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2013/08/17

「『眼力』をつける読書術」 吉岡友治 <1>


「『眼力』をつける読書術」 <1>
吉岡友治 2009/12 東洋経済新報社 単行本 207p
Total No.3080 ★★★★★

 当ブログとしては著者二冊目の本。前回の「いい文章には型がある」(2013/03 PHP研究所)と並べてみれば、「読み」と「書き」が揃ったことになり、さしずめ「読書ブログ」を標榜する当ブログなどは、これで十分に参考になるようなものである。

 しかるに、どうも納得しかねる部分も多い。二冊目となれば、重複する引用文(例えば、川端康成の「伊豆の踊子」とか、林芙美子「放浪記」や産経ニュース掲載のマリファナについてのコラム、あるいはフローベールの小説「ボヴァリー夫人」などについて)から推察すれば、それなりの著者の好みや定番メニューというものが見えてこないこともない。

 当ブログのおける「読書」は、実は、読書が先にあるのではなく、「図書館利用」が先にある。だから、本は購入して読むべきだという著者における「読書」の意味とはまったく違ってくる可能性がある。

 そしてその読書のアウトプットとしての「ブログ」があるのであり、(いや、ブログ機能が先にあり、その機能を利用するために「読書」を利用したというのが正しいか)、この本でいうところの「読書術」とは、かなり意味合いが違ってきそうである。

 良い本を読み、良い文章を書く、というだけでは「ブログ」にはならないし、そもそも、そこに論点はないだろう。自分なりのポジションなりオピニオンなりを持たないと(つうか、読書をしていると、自然とそれを持たざるを得なくなると思うが)、閑散とした不人気ブログとは言え、長期間続けることはできない。

 あるいは、時には、「わざと」本や著者を「悪しざま」に評価し、ネタを持続するというテクニックもないと、書いている自分でも飽きてくる。だから、この本と、当ブログを今すぐ直結して、どうのこうのとは言えない。「読み」と「書き」と、それから何かある。

 著者にはいくつも他書があり、たまたま(ってわけじゃぁないが)、私の手元には今、「だまされない<議論力>」(2006/08 講談社)や、「世の中がわかる『○○主義』の基礎知識」 (2007/07  PHP研究所)なんて本もあるので、それらにも目を通してから、再度、この本に戻ってくるのも、悪くあるまい。

 亡くなった友人の通夜で初めてであった時、私の連れはさらにもう一人の古い(しかも一番身近に住んでいて交流が多い)友人だった。彼があとから、この著者を評して表現するに、「ひさびさにすごい目をした男に会った」と。

 眼鏡の奥に確かに目はあったと思うが、そうだっかなぁ。「いや、すごい。ひさびさっていうか、ひょっとすると、あんなに目に力がある男とは初めて会ったかもしれない」。 と、私の連れは会場を後にしてからつぶやいた。

 たしかになぁ。目つきが悪い(すみません)。出会いからによっては、こんな男とは友人や知人になりたいと思わないかもしれない。私が一介のセールスマンで、「こんにちは」なんて、ドアツードアで訪問して、でてきた男に、こんな目で睨まれたら、う~ん、ちょっと困る。すぐ隣の家に向かう、というより、もうその町内はあきらめて、次の町にすぐ移動するかもしれない(例えばの話だけど)。

 あるいは、電車で座った席のちょうど向かい側から、この男がずっとこちらを見ていたとしたら、目的地に着く前に、手前の駅で降りてしまう(なんてことはないだろう)、なんて想像してしまうほどだ。

 著者は若い時分(いや、今もかも)、演劇活動をしていたようだから、ひょっとすると何かの映画にでもでてくるとしたら、やくざ映画がぴったりだろう。いや高倉健ほどの配役ではなくても、例えば月曜テレビドラマ定番「水戸黄門」あたりででてきても、決して「善玉」ではないだろう。

 長身で細身、あの目つきは、そうだなぁ、地方の悪代官よりも、もっとニヒルで非道な感じさえする(再び、すみません)。道中をさまよう素浪人というには「気」が入りすぎている。まぁ、言って見れば、「密命」を帯びている「殺し屋」ってところだろうか。

Su7

 そういえば、わが愛すべきティラノサウルスSueの目と何か通じるところがあるのではないか。と、庭のリゾートで、「チキンの骨でティラノサウルスを作ろう」プロジェクト進行中に、思った。

<2>につづく

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