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2012/07/03

ZEN OF STEVE JOBS <2> ケイレブ・メルビー/ジェス3

<1>からつづく 


「ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズ」 <2>ZEN OF STEVE JOBS
ゼン・オブ・スティーブ・ジョブズケイレブ・メルビー/ジェス3 集英社インターナショナル/集英社2012/02 単行本 87p

 この本、★2つの評価から、レインボー評価に変わった。これほどの変化も珍しい。高木利弘「ジョブズ伝説 アートとコンピュータを融合した男」 (三五館 2011/12)を読み進めていくうちに、細かいディティールがわかり、 ZEN OF STEVE JOBS というところに集中して一冊を作った、という意味がわかった。

 スティーブ、人生の意義は、完璧な物を作ることにあるのではない。アップルもiMacも、君自身にはなりえない。 p57

 これは2000年に曹洞宗の僧侶である乙川弘文が、カリフォルニアのアップル本社を尋ねたときに、ジョブズに言った言葉とされているが、史実かどうかは定かではない。

 しかしながら、この言葉は言い得ている。テクノロジーとリベラル・アーツが、いかに融合しようとも、人生の最終目的はそこにはない。そこにはiPhoneyやiPadが残ったかもしれないが、人生の最終的な意義ではない。

 若くして財と名声をなしたジョブズだったが、その私生活をメディアに叩かれることを嫌い、プライバシーはほとんど明かさなかったという。そもそも、その人の精神性など、他者にはほとんどわからない、触れられない領域であり、ジョブズがどのような意識の中で、人生を送ったのかは、余人が推し量ることなど、本当はできない。

 だから、あれこれ他人を詮索するよりも、自らを見直し、自らの中に安住の地を見つけること以外に道はないのだが、ここで、弘文老師にこうつぶやかせているのは卓見だと思う。

 

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