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2013/06/09

For the Children 子どもたちのために ゲーリー・スナイダー<1>


ゲーリー・スナイダー (著), Gary Snyder (著), 山里 勝己 (編集, 翻訳), 高野 建三 (写真)2013/4/23 新泉社 単行本: 143p
Vol.3 No.1024

1)順番でいけばこの本は、当ブログにおけるVol.3の1012冊目ということになるのだが、当ブログは1024冊目でVol.3が終了するので、この本を持って2010/04/13から続いてきたVil.3を終了したい。そのため便宜上、この本を1024冊目、と称することとする。

2)間にあるべき他の12冊もすでにほぼリストアップされている。それらの方向性はまちまちに見えはするが、実はこの本にすべてリンクしていると考えてもおかしくない。あるいは、この本にリンクしているのだ、ということを確認しないと、わずか12冊なのにバラバラで、何を志向しているのかわからなくなるかもしれない。

3)最初はこの本のタイトルを「ゲーリー・スナイダーの世界」にしようという提案があった。しかし私自身はあまり乗り気ではなかった。というのは、(私の多くの詩がそうであるように)この本には女性や子どもたちや犬やトラックやさまざまな道具が存在しているからである。p6「序文」ゲーリー・スナイダー

4)この本のタイトルは、スナイダーの「亀の島」の詩から取られている。

5)子どもたちのために

上昇する
統計の丘、その険しい斜面が
ぼくらの前に横たわる。
すべてが急に
上がっていき、昇っていき、
ぼくらはみんな
落ちていく。

次の世紀
あるいはそのまた次の世紀には
谷間や牧草地があり、
うまくいけば
ぼくらはそこで
みんなで平和に会えるという。

やがてくるこのような頂を越え行くために
きみたちにひとこと、きみたちと
きみたちの子どもたちに-----

離れず
花々から学び
身はかろやかに
   「亀の島」より p88

6)写真がふんだんに含まれている。この本は、ほとんど、一緒に再刊された山尾三省との対談集「聖なる地球のつどいかな」 (野草社+新泉社 2013/4)の続刊である。あるいは、この本があってこそ、かの本は完結する、といってもいいかもしれない。

7)当ブログがこれから10日ほどの間に読む他の10数冊の本は、精神として、すべてこのルーツとつながっている。あるいは、この本と対比させることによって、当ブログの精神性を浮き上がらせたい。

8)この本に書かれていることが全て正しくて、修正の必要がなくて、議論の余地がない、とは思わない。ある部分においては、いささか腹ただしい部分もないではない。しかし、それはそれとして、この本と、当ブログの距離感こそが大切なのであり、当ブログには当ブログが依って立つべきプレイスがあるのである。

9)まずは、この本にであえてよかった。

<2>につづく

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