還暦を迎えるわが同期生たちに捧げる10冊(準備編)
小中学校の同期会より連絡があった。来年は私たちの還暦の年になるらしい。したがって同期会を開くための準備の幹事会をしよう、ということである。 ほほう、もうそんな年回りになるのか。
先日、56才と7ヶ月を記念して、プロジェクト567を立ち上げたばかりなのに、まったく月日は迷える子羊を待っていることはない。どんどん馬齢を重ねていくばかりである。 ひさしぶりに会う同期生もいる。お互いの距離感はどんなものだろう。相手のこともよく理解できないかもしれないが、自分だって、自分の人生の来かた行く末を、うまく説明できるであろうか。
確かに、何人かの同期生とは今でも友人として付き合っている。しかしながら、彼らのことを本当に分かっているだろうか。分かろうとしていたであろうか。 そして、私もまた、自分をうまく説明できるほどに、本当に自分自身をわかっているだろうか。 そんなことを考えていて、タイトルのように、「還暦を迎えるわが同期生に捧げる10冊」、というものを考えてみることにした。まずは準備編である。
なに、集まりは来年だし、本当に捧げなくともいい。そういう仮定で、読書ブログとして当ブログなりに、自分の人生をこの辺で、ひとまとめにしておくことも一考であろう。 そうしてできたのが下のリストである。
うまく10冊とはならなかった。そもそも、本の形になっていない部分が多い。また、本として出版されていたとしても、すでに入手不能なものも多い。 しかし、ここは10冊に疑して、ひとまとめにしてみようと思う。
そもそも、当ブログは、あるミッシングリンクを埋めるために始めたのであった。そしてそのストーリーは、まとまりのよい一文になるはずだった。だが、いまだ果たせていない目標である。 いずれ、今回をきっかけとして、適当な長さの、均等な密度をもったものに仕上げようと思う。今は原稿の準備のつもりで、まずは資料集めとして、このリストを作成しておく。
1冊目「ボーイズファイター」 1~5号。同期会となれば、まずは、この一冊ははずことはできない。中学一年のときに、1年A組の男子10人ほどで作ったわら半紙に肉筆で書いた雑誌。表紙は私が作った。実質的には編集者でもあっただろうか。
2冊目「時空間」 このミニコミ雑誌は、自分の青春時代、10代から成人までの存在を証明する大事な出版物である。ただし現在一般には入手不可能。ネットでもその全容を知ることはできない。ここはいずれ、必要部分をネットにアップしようと思う。
3冊目「湧き出ずるロータススートラ」は、まとまっているが、固有名詞などに、すこしかたよりがある。リライトすべき時にきている。もともとは1992年に友人が編集する京都のミニコミ「ツクヨミ」に掲載したものであるが、多少省いてあるところがある。ただ、半生を振り返ったという意味では、個人的には貴重な記録である。
4冊目「地球人スピリット・ジャーナル」こそは、このわがブログであり、現在進行形の自分がいるので、同期生たちにもこれを読んでもらうのが一番いい。だが、すでにとりあげた読書も3000冊にならんとしている。ここはうまくダイジェスト版としてまとめなければならない。
5冊目「時の葦舟」は、わが同期生の一人にして、大事な友人の劇作家の一冊である。50年にわたる交流だが、私は必ずしも彼のーよき理解者というわけではない。また、私もまたもっとも身近な友人へ、自らの本心をぶつけることをためらってきた部分もある。彼との距離をはかることは、自らを理解する機会ともなるいのではないか、という期待がこの一冊にはある。
6冊目「 私が愛した本」は、私が愛した現代のマスターOshoの一冊である。この本でOshoのすべてがわかるわけではない。だが、この本が当ブログの多くを構成してきたかぎり、同期生にOshoから一冊を、というなら、この本をはずすことはできない。
7冊目「仙台平野の歴史津波」 そして、私たちは3・11を迎えた。この本は、私たちが育ったこの地の歴史研究書である。また、巨大津波の予言書でもある。この大地にいたことを、今あらためて同期生たちと感じあってみたい。
8冊目「その時、閖上は」は、写真集である、同期生がこの津波で何人かなくなった。すぐれた記録はたくさんあるが、私の目にふれた3・11の記録の中では白眉の一冊である。この地に嫁ぎ、家を建て、被災し、家族を亡くした同期生たちも多くいる。
9冊目「郡山遺跡」かつて、この地はどんなものだったのか。身近なところにある歴史的遺跡が持っている意味が、今回の3・11でにわかに浮上してきた。わが同期生たちも歴史ロマンの中に没入していく年代でもある。この本の持っている意味をもうすこし深くトレースしたい。
10冊目「大いなる挑戦-黄金の未来」は、Oshoその人のエッセンスがつまってるー冊ともいえる。しかし、かくいう私にも理解しかねるところが多く、容易に賛同しかねるところも多い。なかなか一気飲みすることのできないこの問題作を肴に、同期生たちと未来を語り合うのもいいのではないか。
次点「巨大津波は生態系をどう変えたか」 さらに加えたい本はたくさんあるが、最後まで石寒太 「宮沢賢治 祈りのことば」と選択を悩んだ上で選んだのは、この本である。いずれは大地に戻り、草葉の露となる身であってみれば、あえて私たちが生まれて育った地域の自然の記録を残したこの本は、同期生たちにとっても、極めて貴重な一冊になるはずである。
以上、暫定的に以上のリストを作っておく。還暦祝いの集まりは来年2月、温泉での一泊となった。それまでに、このリストを元になんらかのまとまりのある一文一冊になればよいなと思う。また、友人諸君においては、以上の本に思いを馳せ、時には読んでおいてくれると、再会した時に、お互い理解が早くなるだろう。
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