The Back Country 奥の国 Gary Snyder <3>
「The Back Country」 奥の国 <3>
Gary Snyder (著) 1968 ペーパーバック: 150p 出版社: New Directions; New版 言語 英語,
★★★★★
1)もし今、ゲーリー・スナイダーから、当ブログの好みで三冊を選ぶなら、次のようになるだろう。
・「聖なる地球のつどいかな」 1998/07
・「ゲーリー・スナイダー・イン・ジャパン」 『現代詩手帖』2012年7月号
2)The Back Country は、その語感から察することができるように、スナイダーが宮沢賢治に啓発されながら、芭蕉の奥の細道を意識しながら、東北を思って訳出した詩集である。それは、1950年代のことで、スナイダーが、禅や東洋と、アメリカにおけるカウンターカルチャーを併せ持っていた時代の作品である。
3)「聖なる地球のつどいかな」は、三省との対談集ということで、もう、これしかない、という入れ込みがある。「For the Children 子どもたちにために」(2013/04)は、この地球のつどいを補完する別冊という位置付けである。
4)そして、現代詩手帖に特集された「ゲーリー・スナイダー・イン・ジャパン」(2012/07)は、ごく最近のスナイダーの近況ということになるだろう。私はこの特集に、ちょっとがっかりした。
5)しかし、本当にそれは正統な感想だろうか。確かに3・11後に当ブログが一番最初に読み始めたはスナイダーだった。スナイダーに助けて欲しかった。いまこそスナイダーの出番だと思った。しかし、それは、本当だろうか。スナイダーだって、あの3・11の前では、何もできないのではないか。期待するほうが無理だろう。
6)「The Back Country 奥の国」は、イーハトーブの宮沢賢治記念館にも、大きなスナイダーの写真とともに飾ってあった。スナイダーと東北をつなぐ、大きな記念碑だ。
7)本当のこと言って、宮沢賢治だって、3・11の前には何もできない。今、年老いたスナイダーに、何ができるだろう。何をお願いすることができるだろう。
8)ただ、スナイダーのことを考えていると、なにか沸々とした力が湧いてくる。何かスナイダーにして欲しいというのではない。心の中にできた隙間に、ふとそこにスナイダーを入れていると、温かくなる、というだけのことだ。
9)現代詩手帖の特集だけでは情けない。地球のつどいだけでも、どこかむなしい。Back Country があったればこそ、ここに力強いトライアングルが生まれる。
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