こころでからだの声を聴く<13>
「こころでからだの声を聴く」 ボディ・マインド・バランシング<13>
OSHO /マ・アナンド・ムグダ 2007/11 市民出版社 単行本 247p 附属資料:CD1目次
◆笑ってひとつになる
ユーモアはあなたのばらばらな断片をつなぎ、ユーモアはあなたの欠片(かけら)を付け合せ、ひとまとまりにする。観察したことはないだろうか? 豪快に笑うと、突然あらゆる欠片が消え去り、自分がひとつになることを。笑うとき、あなたの魂の身体はひとつだ---それらは共に笑う。考えるとき、あなたの身体と魂は分かれている。泣くとき、あなたの身体と魂はひとつだ---それらは調和のうちに機能している。
いつも覚えておきなさい、あなたをひとつのまとまりにすることは良いことであり、あなたのためになる。笑うこと、泣くこと、踊ること、歌うこと---それらはどれも、あなたの調和として機能する。頭の中では思考が続き、身体は無数のことをやり続ける---あなたは食べ続け、マインドは考え続けるだろう。これは断片だ。あなたは通りを歩く---身体は歩いており、あなたは考えている。でも、通りのこと、街路樹のこと、太陽のこと、通り過ぎる人々のことを考えているわけではない。他のこと、他の世界のことを考えている。
でも、笑ってごらん。そしてその笑いが本当に深ければ、それが唇だけでの見せかけの笑いでなければ、突然あなたは、自分の身体と魂が一緒に機能しているのを感じるだろう。それは身体の中だけに留まらず、ああんたの核の最深部にまで達する。それはまさにあなたの実存から湧き起こり、周辺へと広がっていく。あなたは笑いの中でひとつになっている。
ニューイングランドのリゾートタウンに、ある男がいた。実に器量の悪い男だったので、彼は町の人間が思いつく、ありとあらゆるからかいの的だった。休暇でリゾートを訪れた整形外科医は、彼の醜さに閉口し、無料で男の顔を変えてあげようと申し出た。「実のところ」彼は言った、「とてつもないことだが、君をニューイングランドでいちばんのハンサムにする整形手術をしてあげよう」
メスを入れる直前に外科医は言った、「顔お完全に、すっかり変えてほしいかね?」
「いや」男は答えた、「やり過ぎないでください。この顔が誰なのか、誰がそんなにハンサムなのか、仲間にわかってもらいたいのですからね」
これが、エゴのはたらき方だ。あなたは、この顔が誰なのか、誰がそんなに、仲間にわかってもらいたい。こんなに柔和で謙虚な人物は誰なのか、行列の後尾に立っている人物は誰なのか、仲間にわかってもらいたい。たとえその程度でも欲望があるなら、エゴは完全に生きており、成長しているということだ。何ひとつ変わってはいない。全面的な変化こそが、変化だ。
サミー・ゴールドバーグは株で多額の金を喪い、悲惨な状態に陥った。彼は医者を訪ねて言った、「先生、先生、手の震えが止まらないんです」
「はてさて」医者は言った、「酒はたくさん飲むのかね?」
「飲めません。たいてい、こぼしてしまいます」とサミー。
「そうか」と医者は言い、サミーを念入りに診察し始めた。終了すると彼は言った、「で、腕がちくちくして、膝が痛み、急に目眩(めまい)の発作に襲われるのかね?」
「はい、その通りです」とサミーは答えた。
「そいつは奇妙だ。私も同じだ・・・・・これはどうしたことか!」と医者。
そして、しばらくノートを調べてから目を上げて言った、「それで、こんなことは以前にもあったかね?」
「はい、ありました」とサミー。
「さて、それなら大丈夫」。医者は次の患者お呼ぶブザーを押しながら答えた。
「また、そうなったということですな!」
医者に行ったフレッドが帰って来た。彼はつらそうだった。彼は妻のベッキーに告げた---夜が明ける前に死ぬだろうと医者に言われたと。彼女は彼を抱きしめ、二人は少し泣いた。ベッキーは、早くベットに行って、もう一度愛を交わしましょうと言った。
ベッキーが寝てしまうまで、二人は愛を交わした。だが、フレッドは眠るのを恐れた。これが自分の地上で最後の夜なのだ。ベッキーがいびきをかいている間、彼は暗闇の中に横たわっていた。
フレッドは妻の耳元でささやいた、「ベッキー、お願いだ。頼むから、あと一回だけ」。だが、ベッキーはいびきをかき続けていた。
フレッドは自分の腕時計を見ると、妻の上に身を乗り出し、彼女を強く揺さぶった。「お願いだ、ベッキー。頼むから、あと一度だけ!」
ベッキーはちらっと彼を見て言った、「フレッド、どうしてそんなに身勝手なの? あなたはいいでしょうけど、私は朝起きなきゃいけないのよ」
老人たちは皆、そうしたことを至るところで、どの家庭でもやっている---自分の親族の平安を試すために。
サミー・ゴールドバーグは、とても悲しそうだった。妻が病気だったのだ。そこで彼は医者を呼んだ。ゴールドバーグ夫人を診察して、医者はサミーに告げた、「悪い知らせだと思いますが、奥様はあと数時間しか命がありません。手は尽くしたということをご理解なさってください。ご自分を苦しめてはいけませんよ」
「いいんです、先生」、ゴールドバーグは言った、「私は40年間、苦しんできました。あと数時間ぐらい、どうってことないですよ」
ちょっと、健康の定義を思い出してごらん。自分の身体をまったく感じないとき、あなたの身体は健康だ。あなたは、頭痛がしてはじめて自分の身体を感じる。頭痛がしないときは、頭もない---それはとても軽くて重みがない。脚が痛むとき、ああんたには脚がある。痛まないなら、脚は不在だ。身体が健康なとき---私の健康の定義とは、身体の存在をまったく自覚していないということだ。そこにあろうとなかろうと、違いはないということだ。
そして、健全なマインドについても同じことが当てはまる。常軌を逸したマインドだけが、感じられる。マインドが正常で静かなら、それは感じられない。身体とマインドの両方が静寂の中にあれば、魂はもっと簡単に体験できるだろう---笑いと共に。深刻になる必要はまったくない。
サミー・ゴールドバーグは、金のことを心配してひどく憔悴感を覚え、医者に行った。「リラックスすることです」。医者は命じた、「ちょうど2週間前、仕立屋の請求書が払えなくて心配している患者がいましてね。私は彼に、そんなことは忘れてしまいなさいと言いました。今では元気ですよ」
「知ってます」とゴールバーグ。「私がその仕立て屋なんです」
さぁ、さまざまな状況がある・・・・。だが、ちょっと注意していれば、サミー・ゴールドバーグの状況でさえ、あなたは笑うだろう。そうした滑稽な状況は、いたるところで見つかる。生はそんなことであふれている。
ある男が、ざっと12人の子供と一緒にバスに乗り込んだ。小柄な老婦人が、みんなあなたの子供なのかと彼に尋ねた。
「もちろん違います」と男は答えた。「私は避妊薬の営業をしているんですが、この子たちはみんな苦情(クレーム)なんですよ」
ちょっとまわりを見回してごらん。そんな状況がたくさん見つかるだろう。それらを楽しむ術(アート)をまなびなさい。
ジョーが犬に噛みつかれた。傷が治るまで長いことかかったため、医者に行ったところ、医者は犬を連れてきなさいと命じた。医者が懸念したとおり、犬は狂犬病にかかっていた。「君に免疫血清を投与するのは遅すぎたようだ」と医者はジョーに言った。
ジョーは医者の机の前に座ると、一心不乱に書き始めた。「たぶん、そんなに悪くないと思うね」と医者は慰めた。「今すぐ遺言状を書く必要はないよ」
「遺言状を作成しているわけじゃないんです」とジョー。「これから私が噛みつく人たちのリストを書いているんですよ」
もし、為すすべもなく気が狂っていくのなら、どうしてチャンスを利用いない? こんな、すばらしいチャンスを・・・・。
生を楽しみ、そこらじゅうにある出来事の滑稽さを笑いなさい。神に寺院までの道のりの間、ずっと笑っていなさい。充分に笑った人たちは到着してきた。深刻な人たちは、陰気な顔をしながら、いまだにあたりをさまよっている。
新米のダグバート医師は、開業医のボーンズ医師とともに、往診の立会いに出かけた。「私は最初の二軒をやるから」とボーンズは言った。「よく見ておいて、次は君がやってみるんだ」
最初の家で、彼らは疲れきった男に出会った。「うちの女房は、ひどい胃痛なんです」と彼は言った。
ボーンズ医師は手短に診察すると、四つん這いになってベッドの下を覗き込んだ。「奥さん」とボーンズ。「甘いものやチョコレートの暴食をやめないといけませんね。そうすれば一日で良くなりますよ」。ダクバートがベッドの下をちらっと覗くと、キャンディーの包み紙が床に散らかっていた。
次の訪問で、彼らは取りみだしたベッキー・ゴールドバーグに出会った。「先生、サミーなんです!」彼女は泣いた。「あの人は昨日一日中ものわすれが激しくて、今日は何度もひっくり返りました。ベッドに寝かせたら、気絶してしまったんです」
サミーを診察すると、ボーンズは床に躓いてベットの下を見た。「実に簡単な問題ですよ」ボーンズはサミーに言った。「あなたは飲みすぎです!」。新人ダグバート医師がベットの下をこそり覗くと、ジンの空き瓶が7本見つかった。
三軒目はダグバートの番だった。彼がドアベルを鳴らすと、だいぶ間があってから、興奮した女性が返事をした。
「ご主人が私たちを呼んだんです」とダグバート。「ご主人によると、今朝あなたは取り乱していたそうで、それで私たちに診察を依頼しあんですよ」
そして彼らは二階に上がり、女性は横になった。ダグバートは彼女を診察すると、ベットの下を覗き込んだ。「いいでしょう」彼は締めくくった。「乳製品なしダイエットを処方しましょう。そうすれば、よくなりますよ」
帰りしな、ボーンズは狐につつまれて尋ねた。「どうやって乳製品なしダイエットなんて結論に達したんだい?」
「それはですね」とダグバート。「あなたの例に従ってベットの下を覗いたんです---そこには牛乳配達夫がいたんですよ!」
スロボヴィアは、夜中に教皇と娼婦酒場でコワルスキーと会い、ビールを一杯やっていた。
「君のかみさんの料理はどうだい?」コワルスキーが尋ねた。
「今晩、家に帰ったら」とスロボヴィア。「女房が泣いていたんだ。俺のために焼いたパイを、犬のやつが食っちまったんだと。俺は言ってやったね、『泣くことはない。もう1匹、犬を飼買ってやるよ』ってさ」
「クロップマンさん」 ボーンズ医師は言った。「あなたは重症ですが、私はあなたを治せると思いますよ」
「先生」 クロップマンは泣いた。「もしそうして下さるのなら、回復した折には、あなたの新しい病院に5千ドル寄付しましょう」
数ヵ月後、ボーンズは通りでクロップマンと出会った。「ご機嫌いかがですか?」
「すばらしいです。先生、上々です!」とクロップマン。「こんなに調子がいいことは、これまでありませんでしたよ!」
「お話しようと思っていたんですが」とボーンズ。「新しい病院のためのお金は、いかがなものでしょう」
「何をおっしゃってるんです?」 クロップマンは尋ねた。
「言ってたじゃないですか、具合が良くなったら、新しい病院のために5千ドル寄付するって」と答えるボーンズ。
「そんなこと言いましたかね?」とクロップマン。「そりゃ、かなり重症だったってことですな!」
モイシェ・フィンケルステインの妻ルーシーは、夫のベッドでの行為にいつも不平を言っていた。そこでモイシュは医者に行った。ボーンズ医師は、必ずうまくいく奇跡の新薬をいくつか処方した。
1ヵ月後、モイシュは再びボーンズ医師に会いに来た。「薬はすばらしかったですよ」とモイシュ。「一晩に3回やってます。
「それはよかったですね」とボーンズはクスクス笑った。「じゃぁ今、奥さんは夜の生活について何と言ってます?」
「さあ、どうでしょう」とモイシュ。「まだ、家に帰ってないんですよ」
カリフォルニア、サンタ・バナナの下町の、ある明るい月曜日の朝のこと。新時代の高度な外科を専門とするデキャビテイト医師は、最初の患者がやって来るのを待ちうけていた。デキャビテイト医師は、近代的で最新技術を備え、コンピュータ化され、クロムめっきが施されたオフィスを見渡した。そしてボタンを押すと、彼の最初の患者、ポーキー・ポークが入ってきた。
「先生!」 包帯で頭を巻かれたポーキーは叫んだ。
「ああ! 何も言わないでよろしい!」と怒鳴るデキャビテイト医師。「頭だな!」
「お見事!」と叫ぶポーキー。「どうしてわかったんです?」
「即座に言い当てられるさ」とデキャビテイト医師は答えた。「この仕事を30年やってきたんだからな!」。医師は、コンピュータのスイッチやボタンをいくつかカチャカチャさせて叫んだ、「疑いなく---君はひどい編頭痛だ」
「信じられない!」とポーキー。「ずっとそうなんです。治せますか?」
「いいとも」 コンピュータの画面を調べながら、デキャビテイトは言った。「少々、荒療治かもしれないが、ひとつだけ助けられる方法がある。君の左側の睾丸を除去しよう」
「そんな! 左側の睾丸ですって?」 ポーキーは叫んだ。「まあ、いいでしょう。この頭痛を止めるためなら、何だってしますよ!」
そうして1週間後、ポーキー・ポークはよたよたしながら、デキャビテイトの外科医院を出てきた。左側の睾丸は失ったが、新しい人間になったような気分だった。
「消えたぞ!」 ポーキーは叫んだ。彼は踊ろうとしたが、自分の動きがかなり制限されていることに気づいた。「俺の偏頭痛は消えた!」
この出来事を祝うため、新しい服を一揃い手に入れようと、ポーキーはモイシェ・フィンケルステインの仕立屋に直行した。
モイシェはポーキーを一目見るなり言った、「ジャケットのサイズは42号ですね」
「そのとおり!」 ポーキーは叫んだ。「どうしてわかったんです?」
「すぐに言い当てられますよ、」とモイシェ。「この仕事を30年やってきたんですから、そして、ズボンのサイズは39号ですね---股下は34インチ」
「すごい!」 ポーキーは叫んだ。「信じられない。まったくその通りだ!」
「もちろんですとも」と答えるモイシュ。「ずっとこれをやってきたんですから。それと、あなたの靴のサイズは9.5ですね」
「信じられない!」と叫ぶポーキー。「まさにその通りだ!」
「それから、下着のサイズは4号ですね」とモイシェ。
「いいや!」と答えるポーキー。「違うよ3号だ」
「それはあり得ませんね」 モイシェはしげしげと眺めながら、ぴしゃりと言った。「下着のサイズは4号でしょう」
「いや、違うよ」とポーキー。「ずっと3号さ!」
「いいでしょう」とモイシェ。「3号を着てもかまいません---でも、ひどい偏頭痛になりますよ!」 OSHO p87~97
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