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2013/01/03

『フクシマは世界を変えたか』 ヨーロッパの脱原発事情 片野優 <2>

<1>からつづく


「フクシマは世界を変えたか」ヨーロッパの脱原発事情<2>
片野優 2012/04 河出書房新社 単行本 295p

1)前回読んだのは半年前。そしてフクシマがあったのは更にその一年以上も前のことだから、2013年1月の現在、各国の事情はそれぞれに更に異なっていることだろう。

2)「世界が日本のことを考えている」3.11後の文明を問うー17賢人のメッセージ(共同通信社 2012/03 太郎次郎社)と、どこか対になっているようで、再読しようと思い立った。

3)第一章は「未来に警鐘を鳴らした欧米の原発事故」であり、フクシマに先立つこと、いかに原発が重大事故を起こし続けてきたかが語られる。

4)第三章は「ヨーロッパで注目の脱原発エネルギー」であり、とくにフクシマとは関係なく、原発という現代の伏魔殿に依存しない方向性の模索がレポートしてある。

5)従って、この本のタイトル「フクシマは世界を変えたか」に直接関係があるのは、第二章の「フクシマの影響とエネルギー政策」の約70ページほどである。ヨーロッパとはいうものの、レポートされているのは、スイス、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、の五国。

6)2034年までに原発廃止を宣言 スイス

チェルノブイリのトラウマ、脱原発宣言 ドイツ

原発に政治生命かけるサルコジ大統領 フランス

フクシマの教訓、事故後に上がった原発支持率 イギリス

国民投票で脱原発・脱ベルルスコーニ イタリア 目次p3

7)フランスはいわずと知れた世界一の原発推進国である。イギリスなどは、逆にフクシマ後に推進派が増えたという。スイスは永久中立国だし、反応は早く、2034年には現在稼働中の原発はすべて廃炉となり、その時点で脱原発が完了する可能性がある。それでも2034年まで待たなければならない。

8)ドイツはすでにチェルノブイリの段階で強い原発アレルギーを抱えたが、とりあえず2022年にはすべての原発が廃炉となる予定だ。イタリアはお国柄ゆえ、本当はどちらにいくのかわからない。

9)当の日本において、3・11後初の国政選挙で問われた原発は、「脱」とか「卒」とか「ゼロ」とか、かまびすしかったが、その結果は、あまりにお粗末なものだった。原発の是非論でいえば、最右翼は小出裕章氏らの原発ゼロこそ、もっとも正当性がある。

10)しかし、日本が仮に原発ゼロになったからと言って世界の原発事情が全て解決するわけでもなく、ましてや本書では問われていないアジア、とくに今後の中国やインドにおける原発計画を知ると、暗雲たる気持ちにならざるをえない。

11)あまりに複雑に絡みすぎた原発事情であり、「あの」フクシマがあったとしても、この日本さえ方向性を決めることができず、どうにもならないようなところに立ち至っている。絶望に満ちた気分になることさえある。

12)当ブログにおける「科学・芸術・意識」のうちの、「科学」で今日的に話題となるのは、情報とエネルギー問題だろう。ネット関連と原発問題は目をそらすわけにはいかない。一度や二度の選挙でどうのこうのと言える問題ではない。

13)今後は「フクシマは日本を変えたか」というテーマで、さらに自分たち自身を見つめ続けなければならない。

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