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2013/04/06

「iTunes Uと大学教育 」-Appleは教育をどのように変えるのか? アマルゴン (著, 編集), 林拓也 (著),他


アマルゴン (著, 編集), 林拓也 (著), 大谷和利 (著), 曽我聡起 (著), 西田宗千佳 (その他), 田所 淳 (その他)  ペーパーバック: 160ページ 出版社: ビー・エヌ・エヌ新社 (2012/9/10)
Vol.3 No.0961

1)この一冊が持っている重みは大きい。多分ネット社会ばかりではなく、全教育界、全人間社会のあり方を変えてしまう可能性がある。すくなくとも、当ブログのささやかな試みなど、一発でぶっとばされてしまう。

2)確かに、Googleは世界中の情報を集めることができる。Wikipediaは、集合知を即座に得ることができる。Twitterは世界に向けてつぶやくこともできるし、Facebookはだれとでもつながることが出来る。しかし、iTunes Uがやろうとしていることは、全く別なことだ。

3)Googleが、もし世界政府が樹立されたら必要とされるシステムを作り上げようとしているとするなら、iTuneは、世界中の大学機関を初めとする教育機関をすべてつないでしまおう、という試みだ。

4)GoogleやTwitter、Facebookが、アラブの春や、閉鎖空間の解放に寄与し、創造のための破壊を助長しているとするなら、iTunes Uは、その破壊のあとに来るべき創造に向けての、積極的なビジョンの作成に寄与していると言える。

5)具体的にiTunes Uがやろうとしていることは、各大学の講義や研究をオープンにしようということである。各大学、各分野、各レベルの現在進行形の学術研究を、一列に、一つのフォーマットにならべてしまおう、という試みである。

6)ようやく電子書籍が一般化するかもしれない、などという現在のウェブ社会のレベルの、ずっと先のレベルを見つめているプロジェクトである。また、それが単にアイディアや企画にとどまっているわけでなく、具体的なシステムを提示し、実務的に動き出しているのだ。

7)大学の講義作りに寄与し、また、研究そのものの方向づけに影響を与えている。アカデミアの住人たちにとっても、うかうか安眠を貪っている訳には行かなくなるだろう。

8)私たち、一般の市民やユーザーは、この動きから決して取り残されてはいない。最初にやるべきことも、至ってシンプルである。

9)まず、自らの端末にiTunes Uのアプリをインストールすることである。そして多分、やるべきことは、これだけである。あとは、思いのママ、楽しむだけである。

10)既にありとあらゆる分野の研究がオープン化されている。各大学の個性が際立っている。そしてこれから、それぞれがもっともっと磨きをかけて登場し続けるだろう。

11)図書館がオンライン化された、大学の図書館がオープン化された、というレベルを超えた、もっと大きな、そして、もっと本質的な知のイノベーションが始まろうとしている。知識とは何か、大学とはなにか、が、更に問われることになるだろう。

12)そして、そもそも学問とは、人間自らの存在意義を探求するものであるかぎり、人間自らのを見つめる目が、更に成熟することになるであろう。ないしは、そのように使われなければ、意味をなさないシステムとして、このiTunes Uは、檜舞台に登場しつつある。

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