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2013/01/26

『17年目の告白』


「麻原集団事件17年目の告白 」
+有田芳生 2012/12 扶桑社 単行本 325p
Vol.3 No.0903採点不能

1)当ブログは、この本と間にリンクができることを好まない。できればメモしないままに通り過ぎたい。しかしながら、すでに「麻原集団事件関連リスト」として類似本を30数冊を取り上げている以上、この本だけを無視するということにも一貫性がない。

2)とにかく、この本のタイトルは拒否したい。オウムというマントラは、麻原集団とはなんの関係もない。当ブログとしては、「OM MANI PADME HUM一覧」として、このマントラが登場した本をすでに数百冊リストアップしている。

3)福島がフクシマと呼ばれてしまうように、AUMがオウムと呼ばれたときに、悲しい連鎖が発生し、胸が痛む。当ブログは、あの17年前の事件は、麻原集団(狂気)事件とだけ記しておきたい。

4)当ブログは、この集団性には一切関係はない。あえてこの集団に関心があったのは2点においてだけだ。

5)ひとつめの接点は、1988年当時、毎週通っていた在宅カウンセリングのクライエント宅から帰る途中、毎度立ち寄るロードサイドの書店に、なぜかこの集団の書籍がいつも満載になっていたことによる。当時カウンセラーとして複数の人びとの話を聞くことがあり、さまざまな集団性について、しかも内部的なことも聞くことがあった。だから、いろいろあちこちの話題には関心があった。

6)彼らの出版物のまずは滑稽なことは、空中浮遊という写真が何度も繰り返し掲載されていたことだ。これが決定的に、実にアホらしかった。この写真は、近辺の弟子たちが持ち上げて、上から下ろした途中の写真だということが判明したが、そんなことは最初からわかっていなければならない。

7)つぎに、いつのころからか、この男の肩書に最終解脱者という文字がくっついた時だった。この言葉のセンスにはまったく拒否感以外のものは浮かばなかった。あえてその表現されるべき状態を、自分の知っていた単語で言えば「十牛図の十番」であろうが、その境地と、この男が今後船出しようというステージとはまったく異質なものであった。

8)三番目に、あ、こりゃだめだと、完全に否定せざるを得なかったのは、1990年代になってからだと思うが、自分たちの組織を庁やら省やらという「国家組織」に見立てていることを知った時である。

9)奇しくも、これらは仏教でいうところの三宝に対応している。持ち上げられて上から落下している最中の写真をもって自らの存在を誇示しようとする男を「仏」とし、この男の心境を「最終解脱」として据え置くことによって、その周辺に妄想をはびこらせて「法」とした。そして、国家に見立てた組織に無意味な意味づけをした集団を「僧」とした。これだけアホを重ねる集まりもそうそうあるまい。

10)ところがこれだけ、明明白白の虚偽集団なのに、あるいは稀であるからこそ、そのシステムにまんまと引っ掛かる者たちもいたわけである。その代表格なのがこの書籍の著者である。17年が経過しようが、170年が経過しようが、こんな人物の本などアホらしいと思う。

11)二点目の接点とは、事件後、当該集団と、「私たち」がなんらかの類似性があるかのような報道がマスメディアで起こりかけたことである。これは、全国の仲間たちとの連携で、なんとかその虚偽報道は食い止めることができた。

12)その後は、ひたすら無視し続けた。注目したり、解釈したりすることなど、全く無意味だ。

13)その後、21世紀になって、図書館通いを始めてから、この集団性についてたくさんの本がでていることを知った。最初、例の通り無視していたが、暇にまかせて数十冊は読みこんでみた。それも、このブログをスタートさせた後も2006年も押し迫ってからだった。

14)思えば、この本の著者もちょうどそのころ、服役後に集団生活をしていた当該集団から「脱会」しつつあったようだ。現在は別な団体の名を名乗っている。上記で触れた仏法僧についての解釈は、大きく変わっているようだ。

15)特定の絶対者、超越者を中心に据えない、新しい智恵の学びの場であり、入信や入会をしないと救われない、ということを唱えない(p306)という趣旨を述べている。上記の逆手を行っているようでもあるが、逆の逆が真であるのか、ということは必ずしも、この世界では言えない。逆の逆もあり、そのまた逆も、さらにそのまた逆もありうるのであり、汚れた手をひっくり返しただけで、はい、現在の私はこのとおり、というだけでは、とてもまともとは言えない。

16)正直言って、この本を読むことによって得られるものは何もない。

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コメント

この本は共著だが、一方の著者の名前は省いてある。その名を当ブログに記すことの汚れを、私は避けたかった。
この男は、死刑にならず、今日もテレビに顔を出していた。
仏も三度まで許すという。一切許しがない世界というのも息苦しい。
されど、海の青にも染まらず、空の青にも染まらずに、ひとり飛ぶ白鳥も、時には必要だ。
事件関連の本も、たくさん読んだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/bhavesh/diary/200707290004/

投稿: Bhavesh | 2018/07/07 00:54

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