大沼 安史・翻訳 「超」学校―これが21世紀の教育だ<1>
ダニエル グリーンバーグ (著), Daniel Greenberg (原著), 大沼 安史 (翻訳)
1996/12 一光社単行本: 282p
Vol.3 No.1002★★★★★
1)翻訳者が関わる、いわゆるフリースクールの訳書は他にもありそうだが、もっとも基本的なスタートの位置にあったのが、この訳業であろうか。まずは「超」のつく三冊がシリーズで読める。
2)1968年、あるユニークな実験校が、マサチューセッツのフラミンガムに登場しました。サドベリー・バレー校((Sudbury Valley School)。
4歳から19歳までの子どもたちを受け入れている学校です。そこでは、幾多の非常に革新的な実践が、パイオニア的に続けられてきました。そして、それは今や、広範は承認を得るに至っています。世間から100%完璧に認められた、過去に例のない最初の学校なのです。p13(序文)
3)興味をそそられる一冊である。
4)訳者(大沼)が偶然「サドベリー・バレー・スクール」を知ったのは、1984年のことです。場所は、米国コロラド州ボールダー。p7大沼 「訳者による、かなり個人的な道案内(はしがきに代えて)」
5)そもそもが管理された学校や教育というものに対してミスマッチな私は、自らの子供たちが成人して手を離れた今、あえて、学校や教育問題をわがものとして考えるには、すこし手にあまることになる。
6)しかしながら、当ブログにおけるプロジェクト567の4は「子ども」たちなのであり、子どもたちを思うことは、彼らの環境を考えることであり、彼らを取り巻く教育や学校を具体的に考えていくことにある。
7)これらの本の翻訳シリーズが1996年という年代を区切ってスタートしていることに興味引かれる。
8)それから11年---。ますます個人的なことになって恐縮ですが、私は長年勤めていた新聞社を昨年(1995年)7月、定年まで15年を残して中途退社し、故郷の仙台へUターンしました。そして、ことし(1996年)4月、宮城教育大学の非常勤講師として「オルタナティブ(新しい)教育論」を講義する機会を得たのです。p9大沼 同上
9)教育の専門家でもなく、ましてや緊急の課題でもなくなってしまった当ブログが、この本の提示しているテーマを深く追っかけることはしない。ただ、この時点で訳者がこのような仕事を続けていた、ということには注目しておかなければならない。
10)一冊目の「『超』」学校 これが21世紀の教育だ」(1996/12)の原題は「Free at last」。第二作目の「『超』教育 21世紀教育改革の指針」(1998/12)の原題は「Education in Amerika」。第三作目の「『超』育児 潜在能力を壊さない子育て 出産から6歳まで」(1999/04)の原題は「Child Rearing」。いずれも、原題を意訳した、意欲的なタイトルの付けたかたである。「超」の使い方が個性的に思える。
11)考えてみれば、まずは「学校」問題があり、その「教育」が問われ、そもそもの「育児」に遡る、というのは、しごく当然な流れであり、訳者としては、そのような構成の中で、自らの訳業をすすめていたのだろう。
12)2013年のごく最近になって出版されたゲーリー・スナイダーの最新の訳書は「For the Children 子どもたちのために」(新泉社 2013/4)だそうだ。まだ未読だが、実に的を得たタイトルのように思える。
13)私にとって小さな子どもと言えば、自分の孫たちを考えざるを得ないが、まさにこの世をこれから生きていくのはこの子どもたちなのであるし、あるいはその子どもたちもやがては現在アラ還の私たちのような年代になるのである。
14)そういった意味においては、私たちもまた、長く地球に生きてきた子どもたちでもあるし、、「学校」、「教育」、「育児」が、もっとも根源的で重要かつ緊急の課題であることは、論をまたない。もっとも本質的なテーマである。それはもっぱら自らのテーマでもあるはずなのである。
15)そのような大きな流れの中で、いずれこの三部作を含めた訳者によるフリースクールシリーズを、全体的に捉えるチャンスもくるだろう。今は、その著書の存在を確認しておくにとどめる。
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