「サイバー戦争」 山田井ユウキ
山田井 ユウキ (著) 2012/6 マイナビ 新書: 216ページ
Vol.3 No.0941★★★★★
1)タイトルからすると、インターネットを通じた国家間の戦争を連想するが、そのことに詳しく触れるのは後半残り3分の1位になってからであり、大部分は、個人のパソコンのセキュリティについての現場報告が続く。
2)個人的に最近、驚異を感じたのは、今をときめく、スマホの無料通話アプリをダウンロードした時である。単にアプリをダウンロードしただけであるのに、すでに、知人や知人の関係者の連絡先が登録されていたことだった。
3)さいわい遊びと仕事用の端末を峻別していたために、「被害」は最小限に留まり、実質的な被害はなにもなかった。だが、少なくとも、私の何人もの関係者の端末から、すでに私の個人情報がダダ漏れしていることを考えると、そら恐ろしくなる。彼らは、きっとそこまで考えていなかっただろう。
4)それからは、スマホにアプリをダウンロードする時は、十分、その説明書きを読むようにしている。端末に蓄積されている情報を、第三者のアプリ管理機関に関知されるのは、希望しない。ネットゲームなどでは、ユーザー間では個人情報を交換するな、と言いつつ、登録にあたって、メアドばかりか、電話番号まで要求するものがある。
5)そういう意味からも、カード払いや、交通機関のパスなどの利用は、最小限に抑えている。
6)最近、メガデータということが言われるようになり、例えば、震災後の人々が、どのような行動をとったか、ということが、ケータイの移動や、車載ナビの動向から、全体を把握する研究が報道されている。だが、この研究は、意義深いものだと感じつつ、疑問にも感じている。
7)匿名とはいえ、個人は全く特定はされないものの、一人一人は、みずからの情報をこのように使われることを最初から知り得ていただろうか。まず、これが一点。
8)次には、積極的に、そのようなデータに非協力的で、GPSをoffにしていたり、そもそもそのような情報端末を持っていない人々が多数存在しているということである。そのようなベースを元に作られたメガデータに、どれだけの信憑性があるだろうか、ということだ。
9)例えば、原発事故のあと、人々がどのような行動をして、どれだけの人が、どれだけの被曝をしたか、などという推測は、一つのテストパターンとしては興味深いが、決して、確たる基礎データとして利用できるものにはなっていない。情報端末を使わない人々が無視される可能性すらある。
10)車載ナビから、ワイパーの稼働率を収集して、当地の降雨率を把握するなどという技術もあるらしいが、今後、周辺の法的な整備も必要になるだろう。
11)個人的には、仕事でネットを使っている以上、セキュリティ強化が求められるし、過去にウィルス等に感染したことはない(はず)。でも、今後も新手の「戦争」が勃発するとなると、やはり、身に降る火の粉は、払わなきゃならない。
12)そういう意味において、この本のタイトルは少し仰々しいが、私たちは今、確かに、サイバー「戦争」のただ中にいるのだ、という自覚は必要だ、と警鐘を鳴らしている。
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