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2012/11/22

羽倉玖美子企画・制作 『ひとりじゃないよ』~不登校・ひきこもりの子どもと共に」<1>

Hitori
「ひとりじゃないよ」 ~不登校・ひきこもりの子どもと共に~ 育て育ちあう私・子ども・パートナー<1>
企画制作・羽倉玖美子/エルパーク仙台 2001/03 発行・仙台市市民局男女共同参画課 単行本 72p
Vol.3 No.0885★★★★☆

1)羽倉 玖美子「愛する地球(テラ)に」 女神は夜明けに舞い降りる-を読み進める上で、まずはこの本があったことを思い出しておくことは大事だろう。かれこれ10年ほど前に、出版企画のコンペのようなものがあったように聞いた。その中で採用されて出来たのがこの本である。72Pとコンパクトなので、ちょっとしたパンフレットのように使える。市の図書館にも収蔵されているので、借り出すことができる。

2)内容は、タイトルやサブタイトルから推測できるような素直なテーマが主軸となっている。カウンセリングについて、親の会、サポートグループ、フリースペースやフリースクールなどについての、実際的な情報にあふれている。発行されてからすでに10年以上が経過しているので、多少は改訂が必要であろうが、方向性についてはこれでいいのだろう。

3)本の森の大沼安史社長や、七ヶ宿の炭焼き・佐藤光夫、写真の加藤哲平など、著者の人脈をフルに活用している雰囲気が伝わってくる。

4)思えば、私はいじめられっ子ではなくて、いじめっ子だと、小さいときは思っていたけれど、今となってみると、意外といじめられっ子だったかもしれない。我が家の子ども達もいじめられたり、不登校になったりはしなかったように思うけれど、実際には、自分のことを考えても、ほんとうのところはどうだったのか定かではない。

5)誰でも、身近な人たちでも、このような境遇になることはつねにありうる。デリケートな心配りが必要だ。

6)私自身もカウンセラーとして子どもの対応をしたこともあり、また学校や職場のカウンセリング・ルームの運営に携わったことがある。守秘義務があり、なかなか公けに話し合うことが難しい問題であるが、このような書籍をきっかけに、まずは自分が、そして身近な人たちが、すこしづつ気づいていくことが大事だ。

7)なにはともあれ、この書籍が彼女が自らの表現物として出版に関わっていく契機となったのかしらん、と見ている。

<2>につづく

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