プロメテウスの罠2 検証!福島原発事故の真実 朝日新聞社
「プロメテウスの罠2」検証!福島原発事故の真実
朝日新聞社 2012/07 学研パブリッシング 学研マーケティング 単行本 277p
Vol.3 No.0776★★★☆☆
ちょっと前からこの本が目の前にあるのに、なんだか読み気がしない。新聞の連載記事も読んだし、<1>も読んだ。だから、さて、と勢い込むと思っていたが、なんだか意欲が湧かない。なんでなんだろう。
原発関連の本もそれなりにめくってきた。放射線の問題もそれなりに考えてみた。知りたい、何とかしなけりゃ、と思っているうちは、それなりに読書意欲もあった。
だが、ここに来て、どうもこの手の本にはゲンナリするようになった。誰が悪人で、誰が善人か、なんて区別する気はないけれど、今となっては善人ぶっている人間が多すぎる。
このマスメディアでさえ、いまさらここでこんな風に「善人」ぶるなら、もっともっと、もっともっともっと昔から、義を見てせざるは勇なきなり、という心情にならなかったのか。後だしじゃんけんで、私は悪くない、と逃げる御仁ばかり。
今、私はこの本を読むべきではない。読めるタイミングではない。私の後には何十人の待機リストがある。読みたい人に先に読んでもらおう。
私は第三者ぶって、この本をのんびり読む気分には当面なれそうにない。別に原発に加担してきたつもりもないが、率先して反原発を唱えてきたわけでもない。
しかしなぁ、自明の理として、原発はいけないよ、というのは、最初の最初からわかっていたのではないだろうか。わかっていながら、なぜにこの「悪」に手を染めなくてはならなくなったのだろう。
一番は、人口増加にあるのではないか。人間が多すぎるのだ。人間が、自然から与えられるもので十分まかなえてきたのに、増えに増えてしまったから、それを維持するために、自然界にないエネルギーが必要となってしまったのだ。
エネルギーをまかなうために原発を増加させるのではなく、原発がいらないように人間が自粛するしかないのだ。そのためには、人口を減らすしかない。なぜにそれほど人間は増加するのだろう。なんのために?
一人ひとりの人間が、生きる目的もはっきりしないまま、ただただ数だけは増やし続けている。ここにエネルギーの問題があり、原発の問題がある。
原発問題だけをいじっても、結局は、根本解決にはならない。すくなくとも私は原発を、単独の話題とすることができない。根本的になにかが間違ってしまった。
それを気付かせてくれているのが、今回の3・11だろうし、原発問題だ。推進とか脱とかの話ではないだろう。なんとかするしかない。
屋敷林の枯れ枝をゴミ収集車が集めてゴミ集積所に運び、風呂は中東から運んできた化石燃料で沸かしている。これって絶対おかしい。燃料はすぐ傍にあるのに使えない世の中のシステムになっている。
このまま行っても人類は破滅する。少なくとも、人類は自重し、限りなく人口減少へとシフトして、謙虚に、この地球上で生きていく道を探るべきなのだ。
なにも過去へ戻れというつもりはない。新しき希望ある未来へと向かうために、いまこそ縮小過程にはいり、適正規模へとシフトダウンすべき時が来ているのだ。
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