原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし 「子どもから大人まで、原発と放射能を考える」副読本 野村保子 クレヨンハウス
「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」 「子どもから大人まで、原発と放射能を考える」副読本
小出裕章/野村保子 2012/04
クレヨンハウス 単行本
111p
Vol.3 No.0785★★★★★
小出裕章関連リスト
「隠される原子力・核の真実」 原子力の専門家が原発に反対するわけ 2010/12 八月書館
「原発はいらない」 2011/07 幻冬舎ルネッサンス
「小出裕章が答える原発と放射能」 2011/09 河出書房新社
「3.11から始まったこと」 ~東京電力福島第一原子力発電所原発震災を生きる私たちへの提言~ 小出裕章講演会 2011/8/5 ハーネル仙台
「原発のない世界へ」 2011/9 筑摩書房
「原子力村の大罪」 西尾幹二・他と共著 2011/09 ベストセラーズ
「原発ゼロ世界へ」 ぜんぶなくす 2012/01 エイシア出版
「原発のないふるさとを」土井淑平と共著 2012/02 批評社
「騙されたあなたにも責任がある 脱原発の真実」 2012/04 幻冬舎
「原発に反対しながら研究をつづける小出裕章さんのおはなし」子どもから大人まで、原発と放射能を考える副読本 野村保子 2012/04 クレヨンハウス
「福島原発事故 原発を今後どうすべきか」 2012/04 河合ブックレット
「日本のエネルギー、これからどうすればいいの?」 中学生の質問箱 2012/05 平凡社
「『最悪』」の核施設 六ヶ所再処理工場」渡辺満久・明石昇二郎との共著 2012/08 集英社
「この国は原発事故から何を学んだのか」 2012/09 幻冬舎ルネッサンス
「原発事故と農の復興」 避難すれば、それですむのか?!共著 有機農業技術会議 2013/03 コモンズ刊
「アウト・オブ・コントロール」 福島原発事故のあまりに苛酷な現実 大人はもういい 子どもたちの未来のために 何ができるのか? 高野孟との共著 2014/1 花伝社
「100年後の人々へ」2014/02 集英社
「愚者が訊く」倉本聰+ 林原博光 「なぜ日本人は”原発の嘘”を信じたのか?小出裕章」収録 2014/05 双葉社
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1)この本もまた、実に分かりやすい。クレヨンハウスとは何者か私は知らないが、以前に読んだ『3・11からの子育て 「知らなかった」から半歩前へ』(月刊クーヨン増刊 2011/12)がとても気持ちよかった。落合恵子の名前が見え隠れするので、彼女が活躍している出版社や活動体なのだろう。
2)そもそも小出氏の話は実に分かりやすいが、本当はとてもむずかしい話。それを簡単に話してくれるのは、徹底的に原発と40年以上も取り組んできた人だからこそできること。その人が、子供向けに語る、という趣向。
3)原発を推進するひとたち、国と電力会社は、二酸化炭素を減らすために二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギー、原発をつくろう、といい続けてきたのです。
はたして「地球温暖化」は、原発で止められるでしょうか?p78「原発のウソとホント」
4)いわゆる環境保護運動家たちのなかでも、ジェームズ・ラブロックとかスチュアート・ブランドといった人々でも、この地球温暖化を理由に、いわゆる推進派に転向してしまった人々もいる。彼らの論拠と氏の論拠、どちらが正しくて、どちらが本当に説得力があるだろうか。
5)原発が二酸化炭素を出さないというのはまちがいです。
なにより、原発は死の灰を生み出します。死の灰は消えることなく、あなたたちの未来やその子どもの未来、さらに計ることのできない遠い未来までいのちを傷つけ続けます。p78同上
6)国や産業、権力や民族と言った事柄にこだわる人たちは、どちらかというと推進派に多い。でも、地球人一人ひとりを大事にし、命を第一に考える人々は、原発を許すことはできない。
7)わたしは、この本の中でも書かれているように、フクシマ原発事故を防げなかったことをことばに尽くせぬほど無念に思いますし、放射能で汚してしまった世界をみなさんに残していくことをおわびします。
それでも原子力の場に長くいた人間として、わたしにできること、わたしにしかできないことがあります。たった一度しか生きられないいのですので、わたしはわたしの個性を活かして残りの人生を生きようと思います。
そして、みなさんもたった一度しか生きられないいのちを、自分の個性を伸ばして、輝いて生きていってくれることを願います。
もし、一人ひとりの個性が活かせる社会がくるなら、原子力などすぐになくせるだろうとわたしは確信します。p109「あとがき」
8)3・11後、たくさんの情報があふれ、たくさんの本も出版されているが、それらを読んでみるのなら、氏の本を外すことはできない。今後も読み進めたいが、ここでリストを作っておこう。
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