「危ない携帯電話―それでもあなたは使うの? 」(プロブレムQ&A) 増補改訂版 荻野 晃也 (著)
2007/11 緑風出版 単行本: 231ページ
Vol.3 No.0990★★★☆☆
1)「高周波の電磁波は身体に良くない」ということは第二次世界大戦の時から知られ始めたのです。日本軍は、殺人兵器として開発を進めていたことは良く知られています。p36「電磁波問題の浮上」
2)これほど鋭角的な表現はこの本の中でもこの部分だけではあるが、もしそうだとした場合、第三者に対する攻撃的武器として電磁波発生装置が使用される可能性はあるかもしれない。
3)メラトニン 脳の下部にある「松果体」という組織から分泌される脳内ホルモン。「松ポックリ」に似ているトウモロコシの一粒ほどの大きさの組織です。夜の睡眠時に増えるホルモンで、生体リズムと関連があるといわれており、抗ガン作用、抗菌化作用があると考えられます。
メラトニンの果たす役割が明らかになってきたのは、90年代になってからで、予想以上に重要なホルモンであることが明らかにされています。p90 脚注
4)この本と、当ブログの趣味の範囲をすり合わせていくと、なんとか、この辺にリンクを見つけることができるかもしれない。
5)松果体はフランスの哲学者であるデカルトが「第三の目」と名づけた組織として知られています。すなわち人間の組織で左右対称に二つあるものは、一つだけでも機能するはずです。大脳も左右あるからだそうです。だが、松果体はひとつしかない。心臓もひとつしかない。こういうものは生物にとって極めて重要な組織だとデカルトは考えたのです。
そこでデカルトは松果体のことを、「魂の座」とよび「第三の目」と名付けたわけです。インド仏教でも、第三の目が描かれていますが、これも松果体を示しています。p130「脳内ホルモン、メラトニン」
6)興味深い記述ではあるが、単純には著者の教説に首肯するわけにはいかない。おおざっぱな話題の提供ではあったとしても、実は、ここから先がもっと深みのある領域なのである。
7)松果体のメラトニンなどの働きがわかってきたのは94年以降の本当に最近のことなのです。それとともにメラトニンが乳ガン、アルツハイマー、躁鬱病、といった症状と関連しているらしいという研究がたくさん出てきました。デジタル高周波被爆で影響を受けるという研究もあります。p131 同上
8)この辺がまた、本書の主テーマとのリンクの部分でもある。
9)原発問題では大手の出版社も欧米の出版物をどんどん翻訳したのですが、電磁波問題ではそのような傾向が全くみられません。「緑風出版」が健闘しているくらいではないでしょうか?p70脚注「原発と電磁波」
10)著者は1940年生まれの科学畑の人。大学の講師なども務めたあと定年退職して「電磁波環境研究所」を主宰されているという。科学情報のパッチワークという感じで、なるほど、と思いつつも、いまいちテーマがまとまらない。この手の話題が、この本の出版元である「緑風出版」に偏る訳がわかるような気がする。
11)確かに、電磁波の悪影響はまだ、完全に科学的に立証されたわけではありません。(中略)科学技術の多くが完全に安全性が立証されたものではなく、私たちは「自然界や生命に対して無知なのだ」という謙虚さを持って対応することが必要なのではないでしょうか? p228「生物と電磁波」
12)一般には電磁波問題や電磁波過敏症という話題は実に奇妙な問題で、すぐに理解を示せる人はそう多くないだろう。そしてまた、身の回りを見てみれば、いつの間にか、数百メートルの間隔で、奇妙な形のアンテナ鉄塔群が、にょきにょきと出現し続けていることも事実である。これは人間界の現在進行形の現象である。
13)この周辺に何らかの軋轢が発生している可能性に対しては、常に配慮しなければならない。しかし、現在の当ブログの眼目である、「第三者に対する攻撃的武器としての電磁波発生装置」についての、具体的な指摘は、当然のことではあるが、見つけることはできない。
14)この本の切り口は「携帯電話」である。それが持っている諸問題が多面的であるにせよ、一人のユーザーとして「危ない携帯電話」を「それでもあなたは使うの?」と問われれば、この本自体が出している結論は、イヤホーン・マイクを使って、自らの携帯電話が発生する電磁波から、自らの脳を、守ろう、というところが落としドコロである。
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