こころでからだの声を聴く<16>
「こころでからだの声を聴く」 ボディ・マインド・バランシング<16>
OSHO /マ・アナンド・ムグダ 2007/11 市民出版社 単行本 247p 附属資料:CD1目次
2.身体から分離した感覚
質問:私は自分の身体が感じられません。どうしたら、もっと接触できるでしょうか?
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第一は、身体に帰ること。自分の身体とつながっていないとしたら、大地とつながっていないということだ。私たちは根づいておらず、根を持っていない。そして、身体に根づいていなければ、何も行えない---何ひとつ。ひとたび身体に根づけば、すべてが可能になる。
また、嫉妬、所有欲、そして貪欲といった問題はすべて、根づいていない状態に状態に含まれる。その恐れから独占欲がはたらき、その恐れから誰のことも信用できず、強い嫉妬が訪れる。実のところ、私たちは自分自身のことも信頼できない---それが問題だ。大地に根を持っていないのに、どうして自分自身を信頼できるだろう? 信頼は、あなたが大地に深く根づいたときに訪れる。すると、何がやって来ようとも、あなたはそれに耐え、直面することができる。そして、他人にすがらなくなる---その必要はない。あなたは充分、独り立ちしている。
だから第一のステップは、もっと身体に根づくことだ。もっと身体を感じ、身体を動かすことを楽しみ、朝走ってみるといい。そして、自分の身体を楽しみ、走っているエネルギーを感じる。泳いでもいい。自分の身体、川、そして水の感触を楽しむ。軽く走り、踊り、太陽を浴び、空中でジャンプするのもいい。そして身体を再び歓びに震えさせるのだ。
まず、こうしてごらん。できるだけたくさん深呼吸をする。ひとたび自分の身体に馴染み、再び自分の身体の中で生きるようになれば、問題は十中八九、消え去るだろう。
これは、人々を自分自身から遠ざけるために社会が用いてきた策略のひとつだ。社会はあなたを身体から切り離してしまった。そのため、あなたは機械の中の幽霊のようになっている。あなたは自分の身体の中にいるけれども、いない---ただ、まわりを浮遊しているだけだ。自分の手に有人の手を取っても、それは死んだ手の中の死んだ手にすぎない---何の感情も、詩情も、喜びもない。たべても、あなたは自分に詰め込むばかりで、味覚は失われている。眩(まばゆ)い存在を見ても、ありのままには見ない---ああんたは冴えない色、灰色、くすんだ色を見る。音楽を聞いても、ただ音がすべっていくだばかりで、音楽は失われている。
だから数ヶ月間、何でもいいから、身体に関わることを楽しみなさい---ランニング、ジョギング、遊戯、跳びはねること、踊り、歌、山の中で叫ぶこと。子供時代を呼び覚ましなさい! そうすれば、自分が再び生まれるような感じがし始めるだろう。幼虫が蝶になるときと、まさに同じような感覚を感じるだろう。
3、肩こり、首の痛み
質問:私はビジネスマンですが、ビジネスの世界ではひどく肩がこります。医者は、それは心身相関的なものだと言い、鎮痛剤で治そうとするのです。
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二・三のことが非常に大きな助けとなるだろう。ひとつはロルフィングまた深層筋マッサージ、もうひとつは針だ。
痛みは消えるだろう---心配するには及ばない。いくつかのことを覚えておくといい。ひとつ。カナダの精神分析医であるハンス・セリエ医師は、生涯ひとつの問題について一筋に研究してきた---それはストレスだ。そして彼は、ある深淵な結論に達した。そのひとつは、ストレスは常に悪いものとはかぎらないということだ。ストレスは、すばらしい使い道がある。それは、あながち否定的なものではない。否定的にとらえ、良くないものと見なしたら、問題を生み出すことになる。ストレス自体は踏み石として使うことができ、創造の力にもなり得る。だが一般的に、私たちは長いことストレスは悪いものだと教わってきた。どんな種類のストレスにさらされても、私たちは恐れる。そしてその恐れが、ストレスをさらに強める。状況は改善されない。
たとえば、ビジネスの世界にはストレスを生み出している何かがある。この緊張、このストレスを感じた瞬間、そうなってはならないと恐れが生じる---「リラックスしなければ」と。このとき、リラックスしようとしても無駄だ。なぜなら、リラックスできないからだ。実のところ、リラックスする試みは、新たな種類のストレスを生み出す。ストレスはそこにあり、あなたはリラックスしようとするが、できない。だから、あなたは問題を複雑にしている。
ストレスがあるときは、それを創造的なエネルギーとして利用しなさい。まず、それを受け容れる。闘う必要はない。受け容れなさい。それは完全に申し分ない。それは「ビジネスがうまくいっていない、何かが間違っている」とか「お前は損をするかもしれない」などと言っているだけだ。ストレスとは、身体が闘う準備をしているしるしに他ならない。このとき、リラックスしようと試みたり、鎮痛剤や鎮静剤をとったりしたら、身体に背くことになる。身体はある状況に挑む用意をしている。何らかの挑戦がある。挑戦を楽しむことだ!
たとえ、ときどき夜眠れないことがあっても、心配する必要はない。それを理解し、湧き上がってくるエネルギーを利用しなさい。階段を昇り降りしたり、走ったり、長い散歩に出たり、やりたいこと望んでいることを計画したりするといい。眠ろうと試みるより---それは不可能だ---状況を創造的に使いなさい。エネルギーは、ただこう言っている---身体には問題と闘う準備がある。リラックスしている場合ではないと。リラックスは後でもできる。
実のところ、全身全霊でストレスを生きたら、自動的にリラックスが訪れる。あなたが持ちこたえられるのは、さほど長くない。身体は自動的にリラックスする。途中でリラックスしたいと望むと、問題が生まれる。身体は途中でリラックスしたいと望むと、問題が生まれる。身体は途中でリラックスできない。それは、オリンピックのランナーが位置につき、笛や合図を待ち、スタートをきって風のように駆け出すようなものだ。走者はストレスに満ちており、今はリラックスしている場合ではない。鎮静剤などとったら、かれは競技で使いものにならなくなってしまう。あるいは、リラックスして超越瞑想でもしようものなら、すべてに負けてしまう。彼は、自分のストレスを利用しなければならない。ストレスは煮えたぎっており、エネルギーを呼び集めている。彼は、ますますエネルギッシュになり、可能性に溢れてきている。今はこのストレスに同調し、それをエネルギーや燃料として使うべきだ。
セリエは、こうした種類のストレスに新しい名前を与えた。彼はそれを多幸感---ユーフォリア(euphoria)のように、ユーストレス(eu-stress)と呼ぶ。それは肯定的なストレスだ。ランナーは、走り終えると深い眠りに落ちる。問題は解決された。もはや問題はまったくない。ストレスは自ずと消え去る。
だから、こんなことも試してみなさい。ストレスに満ちた状況のとき、過度の心配したり恐れたりしない。その中に入り、それを闘うために利用する。人は途方もないエネルギーを手にしており、利用すればするほど、さらに多くのエネルギーを手にすることになる。
ロルフィングも助けになるだろう。それは、あなたがリラックスするのを助けるのではなく、ただあなたの筋肉構造を変え、あなたをよりエネルギッシュにする。だから、ロルフィングを試してみるといい。
ストレスが訪れ、闘いの状況があるとき、できることは何でもしなさい。心から熱烈に、それは没頭する。それを許し、受け容れ、歓迎する。ストレスは良いものだ---それは、あなたが闘う準備を整える。そして、それを解決したら驚くだろう---無上のくつろぎが訪れる。そのくつろぎは、あなたが生みだしたものではない。たぶん、あなたは2、3日眠れず、それから48時間、起きられないだろう。それで申し分ない!
私たちは、多くの間違った観念を持ち歩く。たとえば、人は1日8時間、睡眠をとらなければならないといったことだ。それは状況による。睡眠が必要ない状況もある。自分の家が燃えているのに眠ろうとする---さあ、そんなことは不可能だし、そうすべきでもない。さもないと、誰がその火を消すだろう? 家が燃えているときは、他の一切は脇に置かれる。あなたの身体は、とっさに火と闘う準備をする。眠気など感じない。火が消え、一件落着すれば、長い眠りに落ちるかもしれない。それでいい。
また、誰もが同じ量の睡眠を必要とするとはかぎらない。3時間、2時間でも充分な人もいるし、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間必要な人もいる。人々は異なる。標準はない。ストレスについても人それぞれだ。
世の中には二種類の人たちがいる---ひとつは競走馬とでも呼べるタイプ、もうひとつは亀タイプだ。競走馬タイプが、急ぐことや手早く物事をこなすことを禁じられたら、ストレスが生じるだろう。彼には彼なりのペースが与えられるべきだ。そして、もしあなたが競争馬タイプなら、くつろぎやそうした類のことは忘れてしまいなさい。それらは、あなた向きではない。それらは亀タイプの人向きだ。だから、ただ競争馬でありなさい。それがあなたにとって自然なことだ。そして、亀たちが楽しんでいる喜びに思いを巡らしてはいけない。それは、あなた向きではないのだから。あなたは別の種類の喜びを楽しめる。もし亀が競走馬になろうとしたら、同じ問題を抱えることになるだろう!
あなたはビジネスの世界から抜け出すこともできる。それは実にたやすい。マインドは「ビジネスの世界から抜け出せ、そんなことは忘れてしまえ」と言うだろう。だがそうすると、あなたは気分がすぐれなくなる。あなたは、もっとストレスが湧き起こるのを感じるだろう。なぜなら、自分のエネルギーを使っている感じがしないからだ。
だから、自分の本性を受け容れなさい。あなたは闘士である戦士だ。そうあるべきであり、それがあなたの喜びなのだ。もはや恐れる必要はない。全身全霊でその中に入りなさい。ビジネスの世界と闘い、心から望むことを一つ残らず実行しなさい。結果を恐れることはない。ストレスを受け容れなさい。ひとたびストレスを受け容れたら、それは消え去る。しかもそれだけではなく、あなたはとても幸せになる。なぜなら、あなたはストレスを活用し始めたからだ。それは一種のエネルギーだ。
あなたが競走馬タイプなら、リラックスしなさいと言う人々に耳をかしてはいけない。それはあなた向きではない。あなたのくつろぎは、重労働をしてはじめて獲得され、訪れる。自分のタイプを理解すること。そうすれば問題はない。あなたは明確な道を辿ることができる。ストレスは、あなたの生きるすべとなるだろう。 OSHO p102~109
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