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2013/02/28

『電子書籍のつくり方・売り方』 ePub・PDFからAppStoreでの登録・販売まで 小島孝治


「電子書籍のつくり方・売り方 」ePub・PDFからAppStoreでの登録・販売まで
小島孝治 2010/10 日本実業出版社 単行本  172p      
Vol.3 No.0925★★★★☆

1)私がいつも身近に使っている公立図書館は二つあった。3・11においては、二つとも被災し、再び立ち上がるまで時間がかかった。地域の多くの図書館が同じような運命に遭遇したのだからしかたない。

2)ひとつのほうは、数か月で軌道修正できたが、もう一方は、結局、建物自体が立て直しということになった。築50年ほどになる建物なので、しかたないだろう。それを見越して、最近、カナダ政府などからの支援で、木造平屋の図書館が二棟できた。木の香りがする素敵な空間ができあがった。

3)この本は、その図書館が23年2月18日に受け入れたものである。ところがご存じのように、その直後に3・11大震災がやってきたために、一般に利用されることはなかった一冊である。仮の新館が最近、2年ぶりにできて、ようやく、私たちも利用できるようになった。

4)そのような時間的なタイムラグがあるので、すでに内容的には、時代に即したものとは言えなくなっている。

5)電子書籍に関しては2010年が電子書籍元年といわれるように、日々、劇的な変化を遂げた。その中での数カ月というのは非常に長い。本書で説明したKindleへの提供フローなどは、執筆時点では日本語に対応していない中、全体の流れを知ってもらうためにあえて紹介した。

 しかし、この本が出版されることには日本でサービスが開始され、いきなり本書では陳腐化しているかもしれない。またAppStoreやKindleStoreへの登録申請なども、そのつど変わっていき、何度も書き改めなければならなかった。そのたびに「この本を出版する意味はあるのか」とまで、自問自答を繰り返したこともあった。p173「おわりに」

6)じつにおっしゃるとおりで、2013年の2月末時点で読む本としては、確かに時期を外しているし、陳腐化してしまっているのは否めない。だが、逆に言えば、わずか2年半前にはこういう状態だったのだ、ということが分かれば、いかに電子書籍、電子出版の環境が急変しているかが分かる。

7)たまたま友人の友人がごく最近電子出版したといこともあり、ごく身近な話題として電子書籍が登場しつつある。仲間たちのなかにも、関心をもつ人たちが多くなってきた。読み手としてよりも、出版する側として、これらの動きに乗ることができるだろうか。

8)自分のコンテンツを「(電子)書籍」としてオフィシャルに展開していきたい場合は、ISBN番号をとることもできる(たとえばアップルのiBooksで書籍販売する場合など)ので、、迷わず取得しよう。 

 流通している「紙の書籍」の裏表紙をみると、必ずどこかに「ISBN・・・・」と記載されている。また表示されているバーコード(必ず2個ある)は、JANコードいい、書店など出版隆々で使用されているものだ。POSなどで読み込み商品管理などにも活用されている。p123「ISBNはだれでも取得できる」

9)登録費用は10書名分の場合は16800円(税込)、100書名分は28350円(税込) (p127)ということである。

10)その他、この書籍にには、詳しい興味深い案内が数々掲載されているが、最新の類書で再確認しなければならないことがたくさんある。

11)これが電子書籍なら、新しくなったらすぐアップデートを・・・となるわけで、どれだけ気持ちの上で楽だっただろうと振り返る。実は、「紙の書籍」でも増刷のつど、校正ミスはもちろん、改正等も含めて集成をしているわけだが、在庫が多い状態では増刷はできない。

 これが「電子書籍」であれば、在庫をそもそも持たないのだから、手間さえ惜しまなければ、「いつでも最新!」を謳うことができる。 

 ここに一つの落とし穴がある。「紙の書籍」では初版時にだけ最大のパワーをかけ、それ以降はさしたる労力を要しなかった。仮に初版時に90%程度の労力をかけたとすると、それ以降の増刷時には10%程度をかけ、10年もすれば書店から本は消え、後は手間いらずだったのだ。

 しかし、「電子書籍」はそうはいかない。「いつでも最新!」であることを読者に求められる。このため、発刊時に「最新」であることはもとより、何らかの法改正や制度の変更、書式の更新などがあれば、永遠に、そして即座にフォローしつづけなければならない。

 「電子書籍に労力はかからない」と考えるのは、文芸書などの出版では正しいかもしれないが、少なくともビジネス書の分野では、点数が増えれば増えるほど、今まで以上の体制を組まないと維持できないことになる。

 「つくる・売る」の跡の「フォローする」方法も常に意識しつつ、電子書籍の世界に挑戦して欲しい。p173「おわりに」

12)なるほどね。実務に通じている人であるからこそ、細かい目配りがある。

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