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2012/07/01

完全保存版 ジョブズ、天才の軌跡 ニューズウィーク日本版

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「完全保存版ジョブズ、天才の軌跡」
「ニューズウィーク日本版」 Newsweek Japan 2011/10/19号 阪急コミュニケーションズ発売日:2011年10月12日
Vol.3 No.0750★★★★★

前回の辞任劇についで、こちらはその死亡を伝える内容。とはいうものの、編集の日程が少なかったためか、ジョブズの全体の業績をたたえる内容となっており、今までの内容を総まとめしたような内容。

 iPhoneやiPadを絶賛するような内容だが、ロン・ローゼンボムの「アップルの原点となった40年前の私の記事」に多少救われた気分になった。

 私がiBookを手放す気になれないのは、デザインが気に入っているからではない。長年なじんだマシンに特別な愛着を持つようになったからだ。生き物を愛するようにマシンを愛してしまったのだ。p44「iBookを手放せない」

 著者は1971年10月号の「エクスァイア」誌に、キャプテン・クランチの記事を書いた作家だ。その記事をウォズニアックが読み、ジョブズに見せ、それを真似て二人は無料電話装置「ブルーボックス」を作ったのだった。彼らの最初の「ビジネス」だ。

 そもそもが、カウンターカルチャーの中で作られたひとつの共同幻想としての「パソコン」は、せいぜいiBookどまりだったのではないか。20世紀の最後に生まれたこのマシンですべては完結したのだろう。

 ぼろぼろの縫いぐるみと同じく、私たちのiBookもガタが来ている。何らかのタスクをこなすために(あるいはタスクをこなすことを拒否して)、ピーチボールのような小さなマークが画面上でぐるぐる回るのを眺めることに、私はすっかり慣れてしまった。

 私のマシンはYoutubeの動画を見ようとするだけでクラッシュする。さまざまなアプリケーションをバージョンアップしようとすると、「システム要件」を満たしていないという表示がでる。ではOSをバージョンアップするかと考えると、バージョンの進んだOSをインストールするための要件を満たしていないと言われてしまう。

 文字がかすれてきたキーボードをどうするかも、私と彼女の共通の悩みだ。彼女は小まめにキートップを交換しているが、年を追うごとにキ―のホワイトのキ―が並んだチェカー盤のようになっている。

 彼女のiBookに合うキートップが製造中止になってからは、キーの上に文字を書いた紙を張っているという。

 私はキートップを取っ払い、その下にある出っ張った部分を押している(ちゃんと使える)。p44 同上

 それから始まるiPodやiPhone、iPadはもうカウンーカルチャーの流れを汲むものではない。もっと未来志向のなにかだ。旧世代の「私たち」はそろそろ引退すべきなのではないか。

 スティーブ・ジョブズは、自らの寿命を知り、56歳と7ヶ月でこの世を去った。それは潔い生き様だったともいえる。

 なお、65ページ以降には、ジョブズが関与したピクサーの作品リストが載っている。どこまでジョブズが関与したのかわからないが、リストを作っておく。図書館からどれだけ借りてみることができるだろうか。

ピクサー関連リスト

「トイ・ストーリー」1995
「バグズ・ライフ」1998
「トイ・ストーリー2」1999
「モンスターズ・インク」2001
「ファインディング・ニモ」2003
「Mr.インクレディブル」2004
「カーズ」2006
「レミーのおいしいレストラン」2007
「ルイスと未来泥棒」2007 
「ウォーリー」
2008
「カールじいさんの空飛ぶ家」2009
「トイ・ストーリー3」2010
「カーズ2」2011

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