ニュートンが残した最後の一冊 『ダイヤモンド・スートラ』 - OSHO 金剛般若経を語る<3>
「ダイヤモンド・スートラ」 - OSHO 金剛般若経を語る <3>
OSHO スワミ・アナンド・ヴィラーゴ 翻訳 1986/03 めるくまーる社 単行本 p739
★★★★★
1)早いもので、今日でニュートンが亡くなって49日目になった。 いつまでも、ニュートンの思い出に浸っていたい気分と、 いつまでも、こだわっていることを彼も望んでいないかな、 という思いがない交ぜになる。 昨日、初雪もちらつき、お墓の中のニュートンはさぞや寒いだろう、 と思ってみたり、彼のことだから割りとサバサバしているのかな、と 思い直してみたり。
2) 来年のことを言うと鬼が笑うと言うが、 いよいよ師走の声を聞くようになり、今年のことを片付ける 季節となった。 次は百ヶ日というけじめの日はあるのだが、 何はともあれ、今年は大変なことがあったなぁ、と振り返っている。 これからも、ニュートンが残してくれた仕事を自分なりに理解していきたいと 思う。
3)今日は49日目だから「チベットの死者の書」を読んでみようかなと思う。でも、あれって、もともとマスターに対する信頼感が基礎となっているので、形だけ読み上げても、あまり意味がないかもな。
4)たしかに「般若心経」も悪くないけど、先週、伊藤比呂美「読み解き『般若心経』」を読んでしまったしなぁ。それに追善供養と言っても、あちらに逝ってしまった存在と、こちらにまだいる存在が、共通意識を持てないと意味がないだろう。
5)彼の残した本と言えば、百本の上演台本を別にすれば、「時の葦舟」ということになるが、はて、それを墓前で読み上げることは、むしろ彼がこの世に執着する要因を作ってしまうのではないか。時間と空間を超えたスペクタルではあるが、ほんとにそれを読み上げることが、彼が成仏する起縁となるだろうか。
6)ニュートンの遺業について、それを受け取る側としては、まだいろいろやり残していることが多い。
・100本の台本にひととおり目を通したい。
・特に80年代の動きを、もういちどスキャンしてみたい。
・膨大に残された写真資料を振り返りたい。
・ビデオで残された公演活動を確認したい。
・劇団座敷童子の名前の由来の確認
・時空間などに残された彼の古い原稿の掘り起こし。
・洪洋社から十月劇場への転換時期の再確認。
・十月劇場からOCT/PASSへの転換時期の再確認。
・AZ9ジュニアアクターズ活動の振り返り。
・アタックエイジング活動の振り返り。
・仙台文学館とのつながりの確認。
・河北新報などに残された報道の収集。
・唐十郎の影響、特に「特権的肉体論」との絡みの確認。
・アングラ・サーカスとはなんだったのか。
・3・11後の彼の活動の確認。
・劇作家・石川裕人とはなんだったのか。
・etc
7)ひとつひとつ上げていったら、キリがない。残された者として、上記すべてを追っかけることはできるだろうか。すくなくとも、49日を迎えた本日までにはとてもとても追いかけられるものではなかった。年が明けて、来年になったり、もっと時間が経てば、さて、それらを理解することができるだろうか。
8)たしかに来年のことを考えれば、鬼が笑うのである。今日は今日だ。今日、墓前に行って、彼と私をつなぐものは一体なんだろう、と考えた。その結果、残されたのは、Osho「ダイヤモンド・スートラ」だった。膨大な彼の著書の中に、この本は、よく目のつくところに収められていた。
9)彼は新刊本をたくさん購入したあと、古書店などに売却もしたようだから、彼が読んだOshoの本はこの本一冊だとはいえない。しかし、現在のところ私が確認できたのは、この「ダイヤモンド・スートラ」だけである。
10)当ブログにおいてもまだ、この本を本格的に読み始めていない。彼の特権的肉体論とのつながりでOsho「こころでからだの声を聴く」を読みすすめてみようかな、と思ってみたり、80年代のニュートンとOsho「アメリカへの道」を比較見当してみようかな、と思ってみたり。だが、どれもこれも、全部ができるなんてことはないだろう。私たちに与えられている時間は限られている。いつまでも「つづく」で引っ張ることはできない。
11)いったい誰に対して、タターガタはダンマを教示することができよう? そこには誰もいない、あるのは純粋な大空だけだ。 あなたが消えた瞬間、あらゆる存在が消える。そうなったら、もう分離した存在というもはなく、すべてがひとつだ。マスターのような者もなければ、弟子のような者もない。Osho p714「完全に光明を得た者」
12)今日のところは、この一冊にしよう。そして、この本の中に、聞こえることのない、語られることのなかった、なにものでもない、なにごとでもない、なにかを彼との共感のつながりとしよう。
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