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2012/10/29

立ち昇る日高見の地平 『熱日高彦神社創祀壱千九百年記念大祭』

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奉祝「熱日高彦神社創祀壱千九百年記念大祭」
島田神楽会他 2012/10/28 宮城県角田市・熱日高彦神社
Vol.3 No.0839

1)祭りがあるという。行きませんか、というお誘いである。どんな祭り? 知人が神楽を舞うという。へぇ~、それは見に行きましょう。そういえば、以前から神楽に参加していて、昔20年ほど前にもテレビにでたことがあったよね。

2)どこの神社? お日高さんよ。あ、それは絶対見に行かなくちゃ。22年ぶりに、12演目全てのフルバージョンが一挙に奉納されるらしい。

3)この神社の古式ゆかしいことは以前より察していた。そして、3・11震災後、飯沼勇義の「仙台平野の歴史津波」(1995/09 宝文堂)か「3・11その日を忘れない。」(2011/6 鳥影社)かどちらかの記述で、この熱日高彦神社の格式の高さ、ゆかりの深さに仰天していたから、これは絶対見なければならんと思った。見逃すわけにはいかない。

4)今日は、もう遅いので、いつかゆっくりこの経緯を紐解くことにする。

5)結論からいうと、1992年に私的メモに残しておいた、「ムーからやってくる龍」が、今こそ天空に再び舞来たりている、と感じることとなった。

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6)「縄文時代・高見産霊(タカミムスビ)・日高見国の歴史津波時代と歴史時代」というプリントが、お祭りのパンフレットに挟まっていた。自宅に戻ってから見てみようと思った。帰宅してみたら、なんとやっぱりこのプリントの作者は飯沼勇義氏だった。

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7)今日のおまつりで、私はなぜ、この地に縁ができて、30数年このかたこの地に通い続けているのか、いまさらながらに分かった気がした。

8)脈絡なく、今夜はメモだけしておく。この地、阿武隈川の土手近くには天平時代の郡衙(ぐんが・役所)がある。そこから4キロ東方にこの神社があり、春分の日、秋分の日には、郡衙からみると、この山から日が昇る。そして、西には対応する形で、斗蔵山が鎮座しており、そこに日が沈むのである。つまり、この三つのポイントは一線に東西にキチンと並んでいるのであった。

9)さて、そうしてみると、長島榮一「郡山遺跡 日本の遺跡35 飛鳥時代の陸奥国府跡」(2009/02 同成社)にみる仙台郡山遺跡における西の太白山に対応する形の、東の「日高見」は、どういう形で存在しているのだろう。

10)これはもう、太平洋そのものだった、とみることができるのだろうか。

11)ひとつひとつがつながり、ひとつひとつが紐解かれていく。神秘の扉が開きはじめている。

12)エピソードとして、これまた、珍しい人とここで再会したことが、なお不思議さに輪をかける。境内で町内会の人々のボランティアで振舞われていたサンマの炭火塩焼きをいただいていると、やはりサンマをほおばっている、となりの男性の顔に見覚えがあった。高校PTA時代にお世話になったK先生だった。野球部が甲子園にいった時、私はPTA会長として応援団を組織し、、彼は応援団を率いてアルプススタンドでブラスバンドの指揮をとられた。

13)彼らは35年におよぶキャリアを持つデキシー・ジャズバンドのメンバーである。今日のお神楽の合間に、彼らの音楽も奉納された。なんとも素晴らしい取り合わせである。

14)午前中はなんとか持ちこたえていた空模様だったが、午後からはポツポツと落ち始めた。夕方には、しっとりとそぼ降る感じになって、参拝客もすこしづつ帰り始めた。だが、むしろ、そこから、ゆっくりと夕闇が落ち、かがり火がたかれ、静かに静かに鎮魂の舞いが、タカミムスビの大地を舞った。

15)沿革 熱日高彦神社に古くから伝承されてきたお神楽「日高神楽」は、名取の熊野神社に伝承される「熊野堂神楽」が伝わったものとされています。パンフレット「日高神楽について」

16)さてさて、さらにこの地のネットワークの、ひとつひとつが、今、語られはじめようとしている。

<「解き明かされる日本最古の歴史津波」 熱日高彦神社>につづく

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