なんとか自分の生活を立て直し、何事もなかったように気を取り直し、平静を装ってみる。

 そして、すこし余裕を見つけて周囲を見つめてみると、すぐすぐそこまで、地震、津波、事故の影響のひとつひとつが押し寄せている。はっきり言って目をそらしたい。もうあきらめたい。そのほうが楽だ。無理だろう、だめだ、そんな声が聞こえてくる。外からばかりではなく、自分の中からも。

かりそめに だいじょうぶと 言ふなかれ

      親あり子あり はらからあるを   p86

核にノー もっと早く カタルには

      ごてごてなりし 人間の性(さが) p96

被災地に 元気あげたい なでしこの

      世界でいちの メダル掲げて p113

 今、ロンドンオリンピックの開会式をテレビで見ながら書いている。あのなでしこジャパンのワールドカップの優勝は本当にうれしかったな。あれで、ようやく、現実を直視しようという元気をもらった。今回も、男女サッカーチームのスタートダッシュ。寝不足覚悟で深夜の応援観戦。

被災地の こころ伝えるは 作家なり

      生きるも死ぬも このふるさとか p75

 被災地の多くの人々のこころに寄り添うように代弁のような歌も多いが、この歌は著者ご本人の心境だろう。「作家」というときのプライド、そして「生きるも死ぬも」というときの覚悟が、いっそう深い。

 付録として漢文読解法がついている。この方、漢文の先生なのだろうか。教える高校生たちが、漢文に関心を持てるようにとの配慮かも知れない。

山荘に 豊かな自然 求め住む

      自給自足の 恵み楽しむ

全世界 響く詩歌集 届けたい

      被災伝える 使命感じて

古来より 人の思ひを伝えるは

      歌や詩なりと 思い続けて p116

 この本、当ブログVol.3における777冊目の一冊となった。、

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2012/07/25

プロメテウスの罠2 検証!福島原発事故の真実 朝日新聞社


「プロメテウスの罠2」検証!福島原発事故の真実
朝日新聞社 2012/07 学研パブリッシング 学研マーケティング 単行本 277p
Vol.3 No.0776★★★☆☆

 ちょっと前からこの本が目の前にあるのに、なんだか読み気がしない。新聞の連載記事も読んだし、<1>も読んだ。だから、さて、と勢い込むと思っていたが、なんだか意欲が湧かない。なんでなんだろう。

 原発関連の本もそれなりにめくってきた。放射線の問題もそれなりに考えてみた。知りたい、何とかしなけりゃ、と思っているうちは、それなりに読書意欲もあった。

 だが、ここに来て、どうもこの手の本にはゲンナリするようになった。誰が悪人で、誰が善人か、なんて区別する気はないけれど、今となっては善人ぶっている人間が多すぎる。

 このマスメディアでさえ、いまさらここでこんな風に「善人」ぶるなら、もっともっと、もっともっともっと昔から、義を見てせざるは勇なきなり、という心情にならなかったのか。後だしじゃんけんで、私は悪くない、と逃げる御仁ばかり。

 今、私はこの本を読むべきではない。読めるタイミングではない。私の後には何十人の待機リストがある。読みたい人に先に読んでもらおう。

 私は第三者ぶって、この本をのんびり読む気分には当面なれそうにない。別に原発に加担してきたつもりもないが、率先して反原発を唱えてきたわけでもない。

 しかしなぁ、自明の理として、原発はいけないよ、というのは、最初の最初からわかっていたのではないだろうか。わかっていながら、なぜにこの「悪」に手を染めなくてはならなくなったのだろう。

 一番は、人口増加にあるのではないか。人間が多すぎるのだ。人間が、自然から与えられるもので十分まかなえてきたのに、増えに増えてしまったから、それを維持するために、自然界にないエネルギーが必要となってしまったのだ。

 エネルギーをまかなうために原発を増加させるのではなく、原発がいらないように人間が自粛するしかないのだ。そのためには、人口を減らすしかない。なぜにそれほど人間は増加するのだろう。なんのために?

 一人ひとりの人間が、生きる目的もはっきりしないまま、ただただ数だけは増やし続けている。ここにエネルギーの問題があり、原発の問題がある。

 原発問題だけをいじっても、結局は、根本解決にはならない。すくなくとも私は原発を、単独の話題とすることができない。根本的になにかが間違ってしまった。

 それを気付かせてくれているのが、今回の3・11だろうし、原発問題だ。推進とか脱とかの話ではないだろう。なんとかするしかない。

 屋敷林の枯れ枝をゴミ収集車が集めてゴミ集積所に運び、風呂は中東から運んできた化石燃料で沸かしている。これって絶対おかしい。燃料はすぐ傍にあるのに使えない世の中のシステムになっている。

 このまま行っても人類は破滅する。少なくとも、人類は自重し、限りなく人口減少へとシフトして、謙虚に、この地球上で生きていく道を探るべきなのだ。

 なにも過去へ戻れというつもりはない。新しき希望ある未来へと向かうために、いまこそ縮小過程にはいり、適正規模へとシフトダウンすべき時が来ているのだ。

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2012/07/21

カーズ ピクサー


「カーズ」 
監督・脚本:ジョン・ラセター 発売日:2011/07 ピクサー  DVD 116分
Vol.3 No.0775

 パチパチパチ。いやぁ~面白かった。どこかで誰かが駄作だ、つまらない、ってつぶやいていたから、もともと期待していなかったのがよかったのかも知れない。カバーのデザインもなんだかあまりに漫画チックで、これはなぁ、と、ちょっとパス気味だった。

 それに、ピクサー追っかけもだいぶ進んで、残るは数本のみ。ただし、残ったものは人気があって、まだまだ私の番まで回ってくるには数週間から数ヶ月はかかりそうな勢い。それだけに、予約が入っていなくて、すぐ借りることができたので、ひょっとすると、この作品はイマイチなんだろうな、と油断していた。

 当ブログのVol.3に来てNo.775作品目でこのCGアニメの登場となった。本当は777作品目でこのDVDに出会いたかったかも(笑)。777作品目は、もっとすごいのがでてくるのだろうか。レインボー評価もひとつじゃなくて、二つ重ねておこう。

 見るタイミングというものもあるのだろうが、今の気分だと、当ブログ足掛け8年の最高峰のひとつと評価しておいても悪くない。なんだか男気が騒ぐ。とってもセクシー。SO SEXY ! ピクサーの中でもこれが一番好きかも。

 いやはや、車のCGに人生を教えてもらうとは思わなかったよ。アメリカの長距離道路って、なにか郷愁をそそる。それこそケルアックの「路上」さえ感じさせる。どこかで深い記憶とつながっているようだ。

 すでにカーズ2もでているが、予約が何十人も入っているので、順番が回ってくるまでまだまだ時間がある。ああ、待ち遠しいなぁ。でもあまり期待しすぎると、またがっかりしたりするから、ここは、まぁ平常心を装って、静かに待つことにするかな。イソイソ・・・

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2012/07/20

ロビンソン一家のゆかいな一日 ウィリアム・ジョイス

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「ロビンソン一家のゆかいな一日」
ウィリアム ジョイス (原著), 宮坂 宏美 (翻訳)  2007/10 あすなろ書房 大型本 40p
Vol.3 No.0774★★★★☆

 
ディズニーDVDルイスと未来泥棒」の原作、と前もって言われなければまったく気がつかないだろう。たしかに金髪の逆毛だった少年とか、入れ歯を探すおじいさんとか、登場人物には似通った特徴がある。だが、ストーリーはまったく違う。

 ただ、この絵本は、絵と文があってこその世界なのだから、その雰囲気はすごく似通っている。最初にこのイメージがあったればこそ、あのルイスと未来泥棒」にまで到達したのだろう。

 としてみると、あのストーリーはやっぱり、後付で、ジョイスの世界をスティーブン・アンダーソンが再構築をし、最後にラセターが味付けしなおしたと見ていいのだろう。

 絵本自体は、独特の世界を持っていて、「不思議の国のアリス」「ナルニア国物語」へと通じる世界があるようにも思えてくる。

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2012/07/19

ルイスと未来泥棒 ディズニー


「ルイスと未来泥棒」
ダニエル・ハンセン ジョーダン・フライ ウェズリー・シンガーマン スティーブン・アンダーソン 2008/04 発売  ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメント DVD  95分
Vol.3 No.0773

 ウィリアム・ジョイスの子供向け絵本「ロビンソン一家のゆかいな一日」が原作。そもそもはディズニーで製作していたものだが、ディズニーがピクサーを買収したことによって、ピクサーから移ってきて実権を握ったジョン・ラセターの指示により全面的に作り直されたものという。

 ピクサー追っかけの途上で気づいた一作だが、これをピクサー関連作品と呼ぶことは厳密にはできないだろう。だが、ピクサーとディズニーの合流によるジョブズの立ち位置を考えるとき、これはひょとするとジョブズ礼賛の一作なのか?と疑問符を持つ。

 ラセターとジョブズの関係から考えれば、そう簡単にジョブズ礼賛になるわけもないだろうし、監督のスティーブン・アンダーソン自身も養子であったということだし、自分自身をベースにして製作したと言っているのだから、ジョブズの人生を重ねるのはちょっと無理があるかもしれない。

 あるいは、見る人によれば、これはたくさんのストーリーがまじりあっているものと考えることができるかもしれない。だからここでは、あえて一視聴者のわがままとして、この作品にジョブズ・ストーリーの片りんを勝手に推測することにした。

 この映画の主題は未来へ希望を持ち続けようということだから、むしろメッセージとしてはウォルト・ディズニー本人の言葉のほうが強いようにも思える。しかしながら、ピクサーがディズニーに買収されて、ジョブズがディズニーの筆頭株主となり、ピクサーからラセターが乗り込んで完成した作品とするならば、やはり、話題性としてはジョブズのライフストーリーにその多くを依存した作品となっているのではないだろうか。

 まずは、原作の絵本「ロビンソン一家のゆかいな一日」を見てみることにしよう。

 余談。このロビンソン一族の企業マークが○の中にRが描かれており、どこぞの団体を連想して笑った。

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2012/07/18

プロメテウスの罠 明かされなかった福島原発事故の真実


「プロメテウスの罠」 明かされなかった福島原発事故の真実
朝日新聞社 2012/03 学研パブリッシング 単行本 269p
Vol.3 No.0772★★★★☆

 朝日新聞に連載されていた同名の記事について、当ブログでも取り上げたのは今年の2月だった。友人に紹介されたものであり、取り上げられているのは、旧知の人々のことであった(これらについては2012/07発行「プロメテウスの罠2」に収録)。一冊にまとまることもあり、こちらの「1」についても読んでおこうと思った。

 そもそも、新聞を定期購読しなくなって5~6年になる。たまたま知人宅などで新聞があると開いてみるのだが、今では、やたらと広告などが目に付きすぎて、ほとんど読まないで、閉じてしまうことが多い。

 今回の3・11については、マスメディアを通じてわかったことも少なくはなかったが、実際に自分の目で確認することが多かった。あるいは、マスメディアを通じて報じられたとしても、実態とはかなりへだっていることが多かった。

 ここで、マスメディア無用論を唱えるつもりはないけれど、敢えて新聞を定期購読していない人間が、こうして新聞の連載記事が一冊になったものを読むというのは、すこし逆説的な気がする。新聞がなんといおうと、自分が確かめた事実は事実なのである。すくなくとも自分にとっては。

 なにはともあれ、「2」であの記事を再確認するためには、「1」も読んでおこうと思った。ああ、いまさらなぁ、と思わないわけではない。途中からスピードを上げて飛ばし読みをはじめようとした矢先、なんと、またまた別な知人が登場しているところを見つけてしまった。

 特段に大きな骨子になるところではなかったにせよ、1ページにわたって書いてあるところは、なるほど、思わせる内容だった。

 マスメディアのよいところは、些細な内容でも、同時に多くの人が見ているので、話題にしやすいところだ。ああ、あれ見たよ、あれ読んだよ、と言ってあげると、登場人物たちも、自分がどのように報道され、どのような見方をされていたのかを確認することができる。フィードバックは大切だ。

 それにしても、この本のような内容は、いま巷にあふれているだろう。その気になって集めれば相当な量になる。別にこの本だけが突出しているわけではない。しかし、天下の全国紙が連載している、というのは大きい。その知名度と信頼度はかなり高い。

 さて、かたや当ブログはスチュアート・ブランド「地球の論点」も併読中である。かつての「ホール・アース・カタログ」の編集者であるスチュアート・ブランド、あのスティーブ・ジョブズも愛読したというカウンター・カルチャーの老舗である。そのブランドがいまや、反核から親核に「転向」したという問題作である。3・11以前に書かれたものではあるが、この「宗旨替え」は一体どうしたことか。

 脱「地球温暖化」キャンペーンとは一体なんであったのか、この辺でもういちど、キチンと把握しておく必要がある。「温暖化」の危機は、「核」の恐怖をはるかに上回るという認識から、親核派に転向したと見られるが、彼らには、もういちど、3・11でFukushimaで何が起きているのかを、再確認してほしい。 

 そういった意味においては、この「プロメテウスの罠」のようなシリーズは英訳されて、もっと広く世界中で読まれる必要があるだろう。

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2012/07/17

地球の論点 現実的な環境主義者のマニフェスト<1> スチュアート・ブランド


「地球の論点」現実的な環境主義者のマニフェスト<1>
スチュアート・ブランド 仙名紀 2011/06 英治出版 単行本 439p
Vol.3 No.0771★★★★☆

 問題作である。この書を知ったのは池田純一「ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力」(2011/03 講談社)において。

 なにはともあれ目次を開き、9章あるうちの、まずは第4章「新しい原子力」p111を読んで見た。頭を抱えるような、悩ましい論点である。

 この本の元本は2009年に書かれている。あの地点と3・11を経験したあとでは、おのずと記述そのものが大きく変わってしかるべきである。著者の次回作なり今後の展開なりを検索するとして、邦訳がでたのは2011/06なのに、翻訳者の仙名紀は、そのあとがきにも一切3・11に触れていない。かなりの豪腕だ。

 有力な環境保護論者のなかでこれから増えていくだろうと私が予測しているタイプは、仕方がないから我慢する、という「消極的忍耐派」だ。彼らが核エネルギーへの支持を表明する際には、複雑な言辞を弄してわざとわかりにくい表現にし、発言が引用されないよう気配りをしている。

 アル・ゴアも、その一人だ。彼は公言を避けているが、議会の公聴会では、「核エネルギーには反対しないし、いくぶん拡大していくことを期待している」と認めた。

 私のかつての師ポール・エーリックは、気候変動のおかげでますます核支持派になったと言っている。「自然の終焉」を書いたビル・マッキベンは、環境保護の雑誌「オンアース」で、「世界を救う電力」についての好意的な書評を、次のように記している。

 「環境運動家たちも、時代や状況が変化していることを理解すべきだ。それにしたがって、優先順位も考え直さなければならない。グリーン派は、核エネルギーには危険性が伴うので、それなりの結果を覚悟しなければならないと繰り返しているが、それだけでは不十分だ」

 マッキベンはIPCCの次のような見通しに賛同している。
「原子力発電は世界の発電量の16%を占めているが、18%に引き上げることが望ましい」
p130「新しい原子力 支持派の見解」

 アル・ゴアの「不都合な真実」(2007/1 ランダムハウス講談社)にしても、「私たちの選択 温暖化を解決するための18章」(2009/12 ランダムハウスジャパン)にしても、当ブログはとてつもないきな臭いものを感じてきた。彼こそは、核推進派の宣伝隊ではないか。

 ビル・マッキベンにしても、「自然の終焉」―環境破壊の現在と近未来(1990/01 河出書房新社)から「ディープエコノミー」  生命を育む経済へ(2008/4 英治出版)まで4冊の本に目を通してみたが、どうもイマイチ納得がいかない。

 そもそも、彼らを取り上げているこのスチュアート・ブランドとは一体どんな男なのか。

 ティム・フラナリーは、次のように論じている。
「もしもう一回、大きな事故が起きたら、世界の核産業は決定的な打撃を受けることになる。事故のリスクを最小限にとどめるため、さまざまな工夫がこらされている。したがって、核に関する新しいテクノロジーはかなり安全性が高い」

 ビル・マッキベンは、やや違った角度から見ている。
「原発は万一うまく作動しなくなっても、潜在的にはそれほどの脅威ではない。石炭を燃やす発電装置でも破壊の危険性はあるし、普通に操業していても地球の温暖化に加担する炭素を大気中に放出しているのだから」
p134「新しい原子力 四つの問題、四つの論理」

 3・11以前なら、ここいらあたりはそれほど引っかからずに読み進めていたかもしれない。しかし、3・11以後なら、ここをスムーズに通り過ぎることができる人はいないだろう。すくなくとも「もう一回、大きな事故が起き」てしまったのだから。

 日本の原発はアメリカ、フランスに次いで多く、55基が運転中で、2017年までに新たに11基が計画されている。いま原発の電力が3割を占めるが、政府は2050年までに6割に倍増させようと目論んでいる。p146「新しい原子力 どうにも止まらない復讐心」

 書かれているのは2009年以前の段階のことである。だが、出版にあたった出版社や訳者は、この辺の記述をどのように受け止めているのだろう。

 第四世代の原子炉の実現へ向けてのタイムテーブルは早めることができる、とNASAのジェームズ・ハンセンは言う。廃棄物貯留のためにすでに拠出された280億ドルの資金を一部充当すれば可能だとして、彼はこう述べている。
「この基金は、核廃棄物を消費する高速増殖炉の研究に費やされるべきだし、長期にわたって放射能を放出する廃棄物を作り出すことを防ぐトリウム原子炉の研究にも当てるべきだ」
p163「新しい原子力 『第四世代』の登場」

 3・11後において、原発関連放射線関連の読書を進めていた段階なら、とてもじゃないが、こんな記述に目を通す気にはまったくなれなかっただろう。3・11後になっても、ビル・ゲイツなどは、この新型の小型原子炉に投資すると言っていた。

 日本の東芝は、10ギガワットから50ギガワットの「核電池」ともいうべき小型高速炉を開発した。4Sという名称だが、これはスーパー、セーフ、スモール、シンプルの頭文字のSを並べたものだ。これは2015年ごろをめどに実用化を目指している。p164「新しい原子 力スーパー、セーフ、スモール、シンプル」

 そもそもこの情報が正しいのかどうか確認していないが、もしそうだとしても、2015年に東芝が実用化をはかる新型は3Sという表記になるに違いない。少なくともセーフのSはつけることができないだろう。つけるとしたら、それは何を根拠にそういえるのだろう。

<2>につづく

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2012/07/16

Meditation in the Marketplace<11>マーケットプレイスでの瞑想

<10>からつづく 

テーマ「Meditation In the Marketplace」 

<11>iPadとFukushima 

 さてカテゴリは「Meditation in the Marketplace」(MMP1)からMMP2へと移行する。事態は急変してきた。日常を、そして、自らの仕事を見つめれば見つめるほど、物事はそう簡単でもなく、すべてが絡まっている、ということを実感する。

 MMP1においての暫定的テーマは結局のところ、パソコン→タブレット端末の移行は是か非かというところに落ち着いた。つまりはiPadを仕事に活用するのかしないのか、そのことの裏も表もよ~く考えてみよう、ということだった。

 その背景をひとつひとつ拾い上げていくと、これがなかなか面白い。哲学的であり、思想的にも輻輳した論戦が期待できる。今後もここを中心として進むとして、議題はさらに広がりを持ち始めようとしている。

 私の手元には、今ふたつの書物がある。一冊は「プロメテウスの罠」(朝日新聞特別報道部 2012/03 学研)であり、もう一冊はスチュアート・ブランドの「地球の論点」(2011/06 英治出版)である。いみじくもこの二冊を対峙させてしまったのは池田純一「ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力」(2011/03 講談社)である。 

 上記二冊ががっぷり4つ相撲を取り、池田純一が行司役を勤めることができるのかどうか。それはさだかではない。少なくとも、「プロメテウスの罠」は3・11をレポートしているのであり、他書二冊は3・11以前に書かれている。

 3・11をはさんで、全球的思想の流れは一体どうなるのか。ここでは3・11は、鋭くFukushimaと読みかえられなければならない。

 当ブログは、それなりに3・11をスキャンしてきたし、地震、津波、原発を、災害の天地人として峻別してきた。ここでは原発ではなく、事実としてのFukushimaをいまひとたび検証する必要に迫られてきた。

つづく

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2012/07/15

地球人スピリット・ジャーナル・ダイジェスト版<42>「Meditation in the Marketplace1」カテゴリについて

<41>よりつづく

「地球人スピリット・ジャーナル」
ダイジェスト版

<42>「Meditation in the Marketplace1」カテゴリについて

 環境問題や一般論からはなれて、より身近な自らの日常、特に仕事を見直してみようと始まったこのカテゴリであったが、思った以上に難しかった。

 iPod・nanoをプレゼントされたことをきっかけにして、図書館から借りた宮下富美夫のヒーリングミュージックCDに始まり、書店で見かけた「ジョブズの禅」が気になってジョブズ追っかけにはまり、あるいはピクサーのCGアニメに見入ってしまったのだった。

 手がかりはいくつも残されたが、あっという間に定量の108の書き込みに到達してしまった。このカテゴリはこのままでは収束できないので、後続のカテゴリで鋭意継続することとした。

 書かれたのは2012年5月26日から7月15日まで。再読したいこのカテゴリこの三冊は次のとおり。

「癒しの音を求めて」 宮下富実夫 1999/06 春秋社

「ジョブズ伝説」 アートとコンピュータを融合した男 高木利弘 2011/12 三五館

「ウェブ×ソーシャル×アメリカ」 <全球時代>の構想力 池田純一 2011/03 講談社

 なお、宮下富美夫には三冊(+α)の本があるが、いずれも甲乙つけがたく、少ないので、三冊とも再読するチャンスがめぐってくることを祈りたい。だが、実際は、音楽家として彼を評価するベースは、その音楽を聞くことにあるのであり、今しばらくはその音に日々耳を(心を)傾けていたい。

<43>につづく

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ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力<1> 池田純一


「ウェブ×ソーシャル×アメリカ」 <全球時代>の構想力<1>
池田純一(著) 2011/03 講談社 317P
Vol.3 No.0770

 この本はいみじくも2011年3月20日に発行されている。ということは、すでにその一ヶ月前ほどに書店の店頭にならんだのだろうし、編集が終わったのは1月頃だっただろう。もしあの3・11がなければ、もっともっと話題になってしかるべき一冊だったに違いない。

 いつの間にかジョブズ追っかけにはまった当ブログだが、Meditation in the Marketplaceカテゴリを通過するにあたり、この一冊に出会ったのはとても幸運だった。この本については、たしか高木利弘「ジョブズ伝説 アートとコンピュータを融合した男」( 三五館 2011/12)の中で知ったのだと思う。

 この本は新書としてはかなり重厚なもので、本来ならばハードカバー本になるべき内容である。新書にするなら、おそらく4冊に分冊されてしかるべきだろう。

 「ウェブ」編、「ソーシャル」編、「アメリカ」編、そして「全球」編となるべきであっただろうが、しかしまた、これらを強引にひとつのテーマで結びつけたからこそこの本の魅力がでてきたのだろうから、痛し痒しのところがある。

 当ブログの文脈の流れで言えば、一番関心あるところは「全球」編の部分で、本当はそこだけ読めば事足りたわけだが、他の三部編も、それをフォローしてくれている、という意味では、落とすことのできない内容となっている。

 全球という訳語が正しいのか、あるいはどれだけ流通しているのかは不明だが、私個人としては的確な訳語とは思えない。少なくとも語感としてはイマイチである。もとの語は、1968年にアメリカのカウンターカルチャーの教則本のような形で発行されたスチュアート・ブランド編集の「Whole Earth Catalog」に拠っている。

 日本語のカタカナでホール・アースでもやはり間の抜けた感じになるので、他に的確な訳語もないのだろうが、全地球的というニュアンスで問題はなかろう。

 この60年代の一冊が登場するのは、ジョブズが2005年にスタンフォード大学の卒業式に講演をしたときに、その締めくくりに使われた「愚かであれ、ハングリーであれ」の言葉が実は、「ホール・アース・カタログ」の終刊号の最後のページから引用されていたからである。

 私もこの本を70年代中盤に見たことがあり、その存在感に圧倒された記憶がある。このカタログ雑誌に影響されて日本でもいくつかの本がでているはずだが、たとえば、宝島社からでている「別冊宝島」シリーズなどは、その影響が大きい。

 たとえばその創刊号①は1976年の4月にでているがタイトルは「全都市カタログ First Whole City Catalog」となっている。ちなみに、この号には、当時私たちが出版していたミニコミ雑誌も収録されている。

 さて、この本については、もうすこし継続的に読み進めたいが、当ブログが関心をもつテーマはかなり絞られている。

1)ジョブズはカウンターカルチャーの影響を受けていたのか。

2)パソコンはカウンターカルチャーが生み出したのか。

3)そもそもカウンターカルチャーとは何であったのか(何であるのか)。

4)意識とパソコン(やインターネット)は関連があるのか。

5)今後のネット社会は、どう進化すべきなのか、というビジョン。

 いささか言葉遊びになるが、真善美という三つの基本的な価値になぞらえれば、科学的合理性を追求するGoogleは「真」、ユーザーという人間的なインターフェイスを通じて共同体の構築を進めるFacebookは「善」、触覚を通じた自在性を売りにすることで、ヒューマンタッチを具体化させたAppleは「美」、という具合にそれぞれ基本的な価値を実現していると見ることもできるだろう。p268「真善美のメタファー」

 著者は1965年、静岡生まれである。リアルタイムでは60年代のカウンターカルチャーの波はかぶっていないだろう。2003~2005年当時アメリカに留学したということだが、必ずしも、自らの訴求として60年代的カウンターカルチャーを把握することはできないであろう。

 だから、きわめて意欲的なビジョンを提示してくれているのではあるが、そこここに、どこか豪腕的速球にごまかされてしまい、いまひとつ真実の的を得ていないところが散見される。

 上の真善美のメタファーは、私なら採用しない。当ブログで採用しているのは3コン論。コンテナ、コンテンツ、コンシャスネスの3つだ。ハードとしてのパソコンやインターネットはコンテナ、さまざまなソフト面やアプリ、利用技術などはコンテンツ。

 だが、いまひとつ、コンシャスネスが見当たらず、当てはめるものがない。当ブログはここを探しているのであり、また、すでに仮定あるいは仮想している部分をコンシャスネスとした場合、これら低位のコンテナ、コンテンツにいかにつなげるべきなのかを模索しているといえる。

 全球、とはいうものの、実際は人間は全球を体験することはできない。仮に宇宙から地球を見たとしても、円としては感知できたとしても、球とは感知できない。たとえばグーグルアースでいくらぐるぐる地球地図を回したとしても、裏側を見ることはできない。常に半球しか見ることができない。

 あるいは全球と体験するとした場合、たとえば、口の中に飴玉をほうり込んでしゃぶりまわすようにしなければ、地球を球として体験することはできない。

 つまり、目や耳や手といった感覚では全球にはならない。意識の拡大とはよく言われるが、実際は、意識は拡大などせずとも、すでに最初から最大限であるはずなのである。単に自らの五感に頼りすぎているのが壁なのであって、それを取り払えば、意識そのものが露出するわけだから、拡大などする必要はないのだ。

 そして、ここでもうひとつ付け加えておきたいのは、全球、といった場合の仮想性であって、実際はその中心に人間がいなくてはならない。地球のどこかに二本の足をつけている人間であるならば、すくなくとも半球しかみえないばかりか、自らの視力や聴力の及ぶ範囲のある限定的な部分しか感知することはできないのだ。

 もちろん、インターネットや情報網の発達で地球の裏側の情報まで収集できたとしても、人間としての頭脳は、無限大のCPUとしては活動してくれない。あるいは、脳科学が発達して、その演算してくれたとしても、実際の二本の手と二本の足を持つ、一個の生物としての人間には利用不能な情報が集まり過ぎることになる。

 意識の拡大ではなく、意識そのものを開くこととともに、人間サイズの情報感覚を携えていることこそ、未来の地球人のあり方である。いたずらにフォロアーが何万人、ネットつながりが何百万人と豪語することには、本当は意味がない、と当ブログは主張したい。 

 そのような論点から、この本は、すこし時間をかけて再読、再々読してみたいと思う。

<2>につづく

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ファインディング・ニモ  ピクサー ウォルト・ディズニー


「ファインディング・ニモ」 
アルバート・ブルックス  エレン・デジェネレス  アレクサンダー・グールド アンドリュー・スタントン 2007/06 ウォルト・ディズニー・ジャパン DVD 100分
Vol.3 No.0769★★★★☆

 0歳児と一緒にこういうDVDを見るのも悪くはない。もちろん0歳児は初めてみているのだが、この映画のことを知らなかったのは、わが家では私だけ。結構みんな知っているんだなぁ。

 まぁまぁ、面白くないわけでもないが、実際、自分は一体ここで、何でこのDVDを見ているのだろう、と自問する。

 ディズニー&ピクサーのねらい目あたりはなんとか理解できた。なるほどね。

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2012/07/14

Meditation in the Marketplace<10>マーケットプレイスでの瞑想

<9>からつづく

テーマ「Meditation In the Marketplace」

<10>マーケットプレイスでの瞑想

 いつの間にかジョブズ追っかけにハマってしまい、こちらのテーマ文の進みが遅い。枕元には、ハードカバーのジョブズ伝記が6冊あり、まだ見ていないピクサーDVDが6本ある。それだけでも、このカテゴリは定量の108を超えてしまう。

 どうもこのカテゴリとテーマはここで終わりそうにない。したがって、次のカテゴリはMeditation in the Marketplace2とし、テーマはこのまま継続することにした。

 タイトルもマーケットプレイスでの瞑想とか、市場の瞑想とか、すこし変化をつけてみようかな、と考えたが、いずれも小賢しい気がする。そもそも市場は、いちば、と読むのか、しじょう、と読むのかで、多少イメージが変わる。そもそもの意味は、市井(しせい)であろうと思われるが、ここで市井での瞑想とするのも、なんだかわざとらしい。

 そもそもマーケットプレイスという語は、この語を最初に聞いた30年前ならちょっと違和感があったが、現在では、スマートフォンなどのアプリの販売方式などで広く一般的に使われる語になった。それだけに、誤解を生んでしまう可能性はあるが、それはそれで次の問題だ。

 さらに問題なのは、せっかく宮下富美夫で「瞑想」への足がかりをつかめたかに思った矢先にジョブズ追っかけに入ってしまい、Meditation=瞑想への突っ込みが以前として進まないままである。ここを何とか突破しないといけない。

 ジョブズの禅、という取り合わせの妙がなんとも良かったのだが、ここで禅としてしまうことには抵抗がある。ZEN、あるいは、カウンターカルチャーの流れの中で、もうすこしこの問題をとらえ直しをする必要があるようだ。

 思ったよりも長引きそうな予感がする。このカテゴリは2のみならず3以降も続くことになるのでないか、と思い始めた。

 それはそれでいいだろう。ブッタ達の心理学、や、市場での瞑想、は、マスターOshoの根幹でもあり、当ブログのターゲットの中心に位置する。この辺を延々とやっていくのも悪くない。

 と、ここで方針を決定し、すこしまわり道を始める準備ができた。

<11>につづく

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2012/07/13

ウォーリー ピクサー DVD


「ウォーリー 」
ジェフ・ガーリン* ベン・バート* エリッサ・ナイト*アンドリュー・スタントン* 2011/07発売  ウォルト・ディズニー・ジャパンDVD 98分
Vol.3 No.0768★★☆☆☆

いやはや、なかなか忙しい作品だ。常に躁状態で、おちついて見ていられない。ストーリー構成も分かるし、CGの素晴らしさもわかるのだが、映画として、一人の観客として、じっくりとひとつの作品の中に入りこむということはできない。

 スターウォーズとか2001年宇宙の旅とかETとか、その他、いくつかの他の作品への伏線があり、それを分かっていれば、なお楽しめますよ、ということなのだろうが、どうもそれがうるさすぎる。それこそ、Think simple で言いたいことをもっと絞り込んでもらわないと、見ているこちらは疲れてしまう。

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2012/07/12

図解スティーブ・ジョブズ全仕事 桑原晃弥


「図解スティーブ・ジョブズ全仕事」 
桑原晃弥 2012/01 学研パブリッシング 単行本 189p
Vol.3 No.0767★★★☆☆

 全仕事とはいうものの、ジョブズの人生を細切れにして教訓的に一口サイズに並べたもの。図解とはいうものの、なにやらわからない漫画をこちゃこちゃとおいただけであり、ほとんど見なかった。

 この本で興味深かったところは、「アップルを創った怪物」のウォズニアックの近況について書かれているところ。

 2011年にジョブズが死に、遺作ともいえるiPhone4Sが発売された日、バロアルトのアップルストアにできた行列の中に、ウォズの姿があった。すでに予約ずみであり、アップル本社に電話でもすればいつでも手に入る身分ながら、あえて並んで買ったのだ。長年の友で同志だったジョブズに対する敬意だったのだろう。p144「忘れられたアップルたち スティーブ・ウォズニアック」

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2012/07/11

アップルを創った怪物 もうひとりの創業者スティ-ブ・ウォズニアック自伝


「アップルを創った怪物」もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝
スティ-ブ・ウォズニアック井口耕二 2008/11ダイヤモンド社 単行本 453p
Vol.3 No.0766

 ジョブズ追っかけだけをしていたのでは、やはり本質を見極めることはできない。ジョブズより5歳上の、もうひとりの創業者ウォズニアックからみたら、こうなる。必ずしもジョブズの批判をしているわけでもないし、新たなる視点を加えているわけではない。当然そうだっただろうということの確認なのだが、やはり世に伝わる誤解は解いておかなくてはならない。

 ジョブズについてはテクノロジーとアートを融合した男という評価が高いが、もともとのアップルⅠ、アップルⅡからして、こちらのウォズニアックからしてみれば、自分が創ったものだ、という自負が強い。この自伝を読んでみれば、それは当然だ、と理解できる。

 
「ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した」 という評価はどこまで正しいかは定かではないが、少なくとも初期にアップルⅠ・アップルⅡを「発明」したのはウォズニアックだろう。少なくともテクノロジー的には、そうであると思える。

 この自伝は、自分がインタビューに答える形でライターがまとめたものであり、キチンと書かれているようでもあるし、ある所はきれいに整理されて提示されているようでもあり、こちらもまた単体では確認しようがないところもあるが、少なくともジョブズ側からの一方的な記述だけでは、アップルの総体は把握できない。

 飛行機事故を体験後、アップルから最低給料をもらいつつ業務から離れたあとのウォズが3回結婚したり、80年代に始めてウッドストックの映画を見て、それを自分でやりたいと、2回もビッグコンサートを開いたのは痛快である。へ~そういうこともあったのか、という思い。82年83年のことだから、オレゴンのラジニーシプーラムの時代ともろに重なっている。

 2回離婚し、3回結婚したということだから、まぁ忙しいものだなぁと思う。使いきれないほどの金がある、というのは、余人から見た場合、やはり理解不能だ。汲々として日々を送る人びととはまるで違った人生を送ったことになる。

 この自伝はウォズニアック55歳の時(2006年)の出版である。ジョブズが亡くなったあとの心境なども聞いてみたいところだが、この論調で行けば、大きく変わることはないだろう。

 とにかく、こういう人生だったのだ。

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2012/07/10

バグズ・ライフ ピクサーDVD


「バグズ・ライフ」 
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン 1998 DVD 製作国 アメリカ
Vol.3 No.0765★★★☆☆

ピクサー追っかけ 第5作目。バグズという単語は、コンピュータのソフトのバグを連想するが、もともと虫食いの意味なので、バグとは英語で虫のことなのだろう。

 主人公たちはアリなのであるが、小さな虫や昆虫たちが出演する。コンピュータCGはさすがに見ごたえがあるが、映画としては常に「躁」状態で、なんだか落ち着かない一作。

 とにかく、こういう作品も手掛けていたということを記憶にとどめておこう。

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2012/07/09

インサイド・アップル アダム・ラシンスキー


「インサイド・アップル」
アダム・ラシンスキー 依田卓巳 2012/03 早川書房 単行本 272p
Vol.3 No.0764

 日本人の執筆陣によるジョブズ伝やアップル・レポートは、比較的、勝者礼賛で一方的なジョブズ善人主義に偏っている。それは、外側に報道された歴史や日の当たる面を中心に書かれていることによる。

 アップルという企業は、特に、1997年にジョブズがアップルに返り咲いて以来は秘密主義を強め、その内部のことがレポートされることがほとんどなかった。内部にいる人間であっても、その全体を知ることがなく、その秘密主義こそが、アップル商品の爆発的な人気を得ていた要因のひとつにも挙げられている。

 企業秘密は、どの企業でもあり、むしろ当たり前のことなのではあるが、アップルにおいてはそれが極端に徹底していて、それがジョブズの性癖によるところでもあり、また、彼が失敗から学んだ経営哲学であったのかもしれない。また、かなり特異な社風ができあがってしまったのは、ジョブズがCEOとして21世紀になってから成功し続けてきていたからだともいえる。

 それに対して、この「フォーチュン」誌記者である著者は、より内部の事情をレポートしている。他の軟弱なカリスマ礼賛の本にはない、鋭い視線が、アップル内部に、そしてジョブズに向けられる。

 それは何も批判の材料をこしらえているわけではなく、一般的な経営理念からややもするとはずれ勝ちなジョブズ=アップルの経営が、本当はどうであったのか、実は彼のほうが正しかったのか、単に運が見方しただけなのか、あるいは他の企業も学ぶべきなのか、さらには、ジョブズなきあとのアップルの今後を占うよすがともなりうるからである。

 たしかに偉大だが「とんでもなくすばらしい」わけではないアップルは、これから輝きを失うかもしれない。だが、がっかりするのはアップルにいつも過大なものを要求する信者だけだ。それ以外の人は、これまでもアップルにそれほど期待していなかった。長い目で見れば、私たちはたんにすばらしい製品を買い続けるだけである。p264「最後にもうひとつ」

 ジョブズ追っかけもだいぶ進んでいる。毒食わば皿までと、まだまだあるジョブズ本をもうすこし読み進めてみようと思う。だが、右往左往しながらも、結局はいままでジョブズやアップルに持っていたイメージは、基本的には間違ったものではなかった。

 社員のひとりひとりが、アップル内部において十分に働きやすい職場だと思っていただろうか。民主的経営をせよとまでは言わないまでも、ともすると、一般的な経営理念や労働環境から外れた道を歩んでいたかもしれないアップルとジョブズは、今後、新たに再検証されるだろう。

 そして、その中でもやはり、iPadをはじめとする一連の製品群と、アップルというとてつもない「世界一」の会社と、世紀の「天才」スティーブ・ジョブズという人間の築いたトリニティは、おおいに話題として取り上げられることは間違いない。

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2012/07/08

スティーブ・ジョブズ奇跡のスマホ戦略<2>

<1>よりつづく


「スティーブ・ジョブズ奇跡のスマホ戦戦略」<2> ポスト・Jobsのプラットフォーム戦争の勝者は?
石川温 2011/12 エンターブレイン 単行本 255p
Vol.3 No.0763★☆☆☆☆

 こちらは徹底したコンテナ論。コンテナ---コンテンツ---コンシャスネス、この三位一体のバランスを重要と見る当ブログとしては、興味が湧かないわけではないが、これではあまりの片手落ちの一冊と見る。

 内容もiPhpne、アンドロイド、ウィンドウズフォン、などの激闘をレポートするのが主であって、スティーブ・ジョブズの名前を冠したのは、時の人ジョブズが亡くなった直後に出版することになった経緯が大きく影響しているようだ。

 巻頭と巻末で ジョブズに触れてはいるが、それは一冊の本として、後付の本のタイトルにふさわしくなるように、ちょっぴり化粧直しをしました、という程度のものだ。

 ひさびさにコテコテのコンテナ論を読んだが、さて、ここに来て気になるのは、リナックス陣営のことだ。アンドロイドはリナックスをベースにしているらしいし、アップルのOSもユニックスをベースにしている。だから、それらの中にリナックスのうごめきは反映されてはいるのだろうが、どうも、話題にはなりにくい。すくなくともこの本ではまったく無視されている。

 少なくとも、この本で紹介されているようなジョブズだけなら、別に当ブログが遅ればせながら、ジョブズ本を追っかける必要はまったく感じない。

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人生の「師匠」をつくれ! 中村文昭


「人生の「師匠」をつくれ!」
中村文昭 サンマーク出版 2008/05 単行本 196p
Vol.3 No.0762★★★★★

 久々にFPの集まりのセミナーに参加してみた。たまにはまともに仕事のことも考えないとな、という気持ちがすこし湧いてきたからだ。小さな集まりだったが、隣の人とペアになって「傾聴」するというセッションがあった。

 私のペアになったのは、たまたま隣の席に座っていた若い男性でどうやら不動産会社の社員らしい。3分間のおしゃべりの中で、私は一方的に最近読んでいる本としてジョブズのことを語り、「傾聴」してもらった。

 次のセッションは私がうなづきもせずに彼の話を「傾聴」する役割だ。彼が話したのは中村文昭という人の話。3分間という時間は長いようで短い。結局は、初対面の彼自身のことを注視していたので、その話の内容はよく聞こえていなかった。

 セミナーが終わり、別れる時に、ネットでも中村文昭の動画が見れますので、どうぞと彼に言われて、とりあえずパンフの空いているところにその名前をメモしていた。

 さっそく、帰宅して図書館のリストを見たら、なんと結構彼の本が何冊も入っていた。さっそくその中の一番最新の本を借り出して読んでみた、というところである。

 1969年生まれ。1978年生まれの坂口恭平よりは一回り上だが、どこか若いエネルギーという意味では通じるところがある。まもなく還暦のゴールが見えてきた自分としては、なんとも若いエネルギーに圧倒されてしまう。

 ただ、0円ハウスがテーマの坂口に比較して、こちらは「心のスイッチをオン」にしているだけに、より前向きのように思える。

 「何のために?」、「返事は0.2秒」、「頼まれごとは試しごと」、「金の使い方は出口が大切」などなど、なるほどな、と思えるところが多々ある。

 「何のために、そんなに体に気を遣っているんですか?」
 この質問がほとんどクセになっている僕は、何気なく尋ねました。すると彼は、こう答えたのです。
 「私は、お客さまより長生きするために、体に気を遣っているんです。
 僕は思わず、ちょっと意地悪なことを言い返しました。
 「なんや、けったいなこと言うなあ。生命保険を扱う人が、自分だけは長生きしたいって言うんですか?」
 「だからですよ。お客様より先に死なないのが、私の仕事なんです」
 怪訝な顔をする僕に、彼はニコリと笑って説明しました。
 ----生命保険というのは、契約を取るだけが仕事ではない。お客さまが亡くなられたとき、きちんと保険金を支払い、残された家族がそこから安心を手に入れるという気持ちのケアまでしたとき、はじめて仕事が終わる。自分はその仕事を全うするために、日ごろからものすごく体に気を遣っているのだと。
 「自分より年下の人からは、なるべく契約を取りたくないと思っているんですよ。だって、確率的に私のほうがお客さまより先に死んでしまいますからね」
p51「人生は『何のために』で動きだす!」

 自分より下の人をマーケットからはずすとしたら、初老の世代などビジネスが成り立たなくなるが、まぁ、ここで言わんとしていることはわかる。

 この人の本やビデオ、なるほど面白い。だけど、どうもクセになりそうだから、今はこの一冊だけにしておこうw

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2012/07/07

Appleの正体 スティーブ・ジョブズの最高傑作 マック・ファン

Mf201203
「Appleの正体」 スティーブ・ジョブズの最高傑作 
マック・ファン 2012/03号 マイナビ 雑誌
Vol.3 No.0761★★★☆☆

 2011年11月号がジョブズ退任を期して編集されたものであり、その後に亡くなった直後の記事を読んでみたいと思ったが、間の12~2月号は割とあっさりした記事が多いようだ。リストで見る限り、この辺あたりがスティーブ・ジョブズの名前がでてくる伏流水噴出ポイントか。

 そう思ってめくってはみたが、それほど感傷的な記事はなく、むしろ、その傑作として、一台一台を生み出すアップルという会社の姿を伝えている。

 なるほど、と思いつつ、ジョブズ一流の現実歪曲マジックの仕組みがどんどんと舞い降りてくる。これじゃぁ、ますますマック派に「転向」したくなってしまう。

 ただ、本当に必要なのか、本当に欲しいのか、それだけの見返りがあるのか、と我が身に迫っていくと、どうも本当に必要かどうかは難しいラインにある。

 今あるギリギリの環境を活用する手はいくらも残っている。一気にイノベーション!を唱えて走り出しても、それほど現実は甘くないように思う。

 はっきり言ってウィン派の流れもXP機で既に停滞していて、大きく変化することはない。むしろ回線やケータイに主役を奪われたこの10年だった。そして、その変化を見て機敏な行動を「とれた」のがジョブズだった。

 私自身は私自身が理想とする環境へ近づいていくには、別にマックの力を借りずとも、非マックを通して構築することは可能だと思われる。まったく無視していくことも可能ではある。

 しかし、こうして歴史を振り返ってみると、それはジョブズとは無関係に発展したものではなかったし、アップルというシステムがなかったら、やはり存在し得なかった高みへと、いつの間にか誘い込まれている自分を感じる。

 今後、私自身がマック派に転じることがなかったとしても、ジョブズやアップルは偉大なり、という感想はますます深まる。

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スティーブ・ジョブズってどんな人? ナム・キョンワン アン・ヒゴン


「スティーブ・ジョブズってどんな人?」
ナム・キョンワン/アン・ヒゴン 汐文社 2012/01 絵本 39p
Vol.3 No.0760★★★★★

 この本もポプラ社ノンフィクション「スティーブ・ジョブズ」と似ていて、小学生でもよくわかるようにジョブズの人生が書いてある。それにしても、この手の本が数種存在しているということは、現在、これだけの関心を持って子供たちもジョブズを注目している、ということになる。

 そして、こちらは範疇としては絵本だ。豊富なカラーの絵がなかなかに楽しい。ジョブズのずるがしこそうなところはあまり表現されていないが、本文ではその辺もあまり隠し立てせずにズバリ書いてある。

 禅のことも書いてあって、なかなかよい。

 この年インドに旅行してから、仏教の「禅」の考え方がとても気に入って、生活すべてに深く取り入れた。食事も野菜中心になった。だから日本食が大好きだ。日本にはこのあと何度も出かけたよ。p18 (1974年、19歳の頃)

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Mr.インクレディブル  ディズニー/ピクサー


「Mr.インクレディブル」 
クレイグ・T.ネルソン(Craig T.Nelson) ホリー・ハンター(Holly Hunter) ブラッド・バード(Brad Bird) ブラッド・バード(Brad Bird) 2006/06 ウォルト・ディズニー・ジャパン (株)ポニーキャニオン DVD 115分
Vol.3 No.0759

 ジョブズ追っかけついでに始まった、ピクサー作品追っかけもようやく4枚目。そのフルCGの出来に驚くが、そろそろ飽きがくるかな、と思って見始めた。

 「元」スーパーヒーローMr.インクレディブルは、保険会社の損害サービスに勤務している。本来はこんなことをしていたくはないのだが、すでに時代はスーパーヒーローを必要としていない。歓迎されないどころか、マイナス面が大きくクローズアップされて、スーパーヒーローとは言え、そっと、ごく普通の人間としてひそかに社会の中に溶け込んで生きていく必要がある。

 このアンチ・スーパーヒーローとして、保険会社の会社員という設定が泣かせる。損害における保険金の支払いは公平の原則から、保険会社が支払いを渋るなんてことはあってはならないことだが、この映画では、上司から出し渋ることを要請されるが、陰でそっと支払ってしまうという、やさしい役どころ。

 そういえば元祖スーパーマンも、普段はスーツを着て、ディリー・プラネットという新聞社に勤めている新聞記者だった。社会の中で、社会人としてひっそりと暮らすということも、これはこれでなかなか大変なことだ。

 結局は、スーパーヒーローとして復活するわけではあるが、そこここに哀愁がただよう。家庭人としての保険会社の損害サービス社員としては、どうしても生きてはいけないのだ。

 妻にしても、子供たちにしても同じことだ。誰もが自由に、自分のありのままの姿で生きていける社会、がひとつの理想であることは事実だ

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2012/07/06

解剖 アップルが仕掛けたデザインの魔法 日経デザイン

Nd
「解剖 アップルが仕掛けたデザインの魔法」
日経デザイン 2011/12号 雑誌 
Vol.3 No.0758★★★★☆

へぇ、日経軍団の中には、このような雑誌があるのか。こんな機会じゃないと、なかなかこういう雑誌までは手が伸びない。ジョブズの死亡に併せて組まれた特集。

 アップルはなぜそこまで消費者から支持されたのか。「我々のすごさの源泉とデザインは不可分」というジョナサン・アイブ・デザイン担当上級副社長の言葉のとおり、テクノロジーとデザインを見事に融合させて、まるで魔法のように全く新しい商品体験を生み出したからだ。デザインの力を経営に生かすことが重要なのだとアップルは改めて教えてくれた。p16

 ジョブズの偉業を「デザイン」のほうから切り込む。「iPhone4sの内部構造」なんてところでは、普段は見ることができない、あるいはジョブズにとっては絶対してほしくない分解作業を図解で説明している。貴重なレポートだ。

 そもそも、アップルのポリシーは、難しいところを顧客に見せない、というところだが、それがまた、「解剖」好きなユーザーには不満な一面でもある。他のパソコンのように分解できたり、自作マックなんてものがあったりしたら良かったのに、と思う。

 そもそもアップルは基盤だけの自作キットとしてスタートしたのだった。そのむき出しの回路にプラスチックのカバーを付けたのがアップルⅡで、どんどん内部構造は見えなくなっていった。それがよくもあり、悪くもあった。

 ジョブズ哀悼の意を組んで各社、あまりマックを酷評していないが、実際は、一人のユーザーとしてマックを見てきた場合、なんだか故障が多そうで、欠陥商品も多そうだ、というイメージがある。

 iPhoneはなぜ全面をタッチパネルにしたのか、一番の理由は安く作れるからだと私は考えます。各言語のキーボードも要らないし、メカニカルな機構がないから壊れにくい。

 カッコ良くて素晴らしいデザインだから、という側面もあるのでしょうけど、まるでほかの選択肢がないかのように信じ込ませるテクニックがスティーブ・ジョブズのすごいところでした。 p37 長谷川踏太「開発現場にも届く、強いリーダーシップを」

 いまだにガラケーも出がけのスマホでも、物理qwertyキーボード付きを使っている身としては、タッチパネルは得意じゃないし、歓迎できない。iPadなんかもオプションで外付けのキーボードなどもあるらしいが、それなら最初からキーボード付きのモバイル姓のあるノート機を使ったほうがいいようにも思う。

 スポーツカーにしても、デザイナーズハウスにしても、そのデザイン性が高く評価されていても、実際は使いにくい、ということはよくある。だから、そのデザイン性に高額な料金を払う気がなかった私は、ちょっと食わず嫌いのところがあった。

 しかしまぁ、世の中の流れは、「アップルの仕掛けたデザインの魔法」を好意的に受け止めているようだ。

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ジョブズ伝説 <2> アートとコンピュータを融合した男 高木利弘

<1>からつづく 


「ジョブズ伝説」アートとコンピュータを融合した男 <2>
高木利弘 三五館 : 2011/12 単行本 397p

 この本には功罪ある。功は、過去に出たジョブズ本をざっくりまとめてあるので、それらの本を読んだ気になってしまえることである。そして、罪は、それらの本を自分でも読みたくなることである。

 ジョブズがアップルに返り咲いたばかりか、ディズニーの筆頭株主になり、さらにはビートルズのオリジナルブランドであったアップルを継承したことである。一節には5億ドルで買い取った(p336)という説もあるらしい。少なくとも、この局面でジョブズは、レノンの後継であろうとしたようだ。

 本書はThe Man Who Harmonized Art and Computerとなっているが、日本人の著者がちょっとシャレて英語にしたまで(p352)で、別に定説となっているものではない。日本人に理解させようとして、むしろ、あらたなる誤解を生んでいるようである。

 そもそもはジョブズ自身の言葉で言えば、「テクノロジーとリベラル・アーツの交差点」が原典であり、ジョブズの言っているテクノロジーは晩年においては「コンピュータ」を意味してはいない。

 またリベラルアーツは、著者も言っているように日本訳の「教養」なんかを意味しているわけではない。

 「リベラル・アーツ」というのは専門的な知識や技能を教えると言った一般的な学科とはまったく異なっており、幅広い知識と合理的な思考能力の開発を目的としている。

 カリキュラムは、文学、言語学、哲学、歴史、数学、科学から構成されており、学際的な研究を奨励している。つまり、文系・理系の知識を併せ持ち、自分自身の力で独創的な論理を組み立てられる人材を育てる学科なのである。p351「魔法のような革命的なデバイス---iPad」

 せっかく二つにまで統合したのに、申し訳ないが、当ブログ流に三つに分けるとすれば、科学、芸術、意識になるわけであり、テクノロジーは科学に置き換えることができるが、リベラル・アーツは、一度、芸術と意識に分化される必要があるのではないだろうか。

 「リベラル・アーツ」というのは、単なる「アート」ではない。しかし、「アート」に通じる何かなのである。p352 同上

 ではなんだろう。

 「ジョブズはなぜ、『禅』や『日本の美学』に惹かれたのであろうか?」という問いに対する答えは、「リベラル・アーツ」の真髄を「禅」に見たからであり、ジョブズが理想とした「魂が入った製品」作りを「日本の美学に見たからである。p381「終章 未来社会へのメッセージ --- アートとコンピュータを融合せよ」

 つまり、ジョブズいうところのリベラル・アーツは、一度、アートとZENに分解される必要がある。そして、科学、芸術、意識、の三つの柱を再確認する必要がある。ジョブズのアートを、「デザイン」と歪曲してはならないが、ここでは敢えて、デザインと言ってしまっていいのかもしれない。

 「仏教、とくに日本の禅宗はすばらしく美的だと僕は思う。なかでも、京都にあるたくさんの庭園がすばらしい。その文化がかもし出すものに深く心を動かされる。これは禅宗から来るものだ」(「スティーブ・ジョブズ」Ⅰ 208頁) p385

 56歳と7ヵ月の人生を走りきったスティーブ・ジョブズは、その可能性を十分発揮した。これ以上ないというくらい私たちの時代を象徴してくれた。しかし、まだ一歩ある。その人生を京都の寺院の庭園に執着するのでは、21世紀の地球人スピリットとは成り得ない。

 まず、情報革命が勃発した。次に今、フェイスブックとツイッターが宗教革命を起こしつつある。チェニジアに端を発し、エジプトに波及し、リビアのカダフィ大差を死に追いやった、いわゆるジャスミン革命である。同じく、フェイスブックとツイッターは、先進国の若者をも突き動かしている。 p393同上

 当ブログではまだまだ突っ込みがたらないが、2011年は、3・11とジョブズの死とならんで、「アラブの春」が重要な出来事であった。ここではジャスミン革命と表現されている。これらは、当ブログでいうところのマルチチュードのうごめきなのだが、ここにスピリチュアリティがどのように加わっていくのかが、21世紀の地球人スピリットの動向を握る鍵である。

 ジョブズの人生に禅や日本の美学が非常に大きな影響を与えていたことに驚いた。自分がなぜアップル製品に惹かれるのか、その理由が「魂が入った製品」だからということに思い至ったとき、「青い鳥」の物語ではないが、答えは身近なところにあったことに、ほっとしたような安堵感を覚えた。p397高木

 ここで著者は安堵してはいけない。ジョブズが日本の美学に惚れていたとしても、だからそれは日本人の「身近」なものであるなんていうのは欺瞞である。そもそも、それならば、日本の宗教界など、なんの変革も必要ない、ということになる。

 ジョブズは日本の庭園と表現したかもしれないが、それは舌足らずであり、自ら光明を得る前に何かに自分の心境を託したまでであって、本来、魂とは外的なものではない。自らの内側にこそ見つけられるべきものなのである。

 ジョブズは結局「モノ」づくりの天才のように扱われているが、客観芸術論から言えば、そのアートの作品は、自分自身でなくてはならない。注目すべきは、テクノロジーであり、デザインであるが、もっとも大事なのはそのスピリチュアリティである。

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2012/07/05

ありがとう、スティーブ CEOを退任したカリスマの流儀「残念ながら、その日がきた」 Mac Fan

Mc11
「ありがとう、スティーブ」 CEOを退任したカリスマの流儀 「残念ながら、その日がきた」
Mac Fan 2011年11月号 雑誌
Vol.3 No.0757★★★★★

 こちらも11月号だから、10月に亡くなったジョブズのことが書いてあるかと思ったが、月刊誌だから、それ以前の辞任の情報を元にした記事だった。マック派の牙城だけに、肯定的記事一色という雰囲気。

 その中でもまず気を引かれるのはニュースキャスターの木村太郎へのインタビュー記事。筋金入りのマック派と紹介はされているが、一時はマックを離れていたとのこと。そうだろうなぁ。

 そして、実の父親のコメント、というのもある。

 ニューヨークポストは「Dad waits for Jobs to iPhone」と題して、ジョブズの実の父親にインタビューを行っている。幼い頃にジョブズを養子に出した実父は「今はただ手遅れになる前に彼のほうから連絡がくるものとひたすら望みをつないでいる。せめて一度コーヒー一杯だけでも一緒にできたら、思い残すことはない」と語っている。p38「 実の父親のコメント」

 この実父の望みはかなうことはなかったと思われる。こういう生い立ちがあったればこそ、ジョブズの反逆のスピリットが育っていったのである。

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2012/07/04

スティーブ・ジョブズ 超人伝説 週刊ダイヤモンド

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「スティーブ・ジョブズ超人伝説」 スマホ完全理解
週刊ダイヤモンド2011年10月22日号  ダイヤモンド社
Vol.3 No.0756★★★☆☆

 同じビジネス雑誌でも、日経軍団とはどう違うだろうと、こちらの週刊ダイヤモンドを見てみることにした。タイトルが派手な割りには内容は薄く、おざなりな内容。孫正義のインタビュー記事が見開きページであるのが、違いといえば違い。

 スティーブと最後に会ったのは、今年(2011年)の3月にiPhone2が発表された後でした。体は弱っていましたが、「福島の状態はどうか。かわいそうだ。自分にできることがあればすぐに言ってくれ」と言っていました。p17 孫正義・談「芸術と技術を融合させた現代のダヴィンチ」

 2011年といえば、もう3・11に決まりなのだが、思えば、ジョブズの死もこの年の大きなトピックスになった。これに「アラブの春」を加えれば、2011年という年が見えてくるかも。

 あとはこの雑誌、「スマホ完全理解」のほうに移ってしまい、ジョブズのことなんか忘れてしまう。それでついつい一年遅れのスマホ情報を読みふけってしまったw

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2012/07/03

Meditation in the Marketplace<9> ジョブズのZENの、その向こう

<8>からつづく 

「Meditation In the Marketplace」 

<9>ジョブズのZENの、その向こう 

 高木利弘「ジョブズ伝説 アートとコンピュータを融合した男」 の中で、だいぶ、ジョブズの禅の全体像が見えてきた。そうして見ると、やはりこちらの三冊がそれぞれに重い一冊となってくる。

Zj

 もっとも、鈴木俊隆についてジョブズは、「ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ」のなかで「あいつか、いけ好かない奴だった」(p32)とののしっているから、必ずしも直接「禅マインド・ビギナーズ・マインド」にはつながってこない可能性もある。ジョブズ一流のポーズ、あるいは、禅流の直言癖であったとしても、まぁ、ここは割り引いて考えておく必要がある。

 あるいは日経おとなのoff 「『禅』の世界へ」(2012年6月号)のように、2005年のスタンフォード大学におけるスピーチをことごとく禅的に理解しようとするのは無理があるだろう。禅宗の名刹リストなど写真入りで紹介なんてのも噴飯ものだが、2010年ごろにジョブズは娘をつれて京都の寺めぐりをしていたというから、まぁ、ジョブズの禅のセンスそのものが、その程度だったのだろう。

 テーマ「Meditation in the Marketplace」として見据えた場合、これまでの流れで言えば、残ってくるのは、iPodと宮下富美夫そしてリズ・ダベンポ-トの「机の上はいらないモノが95% 世界一シンプルな整理法」という風になってきた。

<10>につづく

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ZEN OF STEVE JOBS <2> ケイレブ・メルビー/ジェス3

<1>からつづく 


「ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ」 <2>ZEN OF STEVE JOBS
ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズケイレブ・メルビー/ジェス3 集英社インターナショナル/集英社2012/02 単行本 87p

 この本、★2つの評価から、レインボー評価に変わった。これほどの変化も珍しい。高木利弘「ジョブズ伝説 アートとコンピュータを融合した男」 (三五館 2011/12)を読み進めていくうちに、細かいディティールがわかり、 ZEN OF STEVE JOBS というところに集中して一冊を作った、という意味がわかった。

 スティーブ、人生の意義は、完璧な物を作ることにあるのではない。アップルもiMacも、君自身にはなりえない。 p57

 これは2000年に曹洞宗の僧侶である乙川弘文が、カリフォルニアのアップル本社を尋ねたときに、ジョブズに言った言葉とされているが、史実かどうかは定かではない。

 しかしながら、この言葉は言い得ている。テクノロジーとリベラル・アーツが、いかに融合しようとも、人生の最終目的はそこにはない。そこにはiPhoneyやiPadが残ったかもしれないが、人生の最終的な意義ではない。

 若くして財と名声をなしたジョブズだったが、その私生活をメディアに叩かれることを嫌い、プライバシーはほとんど明かさなかったという。そもそも、その人の精神性など、他者にはほとんどわからない、触れられない領域であり、ジョブズがどのような意識の中で、人生を送ったのかは、余人が推し量ることなど、本当はできない。

 だから、あれこれ他人を詮索するよりも、自らを見直し、自らの中に安住の地を見つけること以外に道はないのだが、ここで、弘文老師にこうつぶやかせているのは卓見だと思う。

 

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特集 天才なきアップルを悩ます『神話』 ジョブズ、偶像と実像 ジョブズ神話とアップルの真価 ニューズウィーク日本版

Nw1026
「特集 天才なきアップルを悩ます『神話』」ジョブズ、偶像と実像 ジョブズ神話とアップルの真価

「ニューズウィーク日本版」 Newsweek Japan 2011/10/26号 阪急コミュニケーションズ発売日:2011年10月19日
Vol.3 No.0755★★★★☆

 9月7日号10月19日号に比較すれば、同じ特集とは言え、内容は薄く、やや批判的な内容を含んでいる。とは言え、妥当な内容で、ともすると、知らず知らずにジョブズの「現実歪曲ゾーン」に足を踏み入れている頭を冷やしてくれる指摘が多い。

 確かにiPhoneやiPadは素敵な製品であるのだが、いちユーザーとして見た場合、私の場合は不都合がいろいろある。それは他社製品も同じことなのだが、アップルの商品だから完璧だなんてことはあり得ない。

 だが、ついつい礼賛が素晴らしいので、ひょっとするとこれは自分が間違ってるかも、と思い始めたりするから、やはりジョブズのオーラはすごかったと、言えるのだろう。

 実は、長いことジョブズの存在は知っていた。もちろんマックも知っていた。そして、いろいろ検討して、結局私はマック派にはならなかった。つまり、私向きではない。マックでなくても、他の商品のほうが私にはフィットしていた。

 しかし、今後はどうかはわからない。こうしてジョブズを追っかけてみて、たしかに愛すべき存在であったということはわかった。偉大であったということは分かった。しかし、もし彼が存在しなくても、いずれは誰かがその商品を生み出したことだろう。

 むしろ注目すべきは、彼の人生そのものだろう。アップルというブランドを生み出し、若くして巨万の富を得た。そして、それを投資しながら、一生涯、創造的な人生目標を失なわなかった。驚異的なことである。

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隅田川のエジソン 坂口恭平


「隅田川のエジソン」 
坂口恭平 2008/04 幻冬舎 単行本  254p
Vol.3 No.0754★☆☆☆☆

 やっぱりまともには読めなかった。なんの因果か坂口恭平の本をこれで全6冊ひととおりめくった筈だが、順序をバラバラに読んだので、最後となったこの本のネタはすべてばれていた。

 この本の特徴と言えば、全部小説仕立てで、小松左京の「日本アパッチ族」を思い出さないわけではないが、あれほど志が高くない。また「墨田川のディオゲネス」と読み換えてみたが、こちらも、やっぱり無理は無理。

 この本、幻冬舎からこの春に文庫化されたということだから、それなりに小説や漫画としてなら面白かろうが、事実に基づいて、著者が脚色しているのだから、完全にリアリティを失っている。執筆意図がわからない。あるいは不純である。

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新刊本2007年下半期ベスト10 
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当ブログが読んだ本ワースト10 エントリー1000記念

 

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曼荼羅agarta-david 2008
曼荼羅Journal of Earth Spirit 両部 2008 
曼荼羅マルチチュード関連リスト2008
曼荼羅地球人スピリット・ジャーナル2007
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0点主主義 新しい知的生産の技術 荒俣宏


「0点主主義」 新しい知的生産の技術
荒俣宏 2012/05 講談社 単行本 254p
Vol.3 No.0753★☆☆☆☆

 新刊リストの中にこの人の名前を見つけたので、とりあえずリクエスト。2週間手元にあったのに、なかなか読む気にならなかった。なんどかパラパラめくったのだが、どうもすすまない。面白くないわけではないのだろうが、どうも続かない。

 そもそも、今回この0点主義というタイトルの中の0の部分に惹かれたせいもある。坂口恭平の「0円ハウス」 の0に通じるところがあるかな、くらいの気分ではあった。あるいは、ZENの一円相に通じる何かが発見できるかもと思った。でも、それはすこしこちらの思い入れが強すぎたようだ。

 そもそも、私は0点主義ではない。生涯で0点をとったのは2回あると思う。最初は小学3年の時。早くテストを書き終えてしまった場合、椅子の下に答案をおいて、あとは机の上でなにをしていてもいい、というル―ルがあった。

 その時も早く書き終えたので、そうしたのであったが、答案の回収の時になって、私の答案が紛失していた。近くの誰かが何かの方法で隠してしまったのだが、結局でてこなかった。この時の学期末のその学科は採点がCだった。まさに0点である。

 2回目は、中学校3年の模擬試験の時。一度0点を取ってみたいと思っていた私は、友人に予告して白紙で提出した。みごと0点だったが、学校の成績には影響がないことを確認の上でのことだった。それでも勇気は必要だったな。

 その後、何度もテストを受けて、たくさん不合格にはなったが、まず0点を取るのは難しい。何問かはサービス問題があるし、そもそも選択肢を選べば確率的にまったくはずすこともかなり難しい。

 私は60点合格主義である。現在使っている仕事上の資格テストでも、学科と実技で、61点、63点という自己採点だったものがある。でも、合格は合格だ。100点満点の人たちと同じ合格であることにかわりはない。子供たちもそのように育ててきた。しかし、その60点を取ることも難しい時もある。

 荒俣宏という人は、当ブログにおいても積極的に追っかけるべきだと思うのだが、ちっともそのチャンスはやってこない。多分やらないで終わるのだろう。どこかで、この人のインテリジェンスと、当ブログのスピリチュアリティがすれ違っている。

 この人の本は当ブログとしてはほとんど読んでいないと思っていたが、何冊かはめくっているようだ。この際だからリストを作っておく。

荒俣宏関連リスト

「世界神秘学事典」 荒俣編集 1981/11 平河出版社

「神秘学オデッセイ」高橋巌との対談 1982/12 平河出版 

「コリン・ウィルソンの『来世体験』」人間は死後も存在しつづけるのか コリン・ウィルソン 荒俣監修・解説 1991/3 三笠書房

「黒魔術の帝国」第二次世界大戦はオカルト戦争だった マイケル・フィッツジェラルド 荒俣監訳 1992/6 

「〈図説〉オカルト全書」 オーエン・S・ラクレフ 荒俣監修 1997/12 原書房

「0点主主義」 新しい知的生産の技術 2012/05 講談社

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2012/07/02

ジョブズ伝説 <1>  アートとコンピュータを融合した男 高木利弘


「ジョブズ伝説」アートとコンピュータを融合した男 <1>
高木利弘 三五館 : 2011/12 単行本 397p
Vol.3 No.0752

 著者は1955年生まれの日本人。日本最初のMac専門誌「MACワールド日本版」を1986年に創刊したというから、1986年という、ジョブズがアップルから追放された年であることが気にはなるが、根っからのMacファン、あるいは理解者と受け取っていいのだろう。

「スティーブ・ジョブズ1,2」ウォルター・アイザックソン 2011/10 講談社
「スティーブ・ジョブズ 偶像復活」 ジェフリー・ヤング他 2005/11 東洋経済社
「アップルを創った怪物」スティーブ・ウォズニアック 2008/11ダイヤモンド社
「スティーブ・ジョブズの再臨」アラン・デウッチマン 2001/02 毎日コミュニケーションズ
「ジョブズ・ウェイ」ジェイ・エリオット他 2011/08 ソフトバンククリエイティブ
 巻末のリスト参照

 などを随所に読み比べており、その「伝説」のゆらぎを訂正しながらも、より全体像としてのジョブズの実像に迫る。上記のいずれの本も読んでいない当ブログとしては、今後これらの本に手をだすかどうか(アイザックソンは予約済みだが数カ月先)は決定していないが、要点のダイジェストが書いてあるので、助かる。

 「アートとコンピュータを融合した男」というサブタイトルも気にいらないわけではないが、当ブログとしては、ここにZENのニュアンスも盛り込んで欲しかったと思う。もちろん、これまで読んで来た中では、その面もかなり突っ込んだ記述が多い。

 自分は母親から捨てられた。自分はいなくてもいい存在だった。
 ジョブズは、そのことに深く傷ついた。そして癒すに癒せない傷を抱えて、ジョブズは強烈な「自分探し」の旅を続ける。ここでいう「旅」とは、実際にインドを数カ月間放浪するほどの旅をするということでもあり、座禅を組み、瞑想を通じて思索の旅を続けるということでもある。
p35「ジョブズの誕生」

 さっきディズニーに「ルイスと未来泥棒」というCGアニメがあることを知った。ピクサーとのM&Aがらみの2007年に発表されたものだが、どのような裏舞台があったのか知らないが、孤児院にすてられたルイスが、ガラクタ発明家となって、母を探しに行く、というストーリーのようだが、どうもこれはジョブズのことをかなり意識して創られた作品ではないだろうか。

 ヒッピーたちは、この別称を逆手にとり、自らをヒッピーと名乗ることで、米国の伝統的な社会制度への反発をアピールし、個人の魂の解放や自然への回帰を提唱した。

 そして、自然にとけ込み、自らを自然の一部と考える東洋思想や神秘主義にあこがれ、禅や瞑想に理想を求めた。

 さらに、LSDやマリファナといった薬物の使用を、意識の高揚や覚醒、悟りをもたらすものとして肯定し、とりわけLSDのことを「インスタント禅」と呼んで盛んに使用した。

 LSDを「インスタント禅」と呼ぶといったあたり、日本人のわれわれがイメージする「禅」とはだいぶ隔たりがあるが、LSDは、米国では1960年初頭くらいまで精神療法の治療薬と考えられており、薬局で普通に購入することができた。1968年にドラッグ乱用規制習性条項が修正され、完全に禁止されるまで、LSDはヒッピー・ムーブメントにとっての極めて重要な反戦、反体制のシンボルだったのである。

 そして、当時高校生だったジョブズは、そうした時代の雰囲気に敏感に反応し、髪を肩まで伸ばし、マリファナを吸い、高校へはほとんど行かなくなった。その代わり、ウォズが在籍していたUCバークレーには、車を飛ばして週に2,3回は通い、ブルー・ボックス「バークレー・ブルー」を売ってはい小遣いを稼ぎ、ということをやっていたのである。p49「UCバークレーとヒッピー・ムーブメント」

 時代背景があったとは言え、ジョブズが早熟な子供であったことは間違いない。

 ジョブズの場合、レノンのような政治的発言は一切していないが、リード・カレッジでリベラル・アーツを専攻し、、導師の教えを請いにインド旅行をし、ロスアルトスの禅センターで禅僧コーブン・チノ(乙川弘文/旧姓、知野弘文)に出会って、ようやく生涯の師を得る。そして、同じく菜食主義を生涯貫く。p53「ビートルズの影響」

 ジョブズがインドを数カ月回ったのは1974年4月以降のこととされているから、Oshoがプーナに引っ越したのと同時のことだった。この当時まだジョブズの耳にはOshoのことは届いていなかっただろうが、後年1982年には、ジョブズに縁の深いオレゴンにOshoコミューンができるのだから、どこかにジョブズがこの件に触れているものがあるかもしれない。

 1960年代以降、学生たちの間では「リード・カレッジ」はおおっぴらにドラッグを使用できる大学」というもっぱらの噂である。(中略)
 「そのころ注目を集めはじめた東洋の神秘主義に興味をひかれたんだ。リードには、ティモシー・リアリーやリチャード・アルパートからゲアリー・スナイダーなど、さまざまな人が訪ねてきていたよ」 「スティーブ・ジョブズ 偶像復活」39頁) p55「リード・カレッジ」

 この部分は孫引きになってしまったが、これはやはり元本を読みたいな、と思ってきた。

 ゲアリー・スナイダーは20世紀の米国を代表する詩人であり、環境保護運動家でもある。
 代表作の詩集「亀の島」はピューリッツアー賞を受賞。日本に来て、臨済宗を学んだり、宮沢賢治の誌の翻訳をしたりといった活動もしている。

 ジョブズがリード・カレッジに求めたのは、リアリーやスナイダーのような高度なインテリジェンスとの出会いであり、実際それは達成されたのだが、普通の授業に出て勉強するといったことには興味がなく、前期の成績はさんざんなものであった。p55同上

 ここに来てようやく、ジョブズと当ブログの接点に深みが増し始めた。ゲーリー・スナイダーは3・11後一番最初に当ブログが再読し始めたものだし、宮沢賢治も、いまや日本を代表する世界的詩人となった。

 コトケの証言。
 「スティーブは禅と深くかかわり、大きな影響を受けています。ぎりぎりまでそぎ落としてミニマリスト的な美を追求するのも、激しく絞り込んでゆく集中力も、皆、禅から来るものなのです」

 ジョブズはまた、直感や洞察を重視する仏教の教えにも強い影響を受け、
「抽象的思考や論理的分析よりも直感的な理解や意識のほうが重要だと、このころに気づいたんだ」
 とのちに語っている。ただ気性が激しかったために、解脱して涅槃にいたることはできなかった。禅を追究したが、心の安寧も得られなかったし、他人に対する姿勢が和らぐこともなかったのだ。 「「スティーブ・ジョブズ」Ⅰ、74頁)
 p60「大学を中退して学んだこと」

 コトケとは、一緒にインドを旅している。「解脱して涅槃にいたることもなく、禅を追究したが、心の安寧も得られなかった」とするのは、それこそ解脱していない第三者から見て判断できることではないが、たしかにこの辺については、もうすこし細かなレポートが欲しい。

 あまり知られていないことであるが、ジョブズの人格や経営スタイルには、禅が大きな影響を与えている。
 「スティーブ・ジョブズ 偶像復活」の序文「日本語版の読者へ」には、こう書かれている。
 

 日本で生まれカリフォルニア州北部に移り住んだ導師(グル)のもとで、スティーブ・ジョブズあ、成人したころからずっと禅宗を学んできました。このため、スティーブの正確も経営スタイルも禅宗の影響を強くうけています。 

 スティーブの言動は飛躍が多いのですが、これは、禅問答で導師がよく用いるスタイルであり、禅の世界で喜ばれている形式でもあります。スティーブがまた長年にわたり座禅を熱心におこなっており、今も、土曜日の朝には、その週のできごとを1時間にわたって瞑想しつつ振り返っています。p69「禅師、乙川弘文との出会い」

 はて、その週のできごとを振り返るのが「禅」なのかどうかは定かではないが、少なくともこの本のでた2005年にも、その習慣は続いていたようだ。

 乙川(知野)弘文は、1991年の段階ではジョブズの結婚式を司っているが、2002年にスイスでなくなっている。

 ジョブズはまず鈴木俊隆の本と出会って感銘を受け、鈴木が開いたロスアルトス禅センターを訪ね、そこで乙川弘文と出会った。それは1975年のころであった。p71「禅師、乙川弘文との出会い」

 1975年。懐かしい。「ミルキーウェイ・キャラバン」が日本でネットワークを組み始めていたころ、ジョブズはこの辺にいたのだ。

 束縛されるものもなく歯に衣を着せない人物、森羅万象という混沌に道理を見い出す法要や心の奥底に棲みついた疑問の回答を見い出す方法を探していた人物にとって、禅宗は魅力的だった。

 内観・内省を重視するということは、だれにも指導してもらう必要がなく、スティーブのようなうぬぼれの強い若者にはぴったりなのだ。禅は、直観力と内なる力を高めて、合理的・分析的な思考に対抗する。この点も、きちんとした教育をうけていない若者には大きな魅力だった。

 禅はまた、神秘的であり、大命題を取りあつかう。「旅こそが報い」といった禅の公案も、スティーブの真理観に訴えるものだった。スティーブは、コーブン・チノを師と仰いで禅宗に傾倒していった。(「スティーブ・ジョブズ 偶像復活」56~57頁)」p72同上

 旅こそが報い、とは、どこかに目標があるわけではなく、変化し続けることこそが真理なのだ、という英語的ZEN理解の禅語のひとつであるようだ。

 ジョブズは、1976年4月にアップルコンピュータを設立してすぐのころ、乙川弘文に「アップルを辞めて日本の禅寺に入ろうかと思っている」という相談をしちる。

 チノ師は、彼の抱えているジレンマをおもしろがり、ブロークン・イングリッシュで、結局、事業も座禅をすることも同じだということがやがてわかるだろうから、事業をつづけたほうがよいと勧めた。

 ジョブズはさらに考え、悩みつづけたが、「アップルのほうに夢中になりそうな気がしていたんだ。日本行きを断念するのは、ほんとうにたいへんな決断だった。一度行ったら二度と戻ってこないのではないか、という不安もあった」と語る。(「スティーブ・ジョブズの王国」208頁)p72同上

 おお、ここまで来ると、もはや「アートとコンピュータと禅を融合した男」くらいのサブタイトルがついてもよさそうなものだとは思う。

<2>につづく

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レミーのおいしいレストラン ディズニー/ピクサー


「レミーのおいしいレストラン」
ルー・ロマーノ(Lou Romano)/パットン・オズワルト(Patton Oswalt)/イアン・ホルム(Ian Holm) ブラッド・バード(Brad Bird) : 2011/07 ウォルト・ディズニー・ジャパン ポニーキャニオン DVD 112分
Vol.3 No.0751★★★☆☆

 ジョブズ追っかけの中で、ジョブズが深くかかわったとされるコンピュータ・グラフィック製作会社ピクサーの一連の作品を見てみることにした。作品自体は面白くないことはないが、ディズニー作品としてみたなら、それほど評価は高くならないように思う。

 ただここまで見てくると、映画アニメーションはCGが当たり前で、いまさら一枚一枚手書きで作っていくなんてことは「時代おくれ」ではないか、と思わせてしまう。とにかくCGを意識させないできあがり。

 さて、この作品にかかわるジョブズのことだが、すでに2008年の作品でもあり、いくら元ピクサーのCEOで、ディズニーの個人筆頭株主とはいえ、ひとつひとつの作品にあれこれ言ってはいないのではないか。

 こういう作品群がでてくる素地つくりには関わったのだろうが、直接この作品とジョブズを重ねて考えることはできない。

 ストーリーとしては、まずはエンターテイメントであり、細かいことは言いたくないが、ねずみが有名レストランのシェフになるという、かなり無理があり、全体としてはかなりリアリティがない。

 これだけのCG技術を使うなら、もっとリアリティがあって、魂を揺さぶるような作品に仕上がってくれるといいのに、と思う。

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2012/07/01

完全保存版 ジョブズ、天才の軌跡 ニューズウィーク日本版

Nw2
「完全保存版ジョブズ、天才の軌跡」
「ニューズウィーク日本版」 Newsweek Japan 2011/10/19号 阪急コミュニケーションズ発売日:2011年10月12日
Vol.3 No.0750★★★★★

前回の辞任劇についで、こちらはその死亡を伝える内容。とはいうものの、編集の日程が少なかったためか、ジョブズの全体の業績をたたえる内容となっており、今までの内容を総まとめしたような内容。

 iPhoneやiPadを絶賛するような内容だが、ロン・ローゼンボムの「アップルの原点となった40年前の私の記事」に多少救われた気分になった。

 私がiBookを手放す気になれないのは、デザインが気に入っているからではない。長年なじんだマシンに特別な愛着を持つようになったからだ。生き物を愛するようにマシンを愛してしまったのだ。p44「iBookを手放せない」

 著者は1971年10月号の「エクスァイア」誌に、キャプテン・クランチの記事を書いた作家だ。その記事をウォズニアックが読み、ジョブズに見せ、それを真似て二人は無料電話装置「ブルーボックス」を作ったのだった。彼らの最初の「ビジネス」だ。

 そもそもが、カウンターカルチャーの中で作られたひとつの共同幻想としての「パソコン」は、せいぜいiBookどまりだったのではないか。20世紀の最後に生まれたこのマシンですべては完結したのだろう。

 ぼろぼろの縫いぐるみと同じく、私たちのiBookもガタが来ている。何らかのタスクをこなすために(あるいはタスクをこなすことを拒否して)、ピーチボールのような小さなマークが画面上でぐるぐる回るのを眺めることに、私はすっかり慣れてしまった。

 私のマシンはYoutubeの動画を見ようとするだけでクラッシュする。さまざまなアプリケーションをバージョンアップしようとすると、「システム要件」を満たしていないという表示がでる。ではOSをバージョンアップするかと考えると、バージョンの進んだOSをインストールするための要件を満たしていないと言われてしまう。

 文字がかすれてきたキーボードをどうするかも、私と彼女の共通の悩みだ。彼女は小まめにキートップを交換しているが、年を追うごとにキ―のホワイトのキ―が並んだチェカー盤のようになっている。

 彼女のiBookに合うキートップが製造中止になってからは、キーの上に文字を書いた紙を張っているという。

 私はキートップを取っ払い、その下にある出っ張った部分を押している(ちゃんと使える)。p44 同上

 それから始まるiPodやiPhone、iPadはもうカウンーカルチャーの流れを汲むものではない。もっと未来志向のなにかだ。旧世代の「私たち」はそろそろ引退すべきなのではないか。

 スティーブ・ジョブズは、自らの寿命を知り、56歳と7ヶ月でこの世を去った。それは潔い生き様だったともいえる。

 なお、65ページ以降には、ジョブズが関与したピクサーの作品リストが載っている。どこまでジョブズが関与したのかわからないが、リストを作っておく。図書館からどれだけ借りてみることができるだろうか。

ピクサー関連リスト

「トイ・ストーリー」1995
「バグズ・ライフ」1998
「トイ・ストーリー2」1999
「モンスターズ・インク」2001
「ファインディング・ニモ」2003
「Mr.インクレディブル」2004
「カーズ」2006
「レミーのおいしいレストラン」2007
「ルイスと未来泥棒」2007 
「ウォーリー」
2008
「カールじいさんの空飛ぶ家」2009
「トイ・ストーリー3」2010
「カーズ2」2011

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