アップルを創った怪物 もうひとりの創業者スティ-ブ・ウォズニアック自伝
「アップルを創った怪物」もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝
スティ-ブ・ウォズニアック井口耕二 2008/11ダイヤモンド社 単行本 453p
Vol.3 No.0766★★★★★
ジョブズ追っかけだけをしていたのでは、やはり本質を見極めることはできない。ジョブズより5歳上の、もうひとりの創業者ウォズニアックからみたら、こうなる。必ずしもジョブズの批判をしているわけでもないし、新たなる視点を加えているわけではない。当然そうだっただろうということの確認なのだが、やはり世に伝わる誤解は解いておかなくてはならない。
ジョブズについてはテクノロジーとアートを融合した男という評価が高いが、もともとのアップルⅠ、アップルⅡからして、こちらのウォズニアックからしてみれば、自分が創ったものだ、という自負が強い。この自伝を読んでみれば、それは当然だ、と理解できる。
「ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した」 という評価はどこまで正しいかは定かではないが、少なくとも初期にアップルⅠ・アップルⅡを「発明」したのはウォズニアックだろう。少なくともテクノロジー的には、そうであると思える。
この自伝は、自分がインタビューに答える形でライターがまとめたものであり、キチンと書かれているようでもあるし、ある所はきれいに整理されて提示されているようでもあり、こちらもまた単体では確認しようがないところもあるが、少なくともジョブズ側からの一方的な記述だけでは、アップルの総体は把握できない。
飛行機事故を体験後、アップルから最低給料をもらいつつ業務から離れたあとのウォズが3回結婚したり、80年代に始めてウッドストックの映画を見て、それを自分でやりたいと、2回もビッグコンサートを開いたのは痛快である。へ~そういうこともあったのか、という思い。82年83年のことだから、オレゴンのラジニーシプーラムの時代ともろに重なっている。
2回離婚し、3回結婚したということだから、まぁ忙しいものだなぁと思う。使いきれないほどの金がある、というのは、余人から見た場合、やはり理解不能だ。汲々として日々を送る人びととはまるで違った人生を送ったことになる。
この自伝はウォズニアック55歳の時(2006年)の出版である。ジョブズが亡くなったあとの心境なども聞いてみたいところだが、この論調で行けば、大きく変わることはないだろう。
とにかく、こういう人生だったのだ。
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