BMW202の時代からの警告 ジェーン・フォンダ他『チャイナ・シンドローム』
「チャイナ・シンドローム 」
マイケル・ダグラス ジェーン・フォンダ ジェームズ・ブリッジ他 1979年作品 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント スコレクターズ・エディション DVD 122分
Vol.3 No.0811 ★★★★★
1)チャイナ・シンドローム。アメリカの原発がメルトダウンして、炉心が溶融してしまえば、すべてのものを溶かしてしまい、だんだん落下して、地球を突き抜けて中国にまで到達してしまう、という寓話をもとにしてつくらえている作品だが、内容はいたって真面目。別にトンデモ科学をもじったはちゃめちゃな映画ではない。
2)FUKUSHIMAどころか、旧ソビエトのチェルノブイリの以前に作られた作品である。この作品が発表された直後に本当にアメリカのスリーマイル島の事故が起こった。
3)原発所長が往年の名車BMW202でカーチェイスする時代のおはなしである。しかし、それを懐かしんではいられない。この映画で描きだされている世界は、それから30数年経過しても、何も変わっていなかったことを、FUKUSHIMAは露呈させた。
4)悲しいかな、これが現実である。原発につきまとう「原罪」は、計り知れないほど原発の本質であるようだ。本当になにも変わっていなじゃないか。その危険性、隠蔽体質、強欲、権力、そして圧殺される真実。
5)東電の発電所の炉心がメルトダウンして、日本の裏側のブラジルまで届く、ということはありえないが、そう誇張されてもおかしくないような事故が現実に起きているのである。しかも現在進行中!
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