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2013/11/09

気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ<3> リズ・ダベンポ-ト

<2>よりつづく


「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」 <3>
リズ・ダベンポ-ト/平石律子 2002/09 草思社 単行本 222p

 またまたこの本を開きたくなった。この本、わがガレージオフィスにおける常備本である。他に大事な本は山ほどあれど、一貫してオフィスの片隅に置いてある本の中では、古い広辞苑や国語辞典に次いで、もっとも古参に属する一冊である。

 この本のおかげで、わがガレージオフィスは、実はかなり片付いている。気になれば、この本に書いてあった内容を思い出し、早め早めに整理する。手遅れになる時はあれど、基本が出来ているので、まぁ、毎度なんとかスタートラインに立つことができてきた。

 しかし、今回は、「捨てるに棄てられなかった」大事なものの一群が対象である。主に、パソコン関係。OSが古くなって使えなくなったパソコンの数々。それらに対応していたはずのプリンター。Linux関連。ISDNやら電話回線やらの接続機器やターミナルアダプター類。そして、CDやらフロッピーディスクやらの記憶媒体。

 とにかく沢山ある。よくぞこれだけ溜めこんだものだ。これらはもともとオフィスにあったものだが、捨てるに捨てられず、納戸、外のスチールハウス、ガレージハウスとタライ廻しされ、ついに、いつの間にか、天井裏の収納空間に押し込められていたモノたちである。

 通常であれば、ここが最終ステージで、私が死んだあとは、一山もろともゴミと化すのが当然であっただろう。しかしながら、我が天井裏の暗がりは、今や、ロフトアトリエと名前を変えて、開発の魔の手が伸び始めてきた。

 茶の間、納戸、オフィス、外部スチール物置、ガレージ、ガーデンハウスと、次々と孫たちの侵略にもろ手を挙げて撤退し続けているうちに、遂に辺境最深部へと退却せざるえお得なくなり、ついに自らの身の置き場を失った一群となり果てた。。

 WinXP機が完全に過去の遺物となった今、それら関係以前のものは、完全に廃棄処分の対象となった。かつてはLinuxを入れて楽しんだものではあるが、Linuxとて、旧々世代のハードで甘んじる時代ではなくなった。最新とまではいかなくても、ある程度のモダンな環境が必要なのである。

 これらを廃棄するあたって、一番困るのは記憶媒体。あちこちにさまざまなデータが残っている。これらの取捨選択がなかなか難しい。それぞれのパソコンのハードディスクの処分、メモリーやらメモ書きやら、マニュアル類の書込みの個人データを、キチンと削除したい。

 とにかく驚いたのは、フロッピーディスクの枚数。なんと数百枚に上る。もともと、フロッピーディスクは容量が小さいので、一つのソフトを数枚に分けて保存することも多かったが、フロッピーそのものの信頼性も薄かったのか、さらにバックアップを取ったりしていたのだ。

 OSだって、フロッピーで10枚以上に分けてインストールしていたことだってある。いやいや、これだって、昔々のテープレコーダーにデータを記憶していたことを考えれば、グッと現代的だったのだ。今思い出すと、フロッピーを使い始めの、あの画期的な喜びの感動が湧きあがる。

 当世では、断捨離というらしきものが流行っているらしい。内容はよく知らないが、語感からするに、リズ・ダベンボードのkの本と内容的には重なり合うことが多いにちがいない。断はともかく、捨、と、離は、今回、とにかく断行せざるを得ない。

 ほんとうは数年前、まだまだ使えるこれらの器具類をひとつひとつヤフオクで値踏みをしたことがある。売れればの話だが、数百円から数千円、時には万を超える値のつく製品もあることはあったのだ。

 特に、パソコン関係は、いつかは手放すことも考えて、マニュアル類はいうに及ばず、新品時の箱類までキチンと保存してきた。これらを完売することができれば、鬼のような奥さんがくれる、雀の涙のような月々の小遣いの、ほんの少しは足しになるのではないか、と、本当はすこし独りほくそ笑んでいた時も、あることはあったのだ。

 しかし、出品し、発送し、入金確認するという手間を、私は徹底的に惜しんだ。そんなことやってられるかよ。いつ落札されるかわからない前時代的な一群を、どこのモノ好きが注目してくれるだろう。ああ、メンドウくせ~~。

 ということで、完全に天井裏の暗がりで安楽死を待っていた彼らは、ついに今回、いよいよ安住の地を失ったのである。

 「あとで」を信じるのをやめる。決断は「いま」か「遅すぎる」かのどちらしかない。p161「いま! 決める」

 「いつやるの? 今でしょ!」 は、当世の流行語である。しかしながら、リズ・ダベンボードにおいては、昔から、基本中の基本であった。光が入り始めた、わが天井裏スペースは、「遅すぎる」決断に流浪を強いられてきた「ゴミ山の一団」に、いよいよ、引導が渡される日がきたのである。 

 合掌。 アーメン。 冥福を祈る。

<4>につづく

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