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2012/09/01

原発再稼働 最後の条件 「福島第一」事故検証プロジェクト最終報告書 大前研一


「原発再稼働 最後の条件」 「福島第一」事故検証プロジェクト最終報告書
大前研一 2012/07 小学館 単行本 175p
Vol.3 No.0791★☆☆☆☆  ( ̄◆ ̄;) 

1)おやおや、当ブログにこのような著者をお迎えするとは思いもよらなかった。なにはともあれ、書店店頭に平積みされ、図書館にも新刊書として入荷した限りは目を通しておこう。

2)なかでも、最も重大な過ちは「格納容器」の”安全神話”です。これはかつて日立製作所で高速増殖炉の炉心設計を行っていた私にとっても、一番ショッキングな反省事項です。p11「崩壊した格納容器の”安全神話”」

3)「かつて私は~~~」のフレーズはあちこちにある。反省している人がほとんどなのだが、この人は、そのような仕事に携わっていたことを今だに誇りに思っているようだ。

4)技術的なこととか、理論的なこととか、そのようなことは、どんな分野であれ、その専門的な人たちが責任もってやればいい。私のような一般人があれこれいうことではない。ただ、今回の原発事故はたまたま起きてしまった、ということではない。必ず起こるのであり、そして、その危険性は最初の最初から分かっていたことなのだ。

5)このような事実を踏まえ、私たちは未来を選択しなければなりません。もはや日本は新たな原発を建設することはできないでしょうし、既存の原発の延命も今後は難しいと思われます。ということは、どのみち30年後には国内の原発はゼロになります。

 それまでは本書で詳しく検証した”最後の条件”をクリアした原子炉は、地元住民の理解を得たうえで「再稼働」して寿命が来るまで利用し、その間に再生エネルギーへの転換を進めるのが現実的な選択ではないか、と私は思います。いずれにせよ、原発存続の是非は最終的には国民のみなさんが判断すべきことです。p13同上

6)30年後に、原発ゼロになるならまだいい。実際は、原発はゼロにはならない。廃炉に途方もない時間がかかるからである。そして、何万年という処理作業が残される。原発は、使うだけ使って、あとは捨てればいい、というほど簡単なシステムではない。

7)そもそも、帰れなくなった原発周辺の住民の生活権はどうする、放射性廃棄物はどうする、健康被害の調査・保障はどうする。問題は山積みである。作るだけ作って、儲けるだけ儲けて、致命的な事故を起こしてしまってから、あとは「地元」の皆さま、「国民」の皆さまの責任です、とは、これいかに。

8)それらを含めた福島第一原発事故の教訓を、日本は世界に語りつがなければなりません。なんとなれば、世界中の原子炉が、基本的には福島第一と同じ設計思想に基づいて作られているからです。p163「再稼働の条件は『”神様”を説得できるかどうか」

9)この人にこんなことを言われる必要はない。それほど今回のことを教訓にしたかったら、なぜに、スリーマイルやチェルノブイリを教訓とできなかったのか。原子炉の設計の問題ではないだろう。原発=核、という破局の科学そのものが、人類が手を伸ばしてはいけない領域にあったのだ。

10)このような事故があったために、すべての原発を今すぐ永遠に廃棄するというのは、”敗北思想”以外の何物でもありません。少なくともここで完全撤退したのでは、科学技術の進歩はありません。福島第一原発事故から何も学ばずに目をつぶってしまったのでは、悲惨な経験を生かすことなく終わってしまいます。p165「『敗北思想』で福島の経験を捨てていいのか」

11)この人、まだまだ懲りていないようだ。ここで完全撤退など、もはや出来ないのだ。これから事故処理するだけでもざっと30年はかかると言われている。完全撤退できるなら、それほど楽なことはない。廃炉に向けてマイナスな方向で、永遠に「科学者」たちが働き続けなければならないことは、決定づけられてしまったのだ。

12)何も学ばずに、目をつぶってしまいそうなのは、大前研一、この人自身だ。

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