「郡山遺跡」 飛鳥時代の陸奥国府跡 長島榮一<6>
<5>よりつづく
長島榮一 2009/02 同成社 全集・双書 185p
★★★★★
1)あまりにも「被災ミュージアム再興事業 国史跡郡山遺跡-みちのくの源流を訪ねて-」 が楽しかったので、日を改めて、何回か足を運んだ。ついでにこの本を思い出し、また読み返してみた。
2)雑感をアトランダムにメモしておく。
・今回このような遺跡展を回を重ねて見にいったということは初めてのことだったが、実に、普段の自分の観察眼はいい加減なものだと、痛感した。
・何せ、対して数があるわけではないのに、行けば行くだけ、毎回新しい発見があった。それだけ、凝縮された展示会だったと言える。
・学芸員や研究者の方々、数人の人びとのお話を個別に聞くことができて、実に幸運だった。ひとりひとりの学説なりイメージが違うことに、ある意味ホッとした。
・なにせ1300年の歴史を今掘り起こそうというのだから、諸説あってしかるべきなのである。30年かけてゼロからスタートで国指定の遺跡となったのだから、なんとも素晴らしいことだと思う。
・それが自分の生活圏にあるということに、またまた震えるような感動を持つ。
・今回、特にあらたに気になり始めたのは、周辺に見られる横穴墓群の存在である。時代考証的に、この郡山遺跡の活動期に作られたとされており、そこまで確定する遺跡発掘の科学的考証力に脱帽した。
・近くの宗禅寺横穴墓群を尋ねてみたが、広瀬川河畔にあるとされる遺跡まではたどりつくことができなかった。しかし、そこは見憶えのある風景であった。河を挟んで、それこそ30年前に私たちが瞑想センターを営んでいた地帯だった。
・もっと突っ込んでこのテーマを追いかけたいと思ったら、幸い、5月に「名取川と広瀬川ぞいの横穴墓」という講座が「地底の森ミュージアム」で開催されるようだ。これは見逃せない。
・あらためてこの本をめくり、この表紙になっている石組池が、朝廷側が蝦夷を調伏する際に、なんらかの儀式が行われたことと関わりがある、という解釈がベースになっていることに、あらためて感動した。
・また、ふたたび借景となっている西方の太白山の存在を強く意識したことである。
・太白区内にある西多賀は、実は東多賀と対応しており、その「東多賀」は、四郎丸にある多賀神社であるという。
・郡山遺跡が造営されたのは藤原京の時代であるということで、にわかにこの藤原京とは何ぞや、と興味しんしんとなった。
・郡山廃寺とされているエリアはまだ住宅が密集しており、その心柱が置かれていたと想定しうる位置には、もともと巨石が存在していたらしく、その位置には現在アパートが建っており、発掘が進んでいない。
・郡山遺跡の発掘は、全体の約1割程度が進んだ程度であるという。今後の研究如何によっては、多賀城以上の、歴史的存在価値のがあるエリアになる可能性がある。
・将来は、歴史公園のようなもの成長していく可能性は大である。
・また、その郡山廃寺は、多賀城廃寺に先んじる所数十年前に建設されており、東北最初の仏閣となる可能性が大きい。
・国府としての郡山移籍は、藤原京の2分の1スケール(つまり面積では4分の1)の相似形に作られているが、廃寺は、多賀城廃寺とほぼ同スケールということだから、多賀城遺跡に行けば、実際のスケールを実感できることになる。
・これらの歴史ロマンの中で、私は、朝廷VS蝦夷という対立構造を安易に持ち出すことは好まない。これらの調伏は、何年も間に進んだことであり、人間的タイムスケジュールの中で、読み直してみたいと思う。
・もし、この時代に転生魂多火手が関わっているとすると、廃寺と言われるスピリチュアル活動と、横穴墓群と言われる瞑想エリアの造営の人びとの群れに中にいたはずである。時代は明らかに貞観大津波の時代か、それ以前。
・遺跡から硯や筆と思しき出土品が見られるものの、文字そのものがあまり出土していないことが気になる。もう少し発掘が進めば、新たなる大発見があるかもしれない。
・土器杯に「名取」の文字が線刻されているということだが、私の老眼には、どうしてもそうは見えなかった。実に小さく細い文字である。しかしながら、専門家たちの間では、すでにそれは「科学的」に認知されているようだ。
・ただし、それは地名なのか人名なのか、あるいは他のなにかなのかは、いまだ不明である。廃寺についても、寺名は判明していない。
・展示会でひとりの郷土史家からいただいたプリントが面白い。実にいろいろと、謎が謎を呼んでいるようだ。歴史のロマンに遊ぶのも楽しい。当分、つづきそう・・・。
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