ヴァンパイア伝説と天皇制を掛け合わせた政治風刺劇 いしかわ邑人作・演出 『月は満月』 劇団洪洋社 旗揚げ公演 1976
「月は満月」
石川裕人作・演出 1976/09 「劇団洪洋社」 旗揚げ公演 仙台市・白鳥ビル 石川裕人年表
Vol.3 No.0838★★★★☆
1)「ラジカルシアター座敷童子」を創設し、たった1年で「劇団洪洋社」へと歩を進めた。着実な進展だった。メチャメチャなことをやっていたが集団としてのノウハウはきっちり学んでいた。
’76年旗揚げ公演戯曲6本目「月は満月」を白鳥ホールで上演。ヴァンパイア伝説と天皇制を掛け合わせた政治風刺劇。そして遂に稽古場を持つ。仙台市の南部向山・野草園の登り口の近辺のこれまた5坪ほどの小さな店舗跡だった。隣が大家さんの部屋だったので防音には気を遣った。しかし、どんな狭く劣悪な環境でも自分たちの稽古場は創造の源である。
この場で酒を酌み交わし、談論風発、泊まることもしばしば、女子高生シンパが制服のままでやってきて泊まり込み、「娘を帰しなさい」って親から電話がかかってきたこともある。これじゃまるで新興宗教である。彼女もその後入団することになるのだが。石川裕人「劇作風雲録」第四回 劇団洪洋社
2)石川裕人年表を作成しながら、80年代についての記述がまったく進んでいないことに驚き、ちょっとしたあせりもでてくる。もっとバランスよく埋めていくほうがいいのではないか、と思いつつ、今手元にある70年代の資料をなにはともあれ貼り付けておく。
3)70年代といっても、すでに記憶ははるかな40年前のことになりつつあり、散発的にでてくる資料が、眠っていた記憶を呼び起こしてくれる程度。今後も、友人たちの記憶が蘇ってくることを期待しながら、その手がかりをアップしつづけてみよう。
4)この時期になると、チケットはキチンとした印刷屋にだされ、ポスターを担当していたサキ工房の技術も安定し始める。チケットをコピーしたせいで、文字が中心のポスターになる傾向があったのか、とも思う。
5)私はこの頃、石川友人劇団の優秀な「観客」だったと思う。その細かい内容については覚えていないが、このような芝居が行わえる「白鳥ビル」というそのものが、私の中では、ひとつのブランド化していったように思う。
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