「『超保険』進化論」 <2>
<1>からつづく ![]()
「『超保険』進化論」 <2>
「超保険」研究会 中崎章夫 2012/12 績文堂出版 単行本 246p
★★★★☆
1)この10年間、この商品と付き合ってきて、いろいろ思ってきたことが、この本を読んでいると、よくよく思い当たることがある。それだけ、この研究会やら中嶋というホケンジャーナリストなりが、この商品に深く付き合ってきた、ということになるだろう。
2)ウォルター・アイザクソンの「唯一の公式伝記」が本人の希望で作られながら、結構スティーブ・ジョブズの「食えない部分」も真正面から捉えているように、この本もまた、超ホケンの「食えない部分」を決して見逃してはいない。単なる提灯記事でまとめているわけではない。
3)ずっと前、パソコンが本格的にわが業界に導入されることになった時、私は、左手に様々な商品のパンフレット類を置き、右手に長年作ってきた顧客カードを置いて、その間をつなぐものとしてパソコンを目の前においてみた。
4)それから本格的にパソコンがその仕事をするようになったのは、ずっとあとのことだった。でも遅々とした歩みながら、実際にそうなってきた。10年前に超ホケンがスタートする時、パソコンの発達とコンサルティング能力が、この「システム」を成立させた、と言われた。実際、そうだっただろう。
5)そして、今回、「抜本」超ホケンが本格始動するにあたって、パソコンは、クラウド環境に支えられたタブレットへと進化し、いわゆるコンサルティング能力は、コンシェルジュ能力へとより深いレベルを求められていると感じる。
6)この商品と売り手として本格的につきあってきたのは、この10年の間、ほんの数千人から数万人でしかない。エンドユーザーも決して多くない。せいぜい数百万程度の家庭だ。そのプロセスでの「苦労」を広く一般に共有することはなかなかできない。私自身もその思いを共有することはなかなかできなかったが、この本を読んでみると、それらは決して個人的な思いだけではなかったことがよくわかる。
7)そもそも業界の再編により、T社とN社が合併することを契機に、いずれ世界遺産にさえ成長するという宣言のもとに、一企業の「プロジェクトX」としてスタートしたこのシステムは、決して楽な道筋ではなかった。実に波乱にみちたものだった。欠点もあったし、結局は乗り越えられない問題点も数々あった。
8)抜本超になるにあたって、基本的には、最初のスタート地点からの発想の多くのことが捨てられてしまったと思う。それまでのホケンにできなかったことをすべて克服しようという思いでスタートしたはずなのに、結局は、ひとつ、ふたつ、と捨てられ、よりシンプルになってしまえば、もともとの保険とどれだけ違っているのか、という大きな疑問が湧いてくる。
9)そもそも生損一体といいつつ、ほんとうにワンポリシーで受けることなどできていない。ある意味、まやかしである。一緒に計算はしているが、二つの商品を一緒に売り込んでいるだけではないか。
10)会社はこの商品に賭けているといいつつ、実際にはこの商品に全精力を捧げている社員は一部にとどまっていた。販売資格を持っていても、「なんちゃって超」の揶揄した声が聞こえてくるように、本当にこのシステムに賭けている代理店も決して多くなかった。
11)といいつつ、この本で紹介されている有数の代理店をはじめとして、このシステムとともに、新しい地平を開いてきた人々は確かにいる。単なる販売システムではない。実際に「はまってみる」と、そのシステムはとても興味が引かれるものであり、奥深い。
12)私なんぞは、この業界に片足突っ込んで以来、斜に構えた姿勢が未だに取れず、偉大なるフロンティア達に苦言を呈するほどの、なにごともできていない。だから、大口を叩くことはやめておく。ただ、この商品はひとりでは進化できない。タブレット端末があったとしても、それを支えるネット環境やアプリ開発が必須であるように、扱い会社の開発力やフォロー力、そして、顧客層の厚い支持がなければならない。
13)あれから10年、そして「『超保険』解体新書」から8年。たしかにこのシステムは「進化」してきた。希望と可能性を秘めながら、現実の荒波に洗われつつ、また、周囲の環境にも支えられつつ、ここにまだ存在している。
14)私がこの業界に足を踏み入れることになったのも偶然だが、この商品に出会ったのも偶然だった。取っ組み具合はまぁまぁだったが、あまり褒められたものではない。忸怩たる思いも数々してきた。ただ、私がこの商品に出会わなかったら、この業界をもっと甘くみることになったのではないだろうか。この商品を通して、ひとりひとりの人間や家庭と出会い、その人生や歴史を考えてみるのは、とても意義深いものがある。
15)この本、まだ読みかけだが、一気に読んだからと言って何かが一時に得られる本ではない。折に触れて、この数年はこの本に立ち返ってくることが多くなるだろう。なにはともあれ、このような本がでることは、心底とてもうれしい。
つづく・・・・はず
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