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2013/04/20

「iPadがつくる未来」 1台のタブレット端末から始まるビジネス&ライフスタイル革命 大谷和利 (著)


2011/04/11 アスキー・メディアワークス  (アスキー新書)192 ページ  [Kindle版] 1451 KB 販売: Amazon Services International, Inc. (2012/10/26)
Vol.3 No.0972★★★★★

1)現地時間の2011年3月11日、世界で最も早く米国で第2世代iPad(通称iPad2)が発売された。ニューヨークとミネアポリスのアップルストアで購入者に調査を行ったパイパー・ジャフレイン社のアナリスト、ジーン・マンスター氏によれば、このときのiPad2の購入者の実に7割がiPadは初めてという新規ユーザーだった。p013プロローグ「Before iPad」

2)そうか、そういうタイミングであったか。時差があるから、3・11大震災の方が先だったにせよ、同じ日にこのような二つの出来ごとがあったことは記憶しておく必要がある。

3)iPadのkindleアプリでこの本を見つけた。無料サンプルをダウンロードして途中まで読んでみると、これがなかなか面白い。面白いのにいいところで終わっている。う~ん、これは全文読んでみなければ・・・、ということで全文を読んでみた。

4)発売されたのは2011/04/11となっている。実際の発売日はこれより早かっただろうから、ほとんど3・11と同時にこの本はリリースされたということになる。もし、3・11が起きなかったら、もっともっと、この本やiPad2が大きな話題になっていただろうし、私自身、もっと早くこの本を読んでいたことだろう。

5)私自身は意識していたとは言え、実際にiPadを手に入れたのは今年2003年になってからだ。世代としては4世代ということになる。

6)本屋に行ってみると、タブレット端末についての本や雑誌が所せましと並んでいる。今は、タブレットの機種選びが旬な話題となっている。スマホかiPadか、という選択よりは、現在は、ネクサス7かiPadミニか、という対立軸を中心として回転しているが、いずれにせよ、そのカテゴリの先駆者であるiPadの陰を追っかけている、ということに変わりはない。

7)私もまた、初代iPadでは満足度は大きくなかったであろう。カメラもついていないし、音声認識Siriもついていなかった。そして、ディスプレイもレティーナではなかったので、きっと初代を買っていたら、またまたおいてきぼりを食った感じになったかもしれない。

8)今後、どう展開するかはわからないが、ウィンドウズ8あたりのうろたえぶりをみると、やはりiPadの登場の意義は大きかったといえる。他のアンドロイド機やキンドルが追随するなか、iPadも進化しつづけている。

9)今後、数年のうちに、マックシリーズはクリエイティブ色をより一層強め、コンシューマー向けの販売ではiPadがエントリークラスのノートパソコン型のマックを置き換える。それがアップル社が目指す近未来の姿なのである。p046同上

10)この辺はあたらずとも遠からずだろう。iPadは決してエントリークラス同等品ではない。むしろ、iPadだからこそできることがいっぱいある。いわゆるパソコンが持ってきた機能を選択して、さらに磨きをかけたもの、それがiPadだ。

11)ところで、iPadを使っていて、不都合とまでは言わないが、いつも意識せざるを得ないのは、アドビのフラッシュが使えないこと。訳あってそれを使えないようにしているとは聞いているが、はて、その辺の結末はどうなのだろうか。

12)米国の有名なネット系ニュースサイト「Mashable」が読者中の6000人を対象に行った、Webの将来に適する企画を問う調査の結果でも、HTML5の支持者が61パーセント、フラッシュが28パーセント、双方の共存が10パーセントという結果が出ており、業界標準規格としてのHTML5の普及を望む声が圧倒的な多数を占めた。p060「フラッシュからHTML5への変化を先取り」

13)私自身は、事情をよく知らないので、双方の共存を望む方だが、まぁ、iPadがそう選択したのなら、それに従うことは何も問題はない。だが、実際には、ウェブではまだまだフラッシュが開かずに見れないページは多い。いずれは、フラッシュが消えていくのか、それともアップルが折れるのか(それはなさそうだが)、これは経過観察することにする。

14)世間に流布するiOS対アンドロイド」という構図は部分的に正しい。だが、実際には両者の方向性は微妙に異なり、その使い勝手やエコシステムの違いもあって、互いに棲み分けていくことになると予想される。

 電子書籍をめぐる「iPad対キンドル」という捉え方もそうだが、マスコミは、時にビジネスモデルの異なる2つの技術や製品を採り上げて、対立の構図を作り出したがる。アマゾン社は「キンドル形式の電子書籍データを売る」ことが主目的であるのに対し、アップル社は「iPadそのものの販売がビジネスの糧」だということを見逃してはならない。p173「エピローグ After iPad 対立ではなく棲み分けになるiPadとアンドロイドタブレット」

15)アナリストの「名」分析に、う~む、なるほどと、うなずかないわけではないが、実際には対立構図は存在する。ひとりのユーザーとして、どちらの端末でも、与えられれば、それとなく使いこなし、活用することになろう。ある意味では大きな「違い」はない。

16)しかしながら、実際は、自らの使用目的な嗜好性をきわめていくと、やはり二つの潮流は「大きく」違う。

17)iPadを選ばずアンドロイドを選ぶとすれば、それはよくも悪くも「アンチ」アップル派なのだ。そして、アップルファンなら、間違いなくiPadを選ぶ。そこにある違いは、アップルとグーグルの違いであり、今後のITやウェブの大きな話題(あるいは問題)である。

18)この本、二年前の本であり、事情が良く分かる人には、その分析の可否がもっと明確に判断つくだろう。当ブログとしては、この時点で、すでにこのような分析が成立していたのだ、ということに、ほ~、とため息がつくことばかり。専門分野のことも、他にもいろいろ書いてあり、この本は有益だ。

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