『LINE』なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?
「LINE」
なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?
コグレマサト/まつもとあつし 2012/11
マイナビ 新書 231P
Vol.3 No.0909★★★★☆
1)このネットサービスにはまったく気付かないでいたのだが、ある時、SNSの誰かの書き込みにLINEという文字があって、なにやら突然アメリカから電話がきたとか書いてあった。おや、それはどういうことか、とわがスマホで検索し、アプリをダウンロードしてみたのだった。
2)ところがびっくりしたところが、その推薦リストには、私の知り合いの何人かがすでに登録されている。家族や友人もだが、トンデモない角度で、知り合いの息子とか、顧客会社の家族の誰とか、とにかく、変なリストアップだった。
3)幸い家族の一員もすでに登録しており、すぐつないでみて、その経緯を理解したのだった。そのマニュアルとか説明をまったく読み聴きしないで、すぐ「承諾」ボタンを押してしまう習慣がこのところついているが、このLINEに関しては、よくよく検討すべきである、と判断したところである。
4)一番の問題は、すでに携帯端末(私の場合はスマホだったが)に連絡先が登録されている情報が、LINEのクラウドにアップデータされてしまうことである。個人的には、私はこれは重大問題だと思う。仕様書をよく読まなかったのが悪かったのだが、それにしても、そこまでやるか、と思う。
5)私の場合は、つないだスマホは普段のメインのガジェットではなかったので、幸いアップされてしまったデータはごくごく一部にとどまった。だが、逆に考えると、そのごく一部の知り合いたちの、かなりのパーセントの人々がすでにLINEにつないでおり、そして、さらにはここからが問題なのだが、私のデータをアップロードしてしまっていた、ということについてである。
6)マッチング作業があった上で、なお推薦リストが出来上がったのであれば、私のごく一部のリストに対応しただけでこれだけあったのだから、私の全リストをアップロードすれば、どんなことになってしまうか、はかりしれない。実に怖いと思った。
7)家族や数人のごく身近な友人と2~3回交信しただけで、あとは団体や企業の通知サービスを利用していたが、それだけでは私のライフスタイルにはフィットしないので、今は休止状態にしている。
8)LINEのタイムラインが、どのようなポテンシャルを持っているかは未知数ですが、ユーザーベースを考慮すると、FacebookやTwitterを置き換える存在になる可能性はあるのではないでしょうか。p38「世界中で数千万人が熱中するLINE」
9)私の年代では、SNSを利用し活用しているのは少数派だ。アーリーアダプターとして大活躍している友人たちもいないわけではないが、ごく少数派である。どんなサービスがでてきても、いつのまにか、そちらに移行してトップを走っている連中はいる。
10)ネットサービスに関していえば、開発的イノベーターに位置している友人たちはいないこともないが、ほぼゼロ。私は、多数派のアーリーマジョリティかレイトマジョリティという位置にある。一番遅れてやってくるラガードにはできるだけなりたくない、とは思うのだが、LINEに関しては、私はラガードか、不採用者にとどまろうと思っている。
11)・スマートフォン中心でパソコンを普段は使わないような若者が中心
・スタンプを使ったカジュアルでエモーショナルなコミニケーションを好む
・「アドレス帳のマッチング」を通じて毎月500万人以上の増加を続けている p82「LINEのメインユーザーはどんな人?」
12)世の中にこのようなサービスが登場しているのだ、ということは認知しておく必要があるが、私はこの「アドレス帳のマッチング」というやつが許せない。それでは、顧客情報のダダ漏れ状態が、常態化してしまうことになる。すくなくとも、私の顧客に、あいつはLINEに無造作に登録するような奴(って、もう登録してしまっているが、もちろん実名ではない)って思われたくない。すくなくともそう思われただけで、私への信頼度が低下する恐れさえある。
13)LINEは2012年10月末時点で、ワールドワイドで7000万人のユーザーを獲得しています。世界で大きく成功している、初の日本発のネットサービスと言ってよいでしょう。振り返ってみると、日本から登場したネットサービスで、これほどまでに世界的な成功を収めているネットサービスというのは見当たりません。p63「世界を捉えた初めての日本のネットサービス」
14)急速に世界に広がっているのは、「アドレス帳のマッチング」の他に、簡便な無料通話とか、スタンプというシステムがあるからだろう。ガラパゴス化している日本のサービスが世界に飛び出していくこと自体は賛成だが、実際に、LINEが世界を網羅する前に、なにか大きなハードルが飛び出すような感じがする。
15)----アドレス帳がアップロードされることが心配だという人もいますが?
そういうひとは使わなくていいんじゃないですか。スマートフォンがそういう仕様になっているんだから、LINEをちゅうちょする必要はなくて、そういうスマートフォンを売っているのはキャリアですから。
iモードのときは、一般のアプリプロバイダーがそういうことができるのはマズいだろうということで、僕も制限はしていた。でも、今はみんながスマートフォンがいいと言っているわけですから。スマートフォンって、そういうものなんですから。p210夏野剛「特別インタビュー」
16)これはかなり強引な発言だと、私なら思う。飛行機は墜落するものですから、墜落するのが怖いなら乗らなくていいんじゃないですか、と言っているのと同じようなものだ。添加物が怖いなら、食べなければいいんじゃないですか、そういう意見ですべて切り抜けるのかどうか。個人の問題ではなく、社会全体の問題として考えなくてはならない、と私なら思う。
17)----LINEはスマートフォンあってのサービスだと思うんですが、今後、インターネットはスマートフォンベースになるのでしょうか?
いや、そんなことはないと思いますよ。併存すると思いますね。例えば、iPadの3Gを持つと、逆にスマートフォンはいらないですから。だから、デバイス自体がそんなに重要ではなくなるんじゃないですかね。どのデバイスを使うかはライフスタイルに合わせればいいのではないのですか?p223夏野剛「同上」
18)夏野剛という人、たまにNHKのコメンターなどに登場する人物とお見受けするが、ここではお名前のとおり、かなりの剛球を投げつけているように思う。この本の性格付けに合わせたのだろう。
19)たしかに、パソコンとケータイの間を埋めるものとして、スマホの存在は大きかったけれど、LTE+タブレットを携帯していれば、もうスマホは必要なくなる可能性は高い。「カカオトーク」とか「comm」とかLINEと類似のサービスが跋扈し始めている昨今ではあるが、私は、顧客との安全な通話を確保するために、ガラケー最終形を温存しておいたのは、結果論だが、まずは、正解だったのではないか、と、ひとりごちる。
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コメント
最近になって、 またこの自分の記事を読んで、なるほど、今でも妥当だと思う。今更、自分のポリシーを変える必要はなさそうだ。もっと有効なことに時間を使おう。
投稿: Bhavesh | 2018/08/27 00:31
最近、縁あって、モバゲーって奴のSNSにたどりついた。登録しようとしたが、いまのところ、完了していない。
mixiのように友達の紹介がなくても入れるフェイスブックや、もっとゆるいツイッターに比較すると、メールアドレスは要求するし、電話番号を要求するし、トンデモないサービスだな、と、いまの私は思う。
しかも、互いのメールには使っていけない言葉があるばかりか、メールアドレスや、電話番号も交換するな、と書いてある。
管理者はしっかり登録させておいて、利用者たちは奴隷のようにしばりつけたい、ということなのだろう。
しかも、管理者は傍受し、違反があったら、介入し、退会処分も行うという。
これはもう、完全な管理社会だな。「1984年」に逆戻りだ。当ブログは、モバゲーの危うさにも、警鐘を鳴らしておきたい。
投稿: Bhavesh | 2013/02/21 11:46