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2012/12/02

日本演出者協会+西堂行人 『八〇年代・小劇場演劇の展開』 演出家の仕事③<1>


「八〇年代・小劇場演劇の展開」 <1>
日本演出者協会+西堂行人 2009/10 れんが書房新社 単行本  305p
Vol.3 No.0894★★★☆☆

1)日本演出者協会編集の「演出家の仕事」③が発行された。この巻は80年代・小劇場演劇の展開で、巻末の80年代より活躍する演出家リストに僭越ながらわしもアップされた。書店にて立ち読みしてください。「石川裕人劇作日記時々好調」2009.10.17 Saturday

2)「80年代の石川裕人」、あるいは「80年代石川裕人の「?」を探す旅」、などとターゲットを絞りつつ、この「八〇年代・小劇場演劇の展開」を見逃すわけにはいかない。もちろん80年代に書かれたわけではなく、2000年代後半になって書かれたものであり、必ずしも当時を正確に反映しているとはいえない。

3)石川裕人は巻末の40人ほどの演出家たちと肩を並べて紹介されており、なるほど、このような人々と並び称されるところで活動していたのか、と改めて確認した。使われている写真は、頭にサングラスをして、胸になにやら亀甲のマークのついたTシャツ姿である。一番のお気に入りだったプロフィール写真だそうだ。

4)ただこの本からは、石川がどのように活動したのかは、あまり明確に浮き上がってはこない。他の同時代の演劇人たちを多数追いかけることとなり、当ブログの限られたキャパシティでは、消化不良となる。

5)この本のシリーズは三冊であり、第一作「六〇年代・アングラ・演劇革命」(2006/02)は先日手にとってみた。第二作もあるようだが、今のところはちょと食指が動かない。内部的なマニアックな人びとにとっては貴重な記録と歴史になるかもしれないが、私のような、結果的に演劇音痴になった者にとっては、あまり益するところはない。

6)とにかく、80年代にこのような動きがあり、縦糸としての「石川裕人」が、このような「80年代の演劇」の横糸に彩られていたのだ、ということを確認すれば、今回の読書はそれで足りるだろう。

7)ちなみに、石川がこの日記ブログを書いた2009/10に、自分はなにをしていたのかというと、「私は誰か」というカテゴリのもと、意識から政治、ネットやエネルギー問題など、的の定まらない読書を続けていたようだ。

8)的が定まらないというより、なんでも手を出してみるという、今よりも好奇心があふれていて、むしろ健康な感じもする。今は、ターゲットが絞られすぎているかもな、と思う。とにかく、同時代を生きながら、しかもほんの数キロ離れた住まいにおりながら、人はそれぞれの人生を過ごしているのだな、と改めて確認した。

<2>につづく

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