iTunes U「東日本大震災緊急シンポジウム」 by 関西大学社会安全学部
関西大学社会安全学部 2011/03/30講演 2011/8/31公開
Vol.3 No.0962★★★★★
1)いろいろな興味深い講義はあったけど、まずiTune Uにアクセスして、このシンポジウムのビデオ記録を見てみた。9つのセクションに分かれており、視聴におよそ4時間かかる。
2)すでに二年前の記録なので、かならずしも内容的には貴重とは言えない。しかしながら、震災後三週間という時期に、被災地でこのようなシンポジウムが開かれるなんてことは考えられなかった。
3)震災地に最も近い石巻専修大学は現地に入ったボランティア達のベースキャンプになっていた。全体としてシンポジウムするなんて考えられなかった。
4)関西大学という、遠く離れた大学だからこそ行い得たシンポジウムではあっただろうし、「社会安全学部」という稀な研究学部だったらこそ、すぐに対応できたのであろう。
5)
1 Video.緊急シンポジウム開催にあたって
2 Video.巨大複合災害としての東日本大震災
3 Video.地震のメカニズムと特性
4 Video.津波のメカニズムと特性
5 Video.原子力発電所の被災とその影響
6 Video.ライフラインの被害とその影響
7 Video.マクロ経済への影響と経済復興
8 Video.ボランティアの課題
9 Video.パネルディスカッション
6)問題意識は震災直後に、すでに把握されていた。16年前に阪神淡路大震災を経験していた関西エリアだけであって、対応は早かったといえるだろう。
7)被災地からすれば、過去の災害と比較されたりするより、とにかく早く何とかしたい、なんとかしてくれ、という感情が強かった。「遠いところから」の意見など、聞く耳を持つ余裕がなかった。だが、「遠く離れていた」からこそ、全体を把握できていた、ということもできるだろう。
8)2年が経過してみれば、最初の最初から把握されていた問題点が、場面によってはまったく解決されていないじゃないか、という焦りもでてくる。それだけ問題が巨大すぎているともいえる。
9)「被災地」に住む一人として、かなり複雑な心境だ。ひとつひとつの喪失感。ことばにすらならない感情。なぐさめられても、なんにも変らない焦躁感。その半面、思いもよらないボランティアたちのヘルプ、多くあたかい気持ちには、ことばを越えた感謝の気持ちがわき上がってくる。
10)このようなシンポジウムが、震災直後に開かれていたという事実を、二年後になって初めて知るわけだが、これもまた、時間を越えた温かいヘルプに思えてくる。このような取り組みが各地でなされていたこと。問題意識を同じくしてくれていたこと、具体的な方向性の模索がなされていたこと。
11)なにはともあれ、個人的な記録や意見、ランダムな思いつきではなく、組織だった取り組みとして、このような記録があり、意見を統一しようとしていた動きがあったのだ、と再認識する。
12)iTunes U という試みの中で、このようなシンポジウムの記録を見ることができたのは、貴重な体験であった。
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