唯一の公式伝記? ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズⅠ』
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「スティーブ・ジョブズⅠ」 The Exclusive Biography
ウォルター・アイザックソン 井口耕二 2011/10 講談社 単行本 445p
Vol.3 No.0894★★★★☆
1)当ブログがジョブズ追っかけをしたのはことし2012年2月~8月頃だった。以前からアップル関係の本も読んではいたし、その後もちらちらと目を通してはいる。だが、集中して追っかけたのは6~7月頃のほんの短期間だった。
2)そのころにリクエストしていた本ではあるが、人気本なので、今頃になってやって来た。「本格的」な一冊である。生前のジョブズが書き手を指定して長期にわたって取材させた唯一の「公式」伝記の決定版だという。
3)当ブログとしては、読むタイミングがちょっとずれてしまったが、やはりこの上下巻二冊には目を通しておかなければなるまい。
4)ストーリーそのものは、他の類本を読んでしまっているので、それほど目新しいところはない。むしろ、あの「完全主義」のジョブズが自分で「つくった」伝記にしては、かなりダークサイドのジョブズが書かれていて、ほほう、と感心する部分もある。
5)しかし、むしろ、「公認」でありながらここまで書かれているとするならば、実際の「本物」はそうとうに「難物」であっただろうことは想像に難くない。実際に人生の中で絡みこんでいたならば、その「現実歪曲フィールド」なるものに、辟易する関係者が多かったことに納得できる。
6)上巻では、生まれから生い立ち、60年代的カウンタカルチャーとの出会い、インドや禅との出会い、そしてアップルコンピュータの成功へと展開する。その後、アップルでの新しいパソコンづくりの葛藤、そしてアップルとの決別、ネクストの立ち上げ、ピクサーの試行錯誤と、そして成功までが書かれている。
7)細かい人間関係のディティールは、取材に基づいているので、より詳しいが、本当にジョブズに関心ある人以外、ちょっと細かすぎるのではないか、と思える程だ。全体が書かれているだけに、むしろ、マックのハードやソフトそのものについて知りたい人や、彼の「スピリチュアル」な面だけを知りたいという向きには、あまり適した本ではない。
8)ただ、この本に目を通しておけば、まずは「ジョブズの伝記」は読んだよ、と言える。でもやっぱり、「アップルを創った怪物」(もうひとりの創業者スティ-ブ・ウォズニアック自伝)とか、ケイレブ・メルビー「ZEN OF STEVE JOBS」とか、「アップルのデザイン」 (ジョブズは“究極”をどう生み出したのか 日経デザイン)とかを、複眼的に読み込まないとスティーブ・ジョブズは見えてこない。
9)一連のピクサーの作品にも目を通してみたところ、当ブログとしても、意見はいろいろある。それはまぁ、下巻にも目を通したあとにまとめることにしよう。
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